- 本 ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167914356
作品紹介・あらすじ
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
第159回直木賞受賞作。
感想・レビュー・書評
-
タイトルの「ファーストラヴ」。
これが何を意味するのか。
由紀の大学時代のことか、と思った。
けれど、環奈とその母親の背景を知ったとき、一番最初に愛情をもたらしてくれる存在、もしくは、由紀の夫・我聞さんのような、一番の愛情をもたらしてくれる存在。
そういう意味合いが込められているのかなと。
この作品が、第159回直木賞を受賞した意味合い。
2018年という現代に、受賞した意味合い。
それに大きな価値があるのではないかと思って選評を見ると、ごり押しで受賞された、という感じではなかったようで、それはそれで、隣接している職業をしているわたしにとっては、ちょっと残念な気持ちにもなった。
朝井リョウさんが解説で述べているように「想像するしかないのだ」。
この作品の世界の中にあるのは、おそらく、がっつりとした共感、ではない。
曖昧でぼんやりとした、理解と合点。その理解と合点の程度は読者の想像力に拠るものなんだろう。
途中、わたしも物語のペースと想像のペースが合わなくなってしまった。こんな感覚に陥った直木賞作品は初めてだ。朝井氏は続ける。「簡単に理解できないものに出会ったときこそ、断絶を感じ距離を取るのではなく、想像するスイッチを授けられた幸運を噛み締めたい」。
曖昧なものに、境界線をつくり、そこに名前をつける作業。
対人援助職というのは、そういう仕事なのかもしれない。
臨床心理士という主人公の職業を目にした時、若干の不安を感じた。わたしは多くの素晴らしい臨床心理士を知っている。しかし、彼らが作品の中で描かれる時、とてもうさん臭く描かれてしまうことがある。今回、そんな不安がよぎりもしたけれど、作品全体として、その職業の専門性は伝わった気がした。
ネタバレ含みます。でも、この点に触れざるを得ないので、書きます。
全国にある児童相談所の相談種別の中で、性的虐待というのは、ダントツで認知・対応件数が低い。しかもそれは、性的虐待が児童相談所に発見され、対応された件数にすぎない。しかし、実際にはものごい数の性的虐待が、存在している。
スーザン・フォワードが、「毒親」という言葉を定義づけて約30年。
日本では、2008年頃から、信田さよ子さんや上野千鶴子さんによってその言葉は広められ、2015年頃からブームとなって、漫画や書籍などを目にする機会が増えた。(Wikipedia)
親の言動や行動に、どこか責められているような気持ちになったり、自分が悪いわけではないのに罪悪感を抱いてしまったり、親の機嫌にものすごく敏感になって大人の顔色ばかりを窺う。
違和感も、理不尽も、全部飲み込んで「悪いのは自分なんだ」と、そう思うことで、自分を納得させる。
そうした環境で育った人にとって、「毒親」という言葉の登場は救いになったのではないだろうか
近年、直接子どもが親に暴言を吐かれなくても、親同士が喧嘩をしている姿を目撃する、ということも心理的虐待として定義づけられるようになった。そういった状況もあって、近年の心理的虐待の認知件数は多く、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、性的虐待、全ての虐待種別の中で、心理的虐待が最も多く、数値としてもあらわれている。
子どもに「バカ」「死ね」というわかりやすい暴言を吐くのは虐待としては分かりやすい。
ではしかし、「あなたは決めるのが苦手だからお母さんが決めてあげるわね」という言い方はどうか。
この表現に、虐待性を感じるかどうか。
この表現は、子どもの主体性を奪っている。子どもが意見を言えないことを利用した支配。なぜ、意見を言えないのか。それは、意見を言ってもお母さんに理解してもらえないからだ。過去に、そういう出来事を体験しているからだ。その時学んだんだ。「この人にはわかってもらえない」と。だから、口をつぐむ。すると支配が続く。これが、子どもにとって、毒以外のなんだというのだ。心理的に支配しているという点では心理的虐待ではないのか。それなのに、上記の表現は、「子どもを思う親」としてとらえられがちで、虐待であると認識されにくい。
