スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫 は 48-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1965
感想 : 195
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910662

感想・レビュー・書評

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  • 人の老いを、筋肉痛と超回復、ニュータウンの興亡、恋人とのすれ違い、退職と再就職と言った多層的な絡みの中で描くことで、ただ純粋に生きようとする力の滑稽なまでの力強さを強烈に感じた
    シニカルな描き口がとても心地よく、かつあまりにピュアで偏見にさえ満ちた主人公の見方に半ば呆れつつどうしようもなく引き込まれる危うさを覚え、自分の中にあるものの見方の危うさへの気づきに気がつけばそれが再編されていた
    とにかくすごい小説だ

  • 体も頭もろくに動かず生きているだけの状態。
    自分もしんどいし、周りもめちゃくちゃイライラしてるし...寝たきりの状態なら自分もそうなるしな。
    少子高齢化でこういう人増えるし、的確に世間表している作品だなと思った。

  • 動く物影、ピザ、孫との戯れ。

    「僕」が人生の再出発ができるよう、祖父がひと芝居うっていたのか。

    突然付き合いを放棄した亜美も「僕」のための愛情なのか。

    このタイトルからそんな気持ちで読み進めました。

    結論はわからずじまいだったけれど。

  • 如何にも芥川賞的な作品。 朝、図書館で借りてページ数も少ないのですぐ読み終えると思ったがグッと引き込まれなかったのか淡々と読み進めて思ったより時間がかかった。 でも決してつまらなかった訳ではなく高く評価されるのも納得の作品。 他の作品(読み始めてすぐやめた)は内容・表現とも結構過激でグロテスクなものだったが、この作品は現代日本が抱える問題、人間の心理を細かく描いてるのも作者の才能が垣間見える。 作者を少し見直した?作品。

  • 母、息子、祖父の話。

    息子の視点で描かれており、死にたいとよく呟く祖父への考え方が歪んでいると思った。


    ただ、高齢化社会の現状を顕著に書いている作品でもあると思う。

  • 老人と、主人公である無職の身で不安定な20代後半の孫との関係性は、若者が支えをしている老人と彼自身の人生をいかにコントロールしていくかについてと読めた。すごく小さなサークルの中の物語だけに自分(主人公)と他者(老人)との関係をメタファーにした社会性の強さが物語にあるんだろうなーとうっすら思うんだけど、僕の浅はかな読書力ではそのまま読んだだけだった。でも「現代の自立とは何か」の問いかけに作者が独自の答えを出していて面白かったですよ。

  • 主人公の物事の少し捻くれた物事の捉え方に親近感が持て、個人的には読みやすく興味深い内容だった。しかし終わり方が釈然としないというか、突然な印象で、作中に出てきたいくつかの要素を消化できていない点が、残念だった。

  • 芥川賞の作品は難しい先入観があった。
    この本は、読みやすかったが終わりがイマイチ。
    祖父と孫の物語。
    介護が必要な祖父は、早く死にたいが口癖。孫である青年は、祖父を苦しまず尊厳死させようと模索し、必要以上の補助をした(要介護3→5へ)。しかし、結果は上手くいかず青年は鍛えられた身体と精神で就職内定が決まり、家を出ていく。青年の人生が再構築されるまでを描いている。

    まぁ、祖父と青年の内面的な戦いの話。

  • 「死ぬかと思った」ワロタ

  • そうだなと思うとこもあるし、違うんじゃないかなとおもうとこもあった。

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著者プロフィール

1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞しデビュー。「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞。『メタモルフォシス』『隠し事』『成功者K』『ポルシェ太郎』『滅私』他多数。

「2022年 『成功者K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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