- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167916268
作品紹介・あらすじ
ウーパールーパー、カエル、蛾、蝶と、ちょっと不思議な生き物を飼う人々が、いつしかその生き物たちに依存するかのごとく、不穏な領域に踏み込んでいく姿を描いた異色連作集。
全米図書賞受賞で話題の作家の最新作。
夫との生活に疲れた中年女は、家にいた毛虫に「トーマス」という名前をつけて飼うようになった。トーマスへの愛着が深まることで、なじんでいると思っていた夫のことが、いままでとは違って見えてくる。夫の本心とは何なのか。夫の好きなものは何か。夫は何に関心があるのか。夫は何も関心を持っていないかもしれない。じゃあ、わたしは夫の何に関心があるのか。何もないかもしれない。わたしは自分に対しても関心を持つことができない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。何がいけなかったんだろう?
疲れた。ほんとうに疲れた……。中年女の心情をリアルに描く――「イボタガ」。
ウーパールーパーに「アポロ」という名前をつけたコンビニで働く青年の話――「ウーパールーパー」。
シングルマザーの母親との軋轢にもめげず、健気に生きていこうとする少年の話――「イエアメガエル」。
「トーマスは羽化しませんでした」という謎のメッセージと共に妻に去られた中年男の話――「ツマグロヒョウモン」。
感想・レビュー・書評
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読了しました。イボタガやウーパールーパー、イエアメガエルやツマグロヒョウモンなどの風変わりな生物を飼育している人々の話です。
登場人物は皆リストラされてコンビニ勤務だったり結婚10年にして子供が出来なかったり、母子家庭だったりと生活に何かしら問題を抱えています。静かな世界で登場人物の息遣いだけが聞こえるような、静かで生々しい作品でした。重い話が多く読んだ後も暫く心にへばりついてるような、そんな話が多いです -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755235
いきなり漂う不穏な空気、気になって読んでしまいます!
生き物を通して描かれる人間の本性…リアルです。
美しくも虚ろな表情をした女性。
意味深な表紙にも目を惹かれます。 -
生き物を飼うとしても、一緒に過ごす生活の中で自分では重ね合わせないような感情が詰まった短編集。
少し見えるような見えないような光や気付きを自分なりに想像して、重くなりそうな気持ちを休ませながら、割と順調に読了。 -
何だろう、凄い「わかる!」って感じではないんだけど、読み終わっても時々思い出して味わっちゃう感じの短編。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755235
いきなり漂う不穏な空気、でも気になって読んでしまう。
生き物を通して描かれた人間の本性がリアル。 -
生き物を飼うとその生命力をそばで見ることができる。
『飼う』理由は人さまざまで、他人に理解できるものばかりではないと思うけど、何かしらの心の葛藤を持っている人には希望を見つけることができる1つの手段となるのかもしれない。
関係ないけど、何年も飼っているメダカのつがいが先日一緒の日に死んでしまった。
でも、その数日後の朝。鉢の中には新たに生まれた針子(子メダカ)でいっぱいだった。
とても穏やかな気持ちで1日過ごすことができた。
https://...
https://kahoku.news/articles/20211203khn000035.html