性的虐待は、親が子どもに性交を行う・胸や性器を触る、親同士の性行為を見せる、性器を見せる、とよくイメージされる。
しかし、以前テレビで見て気になっていた、わたしが思う性的虐待がある。
ある俳優さんの娘さんが、成人してからもずっと父であるその俳優さんとお風呂に入っている、という話をしていて、周りは驚きつつも笑い話のような雰囲気になっていた。このレビューを書くにあたって再度調べてみたら、父親の、娘の彼氏に対する拒絶感がとても強く、さらに彼女は父親が亡くなる直前に入籍をしていた。
わたしは、成人してからも娘とお風呂に入る、という出来事そのものを性的虐待だと思ったし、それを止めなかった母親も、子どもを守ることができない加害者だと思っている。そして娘の入籍が、父親が亡くなる直前だというのも、ざらりとした気持ちにさせられるのである。
あの時彼女は、どんな思いでテレビで暴露したのだろうか。SOSだったのではないか。笑って済ますことは、他に同じ状況下で苦しんでいる人たちの声も、閉ざしてしまうのではないだろうか。
こうした、人によって受け取り方が異なる曖昧な性的虐待は、ものすごい、ありふれた日常の中に埋まっている。しかもたくさん。
毒親、モラハラ、という比較的新しい言葉の登場。昔はそうじゃなかったことが、今はセクハラになる。
昔から、毒親もモラハラもセクハラも存在していた。しかし、日常の中にある、曖昧に呑みこんでいた出来事が取り出され、名付けられ、再定義されたのだ。
性的虐待にも、同様のことが言えるのではないか。
家庭内に存在する「なんか変だな」が、もっともっと名付けられるといい。そのためにはまずはそれらが取り出されなければならない。
「そんなことがセクハラなの?」「そんなことが性的虐待なの?」やった方としてはそうだったのかもしれない。時代背景もあったのかもしれない。でもそんなのは言い訳だ。いつの時代でも、嫌なものは嫌だ。それに名前があったか、なかったかの違いだ。起きていることは同じで、それが嫌なものは嫌。名付けようのない出来事や感情は、人を不安にさせる。自分が悪いような気がしてくる。
わたしがかつて、虐待対応の仕事をしていた頃。
寝室が父親と同室の、不登校の中学生女児がいた。
あくまでその時は、彼女が学校へ行けるようなフォローをしていたのだけれど。
未だに、どうしても消えない違和感が残っている。
そこには何もなかったかもしれない。でも、何かがあったのかもしれない。
部屋数の問題もあるかもしれない。だとしても。
「父親と同室で寝ている」
その事実だけで何かを断定できない。けれど、そこにある様々な人間関係をパズルのように組み合わせていくと、時折、性的虐待という事実が浮かび上がって来たり、欠けたピースに性的虐待を当てはめると、きれいなパズルが完成したりすることがある。
何かがある。そう感じた時の、うまく言葉にできない違和感。それを放置することの危険性。
その「何か」に、しっかり向き合った時、事実から芋ずる式に感情が吐露されることがある。それはとても曖昧で、不明瞭で、すぐには理解できないことがある。それはそうだ。たぶん本人もわかっていない可能性があるし、何よりもこれまで一度も表面化されていない感情なのだから。でもそれを、絶対に逃しちゃいけないんだ。その曖昧な輪郭の感情を、キャッチした大人はしっかりと向き合って、境界線を作らなくてはならない。その状況を無視したり、子どもの言うことを嘘だと断定する前に。しっかりと子どもの話を聴いてあげること。子どもの口を閉ざさないで。これ以上、子どもを苦しめないで。
わたしはきちんと彼女に向き合ったつもりだけれど、彼女を救えたのだろうか。
最後に。
わずかながら、児童相談所が対応する性的虐待の対応件数が増加している。
わたしも経験があるけれど、性的虐待の対応って、とにかく大変なんだ。
