きみの正義は 社労士のヒナコ (文春文庫 み 51-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167917821

作品紹介・あらすじ

学習塾からアルバイト講師の時間外労働の相談が持ち込まれた。一方、工務店からは年齢を偽って働いていた未成年が就業中にケガをしたと相談が。一見無関係に見える2つの問題がやがて繋がり……(表題作)。ちょっぴり成長した社労士2年目のヒナコが、様々な労務問題に取り組む人気ミステリシリーズ第2弾! 解説・内田俊明


【唯一無二の労務ミステリー】

労働・社会保険問題から年金まで企業のお手伝いをする社会保険労務士(国家資格)、略して社労士 2 年目のヒナコは、クライアントからの相談対応で本日も大忙し!

シリーズ第1弾 文庫『ひよっこ社労士のヒナコ』も好評発売中!

感想・レビュー・書評

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  • <ひよっこ社労士のヒナコ>の2冊目。
    4回目のワクチンを打ったので、休日のルーティンを全て止めて本を読む。

    改正労働契約法かぁ。無期転換ルールについては2013年に施行されて実際に対象となる人が出てくる2018年まで準備や対応に結構大変だったのだが、この本に出てきたようなところも多くあったのかしらんね。
    その他、未成年・年少者の雇用、労災やサービス残業、セクハラなど今回も多彩な労務問題をテーマに物語が進む。
    ヒナコも社労士事務所に入って1年。法律の説明がどうしても小難しくなるし、建前で話さなければならないことが多いのだが、クライアントへの対応もだいぶこなれて、先生らしくなってきた。
    まあ、普通の社労士さんはここまで立ち入らないだろうが、ヒナコのこだわりがあって法律や建前だけで片付けない話の運びがまあ良しとする。
    前作の感想に『わざわざミステリーっぽくすることもなかったように思った』と書いたが、今回も一応謎は解けたが、言い逃れされたら逃げられちゃいそうな詰めの緩さが多かったのには減点。

  • ❇︎
    社労士事務所で勤務2年目の雛子が、
    一癖も二癖もある雇用主と労働者の間で、
    労働問題と真っ直ぐ向き合う物語。

    企業として法律を守るのは大事。
    でも、労働者の働きやすい環境を整えるのも
    大事だと奮闘してくれる雛子の正義が眩しい。

    労務に関係して発生したトラブルや疑問を
    事務所の先輩たちのアドバイスを貰いつつ、
    うんうん唸りながら解決してゆく姿に
    ますます応援したくなります。

    飴と鞭、両者win-winの落とし所や解決策を
    探し出して、雇用主に提示する様には、
    ヒヨコの逞しさと成長を感じます。

    ヒヨコが駆け回る痛快お仕事ストーリー。

  • 〈ドラマ化したら絶対映える作品〉
    新人社労士のヒナコが「あるある」な労使トラブルを天性の推理力で解決(?)に導く「日常系ミステリー短篇集」第二弾。
    ・社労士という新鮮な視点
    主人公が社労士という新鮮な職業設定を活かした人間ドラマとして質の高い作品である。
    (社労士より名探偵のほうが向いているのではないだろうか?とつっこみたくなる部分もあるが…)
    ・キャラ設定のリアリティ
    あからさまな悪役(ヒール)として描かれる人はこの作品には出てこない。人間模様にリアリティがあり、読み手の違和感は少ない。

    新人社労士として奮闘する「ヒヨコちゃん」がどんどん成長してしまうのはなんだか寂しい親心もあるが、第一弾の「ひよっこ社労士のヒナコ」の頃より少し頼もしくなった姿が描かれ、成長ぶりも楽しめる。
    ドラマにも向いている作品だと思うので、いつか映像化しないだろうかとひそかに妄想している。(テレビ局の方お願いします!笑)

  • 労務問題のケースとしては、少し複雑すぎないかな?と思う編もあるけれど、お仕事エンタメとして飽きられないように、程よく知的好奇心を刺激するレベルにしようとする工夫があるのだと思う。仕事を始めて数年の社労士って、このヒナコみたいにズバズバ仕事ができるようになるものだろうか?

  • 日常のちょっとしたミステリー。
    後ろめたいことがあるから秘密にしたり、少しウソをついたり、すれ違ったりすることによって、知らず知らずのうちに法を違反している。
    それを謎といていく話。
    労働基準法についても学べるので楽しみつつ勉強になった。

  • らせん階段を上へ がとても良かったです。私は自分なりに仕事に向き合って真面目に取り組んでいるけど、何か報われない、仕事に対しても自分に対しても満足できない、そんな気持ちで日々過ごしています。それでも、物語の最後に綴られた言葉が、私に寄り添って背中をさすってくれるようで、背中を押してくれるようで、「また頑張ろう」と少し前向きな気持ちになれました。

  • シリーズまとめ買いしたので一気読み!
    前作よりさらにミステリー色が濃くなっていて、パワーアップした雛子の推理力も見所です。
    本好きとしては、書店の存続問題がテーマの『わたしのための本を』が特に刺さりました。

  • 職場で起きる労務問題を、法律に従って解決することの難しさを感じさせられた。法律を守れというだけでなく、どうやれば守れるか考えないと進まない。その点、ヒナコの成長が見られた今作でした。

  • 前作に引き続き。
    社労士を題材にした点のおもしろさはあるが、主人公が明らかに余計なことまで首を突っ込み過ぎで、萎えてしまう部分が多くて残念に感じてしまう。もう少し深掘りが欲しかったと思う。

  • 社労士ヒナコ第二作。老人ホームの調理師を辞めさせたい、残業代を請求しない社員、セクハラ、介護で時短要求など経営者側の要求にどう答えるか?

    必ずしもクライアントの要求にストレートに応じないヒナコがいい。クライアントが悪いことがよくある。社労士の関わる広範の業務を知れるのもいい。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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