- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167919641
作品紹介・あらすじ
日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第7巻
アン・ブライス41歳が家族と暮らす美しい村に、新しい牧師一家がやって来た。妻を亡くした美男子の牧師と母のない子どもたち。彼らは、家なき子メアリ、ブライス家の子どもたちと「虹の谷」で幸福にすごす。中年男女の恋も芽ばえる。第一次大戦が影を落とす前の平和な時代を描いた長編小説。アン・シリーズ中の異色作。
●タイトルの「虹」
虹は、夢のように美しく楽しく、しかし永遠ではなく、いつか消えていく。本作では、プリンス・エドワード島の緑豊かな「虹の谷」ですごす子どもたちの無邪気で愉快な少年時代、少女時代と、その終わりを伝える。
●特徴1-日本初の全文訳
米国詩人ロングフェローの詩「失われし青春」の一節に始まる日本初の全文訳。モンゴメリは献辞で、彼女が暮らす村から第一次大戦の欧州戦線へおもむき、命を落とした三人の兵士に本作を捧げた。日本で初めて原書の全文を訳したカナダ文学。
●特徴2-訳註付。作中の約400項目について解説
作中に多数引用される聖書の名句とキリスト教、シェイクスピア劇や英詩などの英文学、不可思議な伝説(さまよえるユダヤ人、プレスター・ジョン、聖杯伝説)、料理、衣服、植物、歌、踊り、諺、カナダの歴史と戦争など、小説に描かれる約400項目についてわかりやすく解説。モンゴメリ文学の奥深い魅力を楽しむ。
●特徴3-口絵写真10点、地図2点
カナダ、米国、スコットランド、ドイツで訳者が撮影した本作ゆかりの写真10点(プリンス・エドワード島の虹の谷のモデル、フォー・ウィンズの内海、モンゴメリが本作を書いたオンタリオ州の牧師館、ドイツのハーメルンで「笛吹き」が歩いた通りなど)。プリンス・エドワード島北海岸とカナダ東部の地図付。
●特徴4-くわしい訳者あとがき……小説をより深く味わうために
一、モンゴメリの十冊目の単行本『虹の谷のアン』、主人公はメレディス牧師一家
二、『虹の谷のアン』のエピグラフは、米国詩人ロングフェローの詩「失われし青春」
三、牧師館の子どもたちとメアリ・ヴァンス~名作『ストーリー・ガール』を踏襲
四、魅惑の虹の谷のモデル、魔法がかかった泉
五、中年男女二組の恋~「白魔術」の出逢い、昔の恋人との再会と愛の復活
六、「ハーメルンの笛吹き」~若者たちを戦地へ連れていく「笛吹き」、近づく戦争の影
七、第一次大戦中に執筆された『虹の谷のアン』、モンゴメリ日記より
八、アンの明るく誠実な心、アンの幸せの在りか
●美しいカバーと装丁
本作に登場するドイツの伝説「ハーメルンの笛吹き」。地模様のかえでの葉は、やがて戦地へむかうカナダの青年たち。風にゆれて死者の魂がそよぐ黄水仙、長靴下(ストッキング)。
感想・レビュー・書評
-
赤毛のアンシリーズ7作目。物語の主役はアンではなく新しく赴任してきた牧師一家の子どもたち。もちろんアンも登場しますがほんのちょっとだけ。この巻ではなぜか大事なときにアンが不在というシチュエーションが多いのです。でも、そのおかげで新たな展開が生まれたり‥。そして、ほんのちょっとの登場なんだけどアンのあの爽やかな優しい雰囲気は健在。今回も赤毛のアンワールドにどっぷり浸れる作品でした。
ただ、ハーメルンの笛吹や戦争の話題など、ところどころ不穏な雰囲気があり、次回作は戦争に突入してたりするんだろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
牧師館の子供たちを語りメアリ・ヴァンスが加わり、牧師の新しい恋もはいる。アンはほとんど現れないけれど、彼女の息吹は炉辺荘の子供たちや周りの近しい人たちにちゃんと感じられる。
それにしてもこの子供たちの子供らしさには微笑むしかありません。 -
アンと付いてるものの、中心は村に新しくやってきたメレディス牧師の子供たち
アン、ギルバート、2人の子供たち、アヴォンリーはほぼ出てこず少し寂しい
メレディス家の長女フェイスの破天荒ぶりは、子供時代のアンを彷彿とさせる
しかしアンを窘めるマリラに相当する人物がいなくてモヤモヤする
みんな悪評を噂するだけで直接叱りつけることなく放牧状態
それをローズマリーが担っていくようにも思えず、フェイスは奔放さを落ち着かせることが可能なんだろうかと心配になる
全体に戦争の気配 -
【日本初の全文訳シリーズ、第7巻!】アン41歳、家族で暮らすグレン・セント・メアリ村に新しい牧師一家がやってきた。第一次世界大戦が影を落とす前の平和な時を描く。