それが増加しているのは、児童相談所や自治体のソーシャルワーカーが、戦っている証だ。児童相談所は、よく敵とみなされがちである。でも、国の第一線で子どもの命を救っているのは、彼らなんだ。それを忘れちゃいけない。 -
ある夏の夕刻、川沿いを血にまみれ歩いていた女子大生が逮捕される。上手くいかなかった女子アナ試験の後、画家である父親を殺害したというのだ。
臨床心理士である主人公が、彼女の本を執筆する為、手紙や面会を通して、女子大生がここに至るまでを掘り下げていく。
父親と娘に血縁関係はなく、父親の冷酷さがある。
女子大生とその母親の関係性に不穏さをみる。対立することなく、協調することもない。受け入れず、理解し合わない。
感情を抑えて育った少女は、虚言的な行動を見せる。それは、救いを求める行為であり、現実逃避。
自分の言葉で語り始めたとき、蓄積された過去と向き合う事が始まる。
この事件と並行して、主人公“私”の過去のトラウマも語られていくのだけれど、心理士になった設定として必要と思うのですが、具体的に読み取れないかなと。そして、この方のご主人の善良さが印象的で、ファーストラヴというタイトルの収まり処なのかなと思うのです。でもね、上手く読めなかったかもしれないです。 -
初島本理生作品。
父親を刺殺した容疑で逮捕された女子大生と、彼女のルポルタージュの執筆を依頼された臨床心理士が事件の真相を追求していく作品。
表題名の印象とは異なり、テーマは性虐待と重いものであった。
そして登場人物の父と娘、母と娘、母と息子それぞれに育ってきた環境や、愛情の注がれ方など描かれたメッセージは、正に受け取る側の感受性に委ねられ、読み手によって理解が分かれる作品だと感じた。-
いつもお世話になっております。
私が今の現代社会の問題が起こることを20年前には予見してました。
もし、人間が他の動物たちと一緒だと...いつもお世話になっております。
私が今の現代社会の問題が起こることを20年前には予見してました。
もし、人間が他の動物たちと一緒だと仮定した場合に起こりえると。
動物園の色々な動物たちは自分たちで子供を育てることが出来ず、
保育師が育てた話をTVで見てきました。
高度成長期時代の子供は鍵っ子と呼ばれ、学校から帰り、一人でご飯を
食べて、一人で学校に行くことが当たり前になってきました。
その子たちが親になって、子供を育てることができるか?また、子供と思わないのではないかと。
今後、少子化でさらに女性活躍で益々、このようなことが増えるのでは
ないかと危惧しています。親の愛情は高い生活水準と比較できないものです。テレワークで少し、家族との会話ができるようになりました。2021/10/30
-
-
殺人事件の物語だと思って躊躇しながら読み続けると、なんと純愛物語。
家族の問題を取り上げながら自分自身の恋愛や家族の問題も。
我聞さんがとっても素敵。
一人一人の人物像がしっかりしていて、読み応えたっぷり。
解説の朝井リョウさんも とっても良い感じ。
複雑に絡み合うストーリーの構成も素晴らしく、最初は頭に素直に入らなくても、後半は素晴らしい展開に。
是非読んでもらいたい一冊です。-
2020/08/27
-
りまのさん
おはようございます。
島本理生さん 初めて読んだのですが、読後感がすごくよくって面白かったです。
コメント ありがとうございます...りまのさん
おはようございます。
島本理生さん 初めて読んだのですが、読後感がすごくよくって面白かったです。
コメント ありがとうございます。
2020/08/27 -
2020/08/27
-
-
積読してたら映画公開されてしまった。
読みやすくて一気読み。
裁判とか法律とかだと単語とか難しいかな?と思ってたけど、そんな事はなく取材と恋愛話のようなストーリーだった。
難しい単語も少なく読みやすかった。
迦葉って名前がなかなか慣れなかったけど…。
環奈はもっと冷酷な子なのかと勝手に思っていた。(映画予告の芳根京子さんのイメージのせいかな?)普通の女の子。断れない、嫌われたくない、相手の気持ちを先読みしたくなる。少し気持ちは分かるなと思った。美人局とか八方美人とまではいかなくても、なんとなく相手に気を遣うような感じ。気遣いの延長なのかな?
