乗客ナンバー23の消失 (文春文庫 フ 34-1)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167916848

感想・レビュー・書評

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  • 豪華客船は、カジノ、シネマ、バー、カフェ、ありとあらゆる娯楽や施設が整った小さな町のようだ。
    ただしそこには警察だけがない。
    23ーそれは毎年客船で消える乗客の数。

    原題はPASSAGIER23(直訳:乗客23)で、やはりこちらのほうがしっくりくる。でもパっと見た時のインパクトは邦題のほうですね、でも中身読むとしっくりこなくなる。
    でまぁそんなことはどうでもいいのであって、面白かったです。
    きなくさいオープニング、囚われているらしい女性の独白と、とてもヴィジュアルに訴える刺激で、あっという間にすいこまれてしまいます。
    妻子を失いイカれてしまった潜入捜査官・マルティン・シュヴァルツが主人公。
    2か月前、客船”海のスルタン”号の乗客が消え、自殺と報告されたのだが、それが姿を現したところからマルティン本格参入。
    スリルとイライラとモヤモヤの連続!
    ちょっと船旅をするのがこわくなっちゃう一冊でした。
    犯行の動機やらなんやらに関しては
    「あ゛ぁん?!?!」ってな感じで気に入りませんが、
    知らない世界ではこういうこともあるのかと飲み込んで。
    この作家さんの作品をもっと読みたい!翻訳プリーズゥウ!

  • 続きが気になって一気読み。どんどん展開していく物語。映 2時間映画になりそうなサスペンス。大西洋を横断している超豪華客船「海のスルタン号」が舞台。主人公マルティンは、過去にこの船で妻と息子を亡くしている。妻の無理心中とみられているが、あれは自殺ではなかったという証拠がある、と呼び出されて船に乗った。みるからに悪そうな船主、しょぼい悪役風の船長、問題を抱える高校生の娘とその母親、自殺したと思われていたのに急に現れた少女、虐待の跡、あらくれもののスタッフ、暴力を受けるメイド、一緒に謎を追うことになった女性の医師。どたばたである。ぞっとする描写も多い。ので、映画化しやすそうだけど映像ではみたくないかも。

  • 二か月前に航海中に失踪した少女が、同じ船の航海中に突然現れる。

    豪華客船に潜む謎の失踪事件、そして主人公の妻と子の自殺の謎。

    豪華クルーズ船の旅、それはステータスであり憧れの対象。一方で、確かにこの本にあるように、大洋航海中に飛び込めば捜索は困難で、自殺にはもってこいの場所である。さらに、いったん外洋に出てしまえば、次の寄港地までは閉ざされた空間となってしまう。
    憧れの場所とは似つかないこの現実が、物語の異様性を構築する絶好の舞台となった。

    読んでいて、投げやりになった囮捜査官という主人公マルティンの置かれた状況にやや違和感を感じるも、帯の宮部みゆき氏推薦「ジェットコースター・スリラー」のとおり、登場人物の謎の行動と出来事でとまらない読書となった。

    映像化はないのかなぁ……。

  • めちゃくちゃ面白い、、
    何から何まで予想外の展開だった

  • ★3.5

    豪華クルーズ船の中で、乗客が消える・・・。じつは、そんな出来事が、毎年少なからず起きているそうです。この作品は、その様な出来事が下になっています。

    船の中でのパニックモノと言えば『ポセイドン・アドベンチャー』が有名ですが、この作品は、パニックモノと言うより、犯罪モノです。それでも、逃げ場のない船の上で起きる犯罪は恐ろしいですね。しかも、その犯罪は、二重三重にトリックや騙しが仕掛けられていて、最後の最後まで気を抜くことは出来ません。

    この作品の面白いところは、映画のエンドロールの後にも少し物語が続くかの如く、著者の謝辞の後に、エピローグがあるところ。著者は気を使って、興味が無ければ先に進んでくださいという事を書いています。そのエピローグも、二重三重と言ったトリックや騙しの一つ。なので、二重三重ではなく、四重五重なのかもしれません。

  • 文庫落ちにて再読。

  • 【ドイツ・ミステリーの最高峰】大西洋を横断する豪華客船で母と娘が忽然と姿を消したーー。消えた妻子の行方を追うべく乗船した捜査官の前に、次々と謎が現れる。

  • 若い頃はサスペンススリラーのようなものもそこそこ読んでいたのだが、近頃は全く手に取ることもなく、久しぶりにこのような作品を読むとどきどきしてなかなか先に進めない。痛そうな描写は飛ばし読みしたいけど、そんなことすると話がわからなくなるかもしれないし。読み終わるのに本当に難儀した。

  • 二転三転し過ぎてちょっとやりすぎな感じはあるけど、次々と出てくる新情報に読むのが止まらなかった。女医の真相や後日談よりも、虐待の方が読んでてショックは大きい。というか、虐待の被害者に対しては心が痛むけど、殺し屋とか被害者保護プログラムは話が大きすぎてあんまりピンと来なかった。蛇足感。

  • 面白かった!!全体的に腹立つ奴がちゃんと痛い目にあってくれるので設定的には重い話だけど割とスッキリしながら読めた。

    母親からの虐待をちゃんとあるものとしてしっかり描いてくれてて最高。犯人による被害者の追い詰め方もめちゃくちゃスッとする。特捜部Qの一作目を思い出すナイス監禁!舞台が豪華クルーズなのも楽しくてよかった。

    ちょいちょい偏った日本知識が出てくるのは若干気になるけどまあ不問。

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