精選女性随筆集 宇野千代 大庭みな子 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2024年2月6日発売)
3.71
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 127
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167921774

作品紹介・あらすじ

小池真理子・川上弘美が選者となり、近現代の女性作家による随筆を編んだ珠玉のシリーズ。



宇野千代は、作家や画家など多くの著名人との恋愛・結婚遍歴を持ち、さらには自身で出版社を立ち上げるも多額の借金を抱え倒産するなど、波乱万丈な生涯を歩みながらもその人生を数多くの作品に色濃く反映させてきました。
掲載作『男性と女性』では自身の生活を「動物的で、即物的であった」とし自身の奔放さをあけすけに表現しながら、女性であることをどこまでも肯定し続けます。
選者の小池真理子さんは宇野を「天衣無縫、天真爛漫、自分を決して否定しない無邪気な自信家」と評しつつも、宇野の文章から感じられるたおやかで温かな風のような雰囲気を愛でています。

宇野千代とは対照的に、一人の夫と添い遂げ、申し分のない結婚生活を送りつつ文筆活動を続けたのが大庭みな子です。大庭は夫の赴任先であるアラスカに住んでいるときに、『三匹の蟹』で第59回芥川賞を受賞し、小説家として本格的に活動を開始ました。
自身の対外的には充実した結婚生活とは裏腹に、すれ違う無数の夫婦や恋人、親子について、客観的にかつ刺激的な語り口で綴っています。
『幸福な夫婦』では結婚について「性的なものは結婚の必要条件であるが、十分条件ではない。友情と、性的な調和以外に結婚には肉親化しただらしなさと、教師のような愛情が必要である」と冷静にかつ自由に語ります。
昭和的な気風が根強い時代に、既存の制度や価値観に縛られない思想を表現しているのも注目です。


二人の対照的な生き方をした作家が、それぞれの視点で「女」や「欲望」について、冷静にかつ温かく綴る文章を楽しめる一冊となっています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【対照的な人生を歩んだ二人が綴る、力強い女性像】対照的な生き方をした宇野千代と大庭みな子。それぞれの視点で「女」や「欲望」について、冷静にかつユーモラスに綴る名随筆。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宇野千代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×