初めての作家さんだったけど、スラスラ読みやすい文章で良かったな。 -
確かに父親を故意か過失かは分からんけど、殺してしまった…
この子の生い立ちが、凄すぎてて、私には理解できん事が多々あるけど…
親も悪いとは思う。
それぞれの理想があって、それを子供に押し付ける。または、事実から目を背ける…
こんな事を意識的、無意識に関わらず、子供育てたら、ある意味虐待になる気もするな。
親の過去にも色々ありそうやけど…
父親が亡くなった事は、事実だし、これを自分なりに理解して乗り越えていくしかないんやろな…
カウンセラーさん、サポートお願いします〜
しかし、もっと深い闇は、母親かも…
う〜ん…
前途多難や… -
衝撃的で、圧倒的。
いろんな感情が溢れ出して、ちょっと、というかすごくやばい読後感です。
女子大生・聖山環菜は父親の勤務先で、父親を刺殺した疑いで逮捕された。
なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材にノンフィクションの執筆を依頼され、国選弁護人の庵野迦葉と共に、環菜の過去に迫るー
第159回直木賞受賞作。
「直木賞のすべて」で選考委員の意見を読むと、男性選定委員の評価が総じて高く、女性選考委員はそれほどでもないところがおもしろい。
高村薫さんが「『文章がいい』という声が多かった」と言っているが、まさしくそうだと思った。淀みなく心に入っていく。スマートにスムーズに。だからこそ「全体的に薄味な印象」(桐野夏生さん)に感じる人もいるだろう。
その一方で、「冷ややかな恐怖と閉塞感、作中で暴かれてゆく秘事への嫌悪感には忘れがたい」(宮部みゆきさん)ため、物語に浸ってしまうと、心の奥底が揺さぶられる。
文庫版には朝井リョウさんの解説があって、それも非常に良い。
朝井リョウさんはこの小説について言う。
「自分とは異なる肉体が歩む道を想像するスイッチを授けてもらえる…。男性の読者の中には『このシチュエーションでこれほどの精神的ストレスが生まれ得るものなのか』…狐につままれるような気持ちになる人もいるかもしれない。」
この小説は男性こそ、読むべき小説かもしれない。
とにかく素晴らしい小説!
なおこの小説、ドラマ化と映画化されるのだそうだ。
ドラマは2月22日放送。映画公開は2021年。
どちらも見なくては。
2021.2.11
映画見た。
「父親って気持ち悪い存在」と感じさせられ、とてもショックを受けた。-
たけさん、こんばんは!
読了して、また改めてたけさんのレビューを再読させていただきました。
わたしも、受賞の背景が気になり選考委員の選評...たけさん、こんばんは!
読了して、また改めてたけさんのレビューを再読させていただきました。
わたしも、受賞の背景が気になり選考委員の選評を見ていました。たけさんのレビューも含め、改めて思ったことは、男性から見ると、男性にとっては新しい形での心理描写と感じられるのかもしれないですね。臨床心理士という主人公の職業から、丁寧に複雑な気持ちやリストカットなどの構造を説明してもらえるような、そういう気付きが与えられたのかもしれません。解説の朝井さんもしかり。
一方、女性作家さんからすると、表現や心理描写に物足りなさを覚えたのかもしれません。桐野さんも宮部さんも、もっともっとえぐい作品描いてますからね(笑)わたしも、島本さんの作品は嫌いではないですが、いつも薄味と感じてしまいます。(桐野さんの表現うまい!)
長くなりましたが、改めて思ったことを書いてみました!
感覚を刺激してくださるレビュー、ありがとうございました!2020/11/23 -
naonaoさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
島本さんは確かに「薄味」ですよね。重いテーマであっても、バターとソースは使...naonaoさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
島本さんは確かに「薄味」ですよね。重いテーマであっても、バターとソースは使わずに塩だけであっさりと調理した感じ。まぁ、それはそれでありかなと。2020/11/23
-
-
話題作だけど映画とかだと、キャスティングが自分好みの方じゃないと見なかったり、自分の中の偏見とかが邪魔するので
その場合は原作を読むようにしてます。
漫画からの実写映画もそうですが…
基本
●原作読んでるものは映画で見ない
●原作で読んでない映画は見る
これが個人的なルールでやってます
人間てわがままだから、知ってると【ああ違う】とかいらない感情が邪魔して作品を見れなくなっちゃうんですよね
-
ベルゴさん。こんばんはー。
ご説、わからなくはないです。
以前、映画の「リング」をテレビで流れていたのでなんとはなしに眺めていたの...ベルゴさん。こんばんはー。
ご説、わからなくはないです。
以前、映画の「リング」をテレビで流れていたのでなんとはなしに眺めていたのですが、原作とは主人公の性別が違っていたことに驚愕しました。
映画版は、松嶋菜々子さんだったでしょうか?
