「ない仕事」の作り方 (文春文庫 み 23-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911669

作品紹介・あらすじ

「仏像ブーム」を牽引してきた第一人者であり、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅん。とはいえ、「テレビや雑誌で、そのサングラス&長髪姿を見かけるけれど、何が本業なのかわからない」「どうやって食っているんだろう?」と不思議に思っている人も多いのでは?本書では、それまで世の中に「なかった仕事」を、企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作ってきた「みうらじゅんの仕事術」を、アイデアのひらめき方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、過去の作品を例にあげながら丁寧に解説していきます。「好きなことを仕事にしたい」、「会社という組織の中にいながらも、新しい何かを作り出したい」と願っている人たちに贈る、これまでに「ない」ビジネス書として話題となり、ロングセラーを続ける本書がいよいよ文庫に。文庫版オリジナル企画として、「スペシャル対談 糸井重里×みうらじゅん」も掲載。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス本と言っても差し支えない。
    「ない仕事」ニッチよりも狭いジャンルかもしれない。
    しかも、興味を引かせるところはみうらさんの凄さです。
    なにせ、自分を洗脳して好きであり続けるんだから。
    マニアック側の流行を作らせたら、この人の右に出る人はいないのではないだろうか。

  • イラストレーター?のみうらじゅんさんの著書。先に読んだ『頭のいい人が話す前に考えていること』からの孫引きで読み始める。以前からいろいろなことをしている方だとは認識していたが、そのモチベーションや考え方、取り組み方が面白かった。「ない仕事」を作る労力と好き、やり続けることの大切さを感じた。いつか「ない仕事」から生まれた本も読んでみたい。

  • みうらじゅんさんを知らない人に、この方をどのように説明すればいいのかわからない。わかっていない。私の知っているみうらじゅんさんは、仏像が好きな人で、雑誌『映画秘宝』に連載をしている人。そんなことを考えながら、本書を手にとった。
    本書を読んで、みうらじゅんさんのすごいところ(ご本人はすごいことをしている気概は全然ないでしょうが・・・)の一端を知ることができた。すごいところの一つは、好きでもないものを好きだと思わせるために自分を洗脳していくところ。(何をいっているのかわからないですよね。気になった人は是非本書を手にとってください)
    それでも、第三者にみうらじゅんさんとはどんな人物なのかを説明することは未だにできそうもない。できないまでも、その難題に挑戦してみると、こんな感じになる。

    「マイブーム」「ゆるキャラ」という新しい言葉を生み出し、その世界観を多くの人たちにじわじわと浸透させ、新しい市場というかマーケットというか今までにない文化というか、そんなものを何もない状態から自ら作り出している人。

    本書を読むと、子供の頃からやってきたことの延長線上に現在のみうらじゅんさんがそこにいるのだなぁと思える。今まで無かったものを生み出していく過程は、おもしろいし、読者にいろんな刺激を与えてくれる。
    出会えてよかったと思える本でした。

  • ネーミング:
    A+Bのどちらかはネガティブなもの、矛盾するものに。
    マイナスから入る方が受け入れられやすい。破壊力が出る。名前まけしない。
    本質を突く。

    ない仕事=無駄な努力(遊び、楽しむ)と自分洗脳が必要。

    マイナスなものに名前をつけて面白がる。
    つまらないことに、プレイ、ブームとつける。

    顔が見えない人たちに向けては何も発信できないし、
    発信してみたところできっと伝えたいことがぼやけてしまう。

    自分を消し、あたかもなかったものが流行ってるかのように主語を変えてプレゼンする。
    自分塾=自問自答する。

    ない仕事=そもそそも違う目的で作られたものやことを、
    別の角度から見たり無関係なものと組み合わせたりして、
    そこに何か新しいものがあるように見せる。

    面白さを具現化する段階ではないときは寝かせる。

  • 「ゆるキャラ」「マイブーム」などの言葉と
    言うより「概念」を作り上げた方です。

    ご当地キャラや、自分にとって興味ある物事
    などを表す言葉は皆それぞれ独自の言葉で
    表現していました。

    要は存在していたけれど、それぞれその時の
    話し手による表現力にゆだねられていたの
    です。

    つまり受け手次第でその内容は「何となく」
    共通事項として認識されていました。

    ところがみうら氏が作り上げた「概念」は
    「ネーミング」によって、すべての聞き手が
    共通の認識を持つことができるようになった
    のです。

    この時こそ今まで無かった「コンセプト」の
    誕生です。そこに仕事も生まれます。

    「ゆるキャラ」「マイブーム」以外にも、
    誰も見向きもしなかった物事にひたすら情熱
    を注ぎ、「くくった」上で世に発表します。

    そうすると、最初は無視されたり批判され
    たりしていたとしても、ある日別の人が
    「勝手に独自の意見を言いだす」時があり
    ます。

    無かったものが「ある状態」になる瞬間です。

    朝から晩まで営業している店を「コンビニ」
    って最初に定義づけた某チェーンの凄さが
    分かりますよね。

    それを生き方に転化すれば、独自のコンセ
    プトを持った「たった一人のあなた」が
    浮き彫りになります。

    そんな人生さえも学べる一冊です。

  • 読みながら笑った
    みうらじゅんさんの着眼点は凄い
    自分のアイディアの売り込み方とか面白く書いてるけど、ビジネス本と言っていい

  • 著者がホンマは何者なのか、それが気になって仕方がなかったところに、書店でたまたま見かけたので読んでみることに

    様々な「ない仕事」を狙って創り出してるようでもあり、著者自身の自然な考えから自然に出来上がったものでもあるし、そういう部分の成り立ち、考え方が知れて面白かったです

    自分の仕事にうまく活かせたら、いろんな意味で面白くなりそうなことも書かれてました

    他の作品も読んでみたくなりました

  • 「ゆるキャラ」も「マイブーム」も、みうらじゅんさんの考案で、最初はなにそれ?と誰も見向きもしなかったことをわすれてはいけません。

    みうらさん自身の行動は、「ブルーオーシャン戦略」そのものです。そんな言葉が一般的になる前から。

    それまでに「ない」新しいことを生み出す。

    それはつまり、はじまるときには誰も分かってくれないどころか、怒られることを覚悟しなければなりません。
    全く新しいものを生んだ瞬間から「すごい!」と評価されるわけがないのですから。

    それなのに、ある程度伸びそうな芽を選別しては大きく育てようとするやり方ばかりが、なぜかどんどん増えています。

    AIがなくても、いつでも「ない」仕事が、つぎつぎにできてきました。

    生きるイノベーション、みうらじゅんさん。
    そしてそれを見いだしたのが糸井重里さんなのも、興味深いです。

    軽く読めます。
    そして、とても深いです。

  • 肩の力を抜いて読めた。
    自分を信じ、自分を洗脳し、自分が楽しむ。
    好きな事を突き抜けるまでやり続け振り返った時、誰も追随していない未知の領域へ到達、結果的にそれが「ない仕事」となっている。

    今あるものを違う角度から見たり、まったく関係ないものとくっつけたりする事が「ない仕事」とするならば、それは正にイノベーション。

    「ない仕事」とは自分をフロー状態にするためのピンポイントのイノベーションだ。

  • 好きなことを仕事にする、とは、みうらさんの場合、「好き」を自分からガンガン突き詰めることからきているのですね。

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著者プロフィール

作家・イラストレーター

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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