肉まんを新大阪で (文春文庫 ひ 20-8)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910723

感想・レビュー・書評

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  • 内田百閒の『御馳走帖』を挙げて、「食べものについて忘れがたい随筆を挙げよ、といわれたら、わたしは真っ先にこの一編を脳裏に浮かべる。」と平松洋子さんは書いているが、ワタシにとってのそれは間違いなく平松洋子さんのエッセイ集である。

  • 平松洋子『肉まんを新大阪で』文春文庫。

    谷口ジローと組んだ『サンドウィッチは銀座で』から始まった平松洋子の食のエッセイ・シリーズ。相変わらず食を楽しむ情熱と、その情熱が読み手に伝わる文章力には敬服する。

    庶民の味方ちくわから始まり、コッペパンにうに丼、炒飯に肉そば、肉まんと日本全国の美味いものと意外性のある美味が紹介される。

  • 巻を重ねても毎度毎度美味しそうでした。
    だいたい、こちらとは離れた地域にあるお店や食材なので、ずっと目新しいものもあるのがすごい。
    缶入りのお菓子は何歳になっても心ときめくお菓子です。缶が素敵なだけでは買うことはないけど、お菓子が美味しそうな上に缶もかわいいとなると途端に誘惑に弱くなります。仕事がんばったから…とかの一区切りが危険。
    馴染みのお店が、店主さんたちの高齢で閉店になってる描写に切ない気持ちになります。行けるときに行っとかないと…と改めて思いました。

  • 「ぶたまん」の響きは、聞いたそばから耳がとろけそう-。真夜中のちくわ、牡蛎ルーレット、名古屋めしの正体、ふくふくのコッペパン…。どんな時でも読めば食欲が湧いてくるエッセイ全76篇。『週刊文春』連載を書籍化。

    食べたくなった。

  • さすがのひとこと。

  • シリーズ5作目。
    新作が出ると必ず読みたくなる。
    決して飽きないのは、食べ物に対するアプローチが360度だからだと思う。

    意外に庶民的なものが好物だったりする一方で、この食品はここのものが最高、というこだわりがあったり…
    懐かしい子ども時代の思い出が浮かび上がったり、馴染みの店の閉店に時代の流れを感じて切なかったり。
    他の人の、食べ物に対する姿勢に興味津々、あるいは、料理に欠かせない道具への愛。
    文豪の意外な好物を発見したり、後輩に対する気遣いに感動したり。
    …と上げていけばキリが無い。

    人間にとって、食べるということは生きること。
    でも、だいたいは無意識、本能のおもむくまま。
    ここまで「食べること」に対してアンテナを張っている人が他にいるだろうか?

    シリーズのイラストレーターは三人目となった。
    まだまだ続いて欲しい。

  • 一篇一篇が短いのが残念。
    あと著者が年を経るに従って好みが自分とずれてきていてそこも残念・・・でもやっぱり食べ物の事を書かせたらこの人はすごいと思う。
    食べ物の事でも、食事のことでもなく、食事を通して人生を書いている。だからいつも、読後は幸福な救われたような気持になるのだと思います。

  • 食べものの香りというのは
    本当にもう、キョーレツですよね。
    好きに振れるか嫌いに振れるかが、ちょっと微妙だけど。
    好きに振れたとき漂うその香りにすら幸せを感じる。
    そんなソウルフード(笑)
    551の蓬莱♪

    なんか今回の巻は、味園ユニバースやら
    奈良漬けやら湖北の名物やらと
    関西にも足を運んでくれてて嬉しいなぁ。

    他にも「炒飯の音」「コッペパンを盛岡で」や
    お母上とのやりとりが温かい「今年の栗ごはん」
    私も使ってたゴーフルの「夢の空き缶」のことなど
    いつも通りにどこを読んでも楽しい1冊でした。

    挿絵に関しては、下田昌克さんになりました。
    シンプルで力強い。

  • 文章にも相性があると思うのだが、私は平松洋子さんの文章は読みやすくて好き。
    写真が載っているわけでも、詳しいレシピが書いてあるわけでむもないのに、味が想像できる文章ってスゴイと思う。

  • 平松さんのエッセイ、大好きです。
    今回も美味しそうなものがたくさん!
    食の奥深さを感じさせてくれながらも、そんなに背伸びしなくても楽しめそうな雰囲気が嬉しい。

    平松さん、散歩の達人(雑誌)が好きなんだ。
    子供が大きくなってきたら、行きたい街を一緒に探して散歩に行きたい。計画を立てるのも楽しそう。美味しいものにも出会いたい。

    シーチキン卵丼
    京都のいり番茶
    干したナスの炒め物
    (ピーラーで剥いた皮はきんぴらに)
    山形県河北町谷地の冷たい肉そば
    北海道帯広ぱんちょうの豚丼
    盛岡福田パンのコッペパン
    中津川の栗おこげ
    四谷三丁目たん焼忍の牛タン
    新橋ベジタリアンのフルーツジュース
    きゅうりの炒め物、もろきゅう
    水切りヨーグルト
    おからでシャンパン
    家で焼き芋
    若生昆布で包んだご飯
    トマト寒天
    黒糖

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平松洋子の作品

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