- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167919061
感想・レビュー・書評
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小杉健治『父の声』文春文庫。
家族をテーマにした書き下ろしのミステリー小説。
覚醒剤の恐ろしさと父と娘の絆と父親の娘に対する深い愛情を描いた感動の物語だった。覚醒剤に手を染めた娘と父親、覚醒剤を憎み、家庭を省みずに捜査に没頭したために娘と別れることになった麻薬取締官の父親……
覚醒剤を強く憎む麻薬取締官の懸命な捜査と覚醒剤に手を染めた娘を救おうとする父親とが交互に描かれる。やがて、2つのストーリーが重なっていくのだが……
富山県高岡市の地元を離れ、東京で暮らす娘ののぞみが婚約者の本間明を連れて2年ぶりに帰省する。妻を亡くしてから娘のことを思い続けていた父親の順治は二人を明るく迎えるが、不誠実な本間の態度に退廃的な裏社会の匂いを感じ、のぞみの奇妙な変化に不安を抱く。
のぞみを追って上京した順治は娘が本間に騙されて覚醒剤に手を染めていることを知り、愕然とする。のぞみを本間から引き離すために順治はある決意をする。
最後にタイトルの『父の声』の意味を知る時……
実は二組の父娘の物語であったのだ。
小杉健治の作品で最初に読んだのが『父からの手紙』だった。『父からの手紙』も感動のミステリーだったが、本作もまた優るとも劣らない素晴らしい作品だった。
本体価格710円
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田舎から東京にでて変な男に捕まり覚醒剤に手を染める娘。なんとか助けようとする父親。
父娘の絆に心打たれる。対岸の火事ではない、誰でも有り得る話。色々と考えさせられる物語。
麻取の話はおもしろいな。また他にも読んでみたい。 -
読みやすかった
父親の娘を守りたいと言う強い気持ちが
伝わってきて、読みごたえがあった
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とても読みやすかったです。父の娘に対する愛情がとても深く、でも切ないもので、最後は涙が止まりませんでした。家族を苦しめるようなことはしてはいけないな、と改めて感じました。
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自分の家族にこんなことが起こったら…と思うと恐ろしくも、切ない物語でした。
覚醒剤の怖さ、家族の絆、あっという間に読み終わりました。
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父と娘の親子のお話しでした。
読みやすい文章で最後は泣きました。 -
覚醒剤に、手を染めた娘。父の切なさを感じる一冊。
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なるほど、タイトル通りの父の声だな。
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18冊目(4-1)