- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167910662
感想・レビュー・書評
-
人の老いを、筋肉痛と超回復、ニュータウンの興亡、恋人とのすれ違い、退職と再就職と言った多層的な絡みの中で描くことで、ただ純粋に生きようとする力の滑稽なまでの力強さを強烈に感じた
シニカルな描き口がとても心地よく、かつあまりにピュアで偏見にさえ満ちた主人公の見方に半ば呆れつつどうしようもなく引き込まれる危うさを覚え、自分の中にあるものの見方の危うさへの気づきに気がつけばそれが再編されていた
とにかくすごい小説だ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
体も頭もろくに動かず生きているだけの状態。
自分もしんどいし、周りもめちゃくちゃイライラしてるし...寝たきりの状態なら自分もそうなるしな。
少子高齢化でこういう人増えるし、的確に世間表している作品だなと思った。 -
動く物影、ピザ、孫との戯れ。
「僕」が人生の再出発ができるよう、祖父がひと芝居うっていたのか。
突然付き合いを放棄した亜美も「僕」のための愛情なのか。
このタイトルからそんな気持ちで読み進めました。
結論はわからずじまいだったけれど。 -
如何にも芥川賞的な作品。 朝、図書館で借りてページ数も少ないのですぐ読み終えると思ったがグッと引き込まれなかったのか淡々と読み進めて思ったより時間がかかった。 でも決してつまらなかった訳ではなく高く評価されるのも納得の作品。 他の作品(読み始めてすぐやめた)は内容・表現とも結構過激でグロテスクなものだったが、この作品は現代日本が抱える問題、人間の心理を細かく描いてるのも作者の才能が垣間見える。 作者を少し見直した?作品。
-
母、息子、祖父の話。
息子の視点で描かれており、死にたいとよく呟く祖父への考え方が歪んでいると思った。
ただ、高齢化社会の現状を顕著に書いている作品でもあると思う。
-
老人と、主人公である無職の身で不安定な20代後半の孫との関係性は、若者が支えをしている老人と彼自身の人生をいかにコントロールしていくかについてと読めた。すごく小さなサークルの中の物語だけに自分(主人公)と他者(老人)との関係をメタファーにした社会性の強さが物語にあるんだろうなーとうっすら思うんだけど、僕の浅はかな読書力ではそのまま読んだだけだった。でも「現代の自立とは何か」の問いかけに作者が独自の答えを出していて面白かったですよ。
-
主人公の物事の少し捻くれた物事の捉え方に親近感が持て、個人的には読みやすく興味深い内容だった。しかし終わり方が釈然としないというか、突然な印象で、作中に出てきたいくつかの要素を消化できていない点が、残念だった。
-
「死ぬかと思った」ワロタ
-
そうだなと思うとこもあるし、違うんじゃないかなとおもうとこもあった。