- 文藝春秋 (2021年1月4日発売)
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感想 : 20件
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167916268
作品紹介・あらすじ
ウーパールーパー、カエル、蛾、蝶と、ちょっと不思議な生き物を飼う人々が、いつしかその生き物たちに依存するかのごとく、不穏な領域に踏み込んでいく姿を描いた異色連作集。
全米図書賞受賞で話題の作家の最新作。
夫との生活に疲れた中年女は、家にいた毛虫に「トーマス」という名前をつけて飼うようになった。トーマスへの愛着が深まることで、なじんでいると思っていた夫のことが、いままでとは違って見えてくる。夫の本心とは何なのか。夫の好きなものは何か。夫は何に関心があるのか。夫は何も関心を持っていないかもしれない。じゃあ、わたしは夫の何に関心があるのか。何もないかもしれない。わたしは自分に対しても関心を持つことができない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。何がいけなかったんだろう?
疲れた。ほんとうに疲れた……。中年女の心情をリアルに描く――「イボタガ」。
ウーパールーパーに「アポロ」という名前をつけたコンビニで働く青年の話――「ウーパールーパー」。
シングルマザーの母親との軋轢にもめげず、健気に生きていこうとする少年の話――「イエアメガエル」。
「トーマスは羽化しませんでした」という謎のメッセージと共に妻に去られた中年男の話――「ツマグロヒョウモン」。
みんなの感想まとめ
不思議な生き物を飼う人々の生活を描いたこの作品は、彼らの心の奥に潜む孤独や依存、そして人間関係の複雑さを鮮やかに映し出しています。中年女性が毛虫に愛着を持つことで、夫との関係に疑問を抱く様子や、ウーパ...
感想・レビュー・書評
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人間と生き物の関係を通じて、人間の孤独や葛藤を静かに描いた短編集でした。
それぞれの物語に登場する生き物たちの描写がとてもリアルで、彼らを飼う人々の心の中に潜む空虚さや救いを求める気持ちが胸に刺さります。
夫婦や家族、他者との微妙な距離感を見つめ直させられる内容で、共感する部分も多々ありました。
ただ、自分はハマりましたが、全体的に重苦しい雰囲気が漂っているので、読む人によっては気持ちが沈んでしまうかもしれません。 -
いろいろな生物を飼うものとその生活が描かれていた。ハッピーエンドなどは特になく、それぞれの実生活が上手くいかない中で、生き物を飼うことでこの世に繋がっているような生活があった。
3作目の話では、母親と少年でカエルを飼う中で、母親は少年の事も飼っているような感覚がした。
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読了しました。イボタガやウーパールーパー、イエアメガエルやツマグロヒョウモンなどの風変わりな生物を飼育している人々の話です。
登場人物は皆リストラされてコンビニ勤務だったり結婚10年にして子供が出来なかったり、母子家庭だったりと生活に何かしら問題を抱えています。静かな世界で登場人物の息遣いだけが聞こえるような、静かで生々しい作品でした。重い話が多く読んだ後も暫く心にへばりついてるような、そんな話が多いです -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755235
いきなり漂う不穏な空気、気になって読んでしまいます!
生き物を通して描かれる人間の本性…リアルです。
美しくも虚ろな表情をした女性。
意味深な表紙にも目を惹かれます。 -
何だろう、凄い「わかる!」って感じではないんだけど、読み終わっても時々思い出して味わっちゃう感じの短編。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755235
いきなり漂う不穏な空気、でも気になって読んでしまう。
生き物を通して描かれた人間の本性がリアル。 -
生き物を飼うとその生命力をそばで見ることができる。
『飼う』理由は人さまざまで、他人に理解できるものばかりではないと思うけど、何かしらの心の葛藤を持っている人には希望を見つけることができる1つの手段となるのかもしれない。
関係ないけど、何年も飼っているメダカのつがいが先日一緒の日に死んでしまった。
でも、その数日後の朝。鉢の中には新たに生まれた針子(子メダカ)でいっぱいだった。
とても穏やかな気持ちで1日過ごすことができた。 -
飼う人 柳美里 2021/1/24
「生き物を飼うことは、『祈り』に似ている」という帯に書かれた文に興味を惹かれて購入。
内容としては、日々の生活になんとも言えない閉塞感や鬱憤を抱えた人達がなんらかの生き物を飼う話。
別に、それで日々に潤いが出たとかそういう話じゃない。
一つ感じたのは、登場人物達が現状からの脱却を望んでいること。
そして、買っている動物(もしくは昆虫)が成長であったり羽化であったりとなんらかの変化を遂げていくこと。
まあ、有り体に言ってしまえば変われない自分と変わっていく動物(もしくは昆虫)の対比なんだろう。
そう考えると、「生き物を飼うことは、『祈り』に似ている」という言葉も凄く納得がいく。
現実に置き換えても、疲れたOLが癒しを求めて猫を飼うなんてのはありふれた話だ。
変化というものはとてもエネルギーを必要とすることなんだと思う。
それに、羽化の前に蛹の中でドロドロになるように、変化によっては自分を一度壊すことになるかもしれない。
この本の登場人物達を現状からの脱却を望んでいるだけで努力していない怠け者だ、と一蹴することは簡単だろう。
でもそれは強者の理論であって、みんながみんな強者なわけじゃない。
弱者には弱者なりの苦しみがある。
そんな苦しみに寄り添ってくれる本だと思う。
読んでいて思ったのが、描写の細かさ。
シーンを書くのに、具体的な数字などを使って描写しているのがなんだか印象に残る。
そのぶん脳内でシーンを映像化するのがやりやすいとは思うけど。
▶︎pick up
時間があると余計ことを考えて過去と接触してしまうから、休みなく働いて時間を換金したほうがいい。
自分の存在の重心を自分の存在の外には置きたくない -
生き物を飼っていた経験はある。
たしか、コオロギだったような。バッタもいたような。いつ飼い始めていつ死んだのか、覚えていない。
生き物は人の生活のことなんて何も気にしていない。
人は生き物を飼うことで気づく何かがあるのか。 -
主人公たちの希望、絶望など感情が生き物を通じて繊細に描かれており面白かった。
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【生き物を飼うことは「祈り」に似ている】ウーパールーパー、カエル、蛾、蝶……風変わりな生き物を飼う人々から、底知れぬ世界が広がる。全米図書賞受賞作家の最新小説集。
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