テレビで鑑賞しながらそのあとの筋を思い出し「女性でもいけるかな?」と、心配してみたり、それにしても主人公の性別を替えた意図はなんだったのかと想像してみて、なんだか可笑しくなってしまい、ホラーなのに笑ってしまいました。
でも、映画の「ショーシャンクの空に」は良かったな。
原作はS・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」。
文庫では「ゴールデンボーイ」のタイトルで販売され、「刑務所のリタ・ヘイワース」と「ゴールデンボーイ」の2編が収められています。
いっそのこと、「ショーシャンクの空に」と改題して売った方が売れたのでは、と余計な心配をしてしまいます(笑)2022/05/27 -
そうなんですよね
世間は良く漫画を実写化で【ああ…違う】とかなるけど…
もともと小説→実写や、漫画→アニメ化でもおきてて、
最近の映画化され...そうなんですよね
世間は良く漫画を実写化で【ああ…違う】とかなるけど…
もともと小説→実写や、漫画→アニメ化でもおきてて、
最近の映画化される物の原作が漫画が多いのでしのイメージが強いですよね
自分も【違うわぁ】と思った時に製作関係者に悪いか…とか、原作ではなく実写化から楽しんでる人に悪いねとか考えるようになりした(笑)
それにしても最近ヒドイと思ったのが漫画【約束のネバーランド】のアニメ2期…原作をまるまる変えてしまいコミックを10冊ほど飛ばし…まるでフリーザ編をカットしたドラゴンボール状態になってた時はアニメ見てた後輩夫婦に【違うんだこんなつまらなくないんだ!】ってコミック全巻かしました(笑)2022/05/27
-
-
初めての島本理生さん。
ガッツリ恋愛かと思いきやミステリーを織り交ぜた作品。
過去の性虐待や世間ではおかしいとされる日常のトラウマを引きずる少女。
うちに秘めてしまった自己開示欲を臨床心理士が引き起こして、物語の闇が明るみになっていく。
由紀と迦葉の関係性も両親とのネガティブな繋がりと共通していて、複雑な過去を今乗り越え受け入れて成長している心理的描写が良かった。
始まりの違和感と最後の違和感が繋がってなるほどなぁと感心する構造だった。
歪んだ家族像に苦しくなる場面があったけど、人間の心理系はおもしろい。
次は島本さんのガッツリ恋愛系も読んでみよう。
-
フォロワーさんのレビューを読んでとても気になっていた作品。
臨床心理士の由紀は、出版社から最近話題になっている
美人女子大生 環菜が父親を刺殺した事件を本にしないかと持ち掛けられた。
逮捕後の取り調べでは「動機はそちらで見つけてください」と警察に話したと伝えられ、
ワイドショーなどで大きく報道されていた。
この事件を担当する弁護士は、偶然にも夫の弟の迦葉だった。
迦葉からも協力を請われ、由紀は環菜に接見するも、何故父親を殺したのか?
簡単に動機には辿り着かせてもらえない。
環菜から話しを聞き、母親から、親友から・・・と少しずつ
環菜の周囲の人からの話を聞き集める由紀。
物語の紡ぎ方が非常に興味深く、一気読み必至の本。
「そんなの親に虐待されてたんじゃないの?」
という私のありきたりの予想は当然しっかり裏切られ、
もっともっと緻密なストーリーだった。
たくさん本を読んでいるわけではないが、自分が読んだ本の中では
こんな雰囲気の本は読んだことが無かったかなぁ??と思う。
この作家さんの表現の仕方は私はとても好みだなぁ~と思う(*^-^*)
また別の本も読んでみたい♪
著者プロフィール
島本理生の作品






そうですよね。児童相談所の職員はかけがえのない命を救うために、第一線で日夜戦っている。naon...
そうですよね。児童相談所の職員はかけがえのない命を救うために、第一線で日夜戦っている。naonaonao16gさんの言うとおり、それは忘れてはいけないと思いました。
何かあると批判ばかりされて大変な職業だと思いますが、取りこぼした時ばかり言われてる陰には救われてきた子供たちもたくさんいると思いました。
こんにちは!
コメントありがとうございます^^
今振り返ると、名付けられてなかっただけで、そうだったよなーと思うことって...
こんにちは!
コメントありがとうございます^^
今振り返ると、名付けられてなかっただけで、そうだったよなーと思うことってありますよね…
最近、夫婦が女子高生を殺してしまったニュースが報道されましたが、あのニュースも、表面化していない様々なものが背景にありそうで、悶々としています。
これから救えるものも、まだあるような気がして。
日頃の頑張りは評価されず、何かあった時だけ叩かれる…やりきれませんよね…
最近また現場の仕事に戻ってみようかな、なんて気持ちが沸いては戻り…を繰り返しています。