教師のいらない授業のつくり方

著者 :
  • 明治図書出版
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784184094321

感想・レビュー・書評

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  • 一つの理想的な授業、学級経営の形だと感じた。
    学習の主体は子どもであり、その学習を子ども達一人ひとりが自分事として捉えることで、やらされ感なく意欲的に学習に取りくることができる。
    そして、自分の考え、感じたことを子ども同士で言い合い、話し合い、聞き合うことでより広い視野で物事を考えることができるのである。
    それらの積み重ねにより、最終的に授業で教師がいらない状態になるのである。

    各種項目ごとに1〜3のステップで教師がいらなくなるまでの過程が書かれている。また、実践例や子ども達の感想が書かれているため、教師目線だけでなく子ども目線でも教師のいらない授業とはどのようなものかを考えることができた。

    この本では小学生たちを主に取り上げていたが、この授業を他の校種にも汎化できるようにするにはどうするかを考えることも重要だと感じた。特に特別支援学校では、教師と子どものかかわりがより密になることがあるため、その中でこのことを実践できるように模索していきたいと思う。

  • 教師のいらない授業=子ども達が主体的に学習するためのハウツー本ではない。学習を自分事にして、教師が子供同士をつなげながらすすめることが大事 子ども達から生まれた「問い」を生かして学習を進めることが大事

  • 根拠を挙げて話す大切さ。
    簡単なテーマから始めて議論ができるようにしていく。

    子供の問いを大事にする。
    自分たちで出た問いは自分たちで解決させることが理想。

    先生がどう思っているか。
    うまくいかないところも見せる。
    子供の頃はどう思っていたか。

    教師の仕掛け次第で子供達は大きく変わる。そのためにもその仕掛けをどうしていくかは追求し続けていかないといけないな。

  • 個別最適化ということが盛んに言われているなか、たまたま見つけたので読んでみた。
    重要なポイントは、子どもをよくみて、子どもに任せるということ。放り投げるのではなく、意図的なグループをくんで、策略をもって授業をデザインするということ。そして何より問いを子どもが持つこと。
    ここが肝心で難しいところ。子どもはほっといても問いを持たない。問いをもたないから、調べ学習になるとただ丸写しするだけ。それじゃダメ。
    やってみたいという内容よりも、いますでにやってることをもっと高めなきゃならないということがわかった。
    この本を読んで、教育のゴールは学び続けること、振り返り続けることを身につけさせるとこなのではないかと、自分の中に一つの答えを見出すことができた。

  • 「問いは学びのエンジン」

    子どもの問いをいかに大切にできるか
    この一点が大切だと思う。

    話し合いの型や目的ももちろん大切である。
    しかし、その根底に子どもたちの
    「この疑問を話し合ってみたい!」という思いがなければ
    どれだけ話し合いの技術を身につけても
    それは砂上の楼閣と化してしまうのだろう。

    問いを話し合って成長させ合うという考え方も面白い。

  • 子どもたちの学びをどう支えるかについて考えさせられる。

  • 著者も書いていますが、これはハウツー本ではありません。
    若松学級のストーリーを知ることができます。
    「〇〇をすれば××になる。」
    ではなく、
    「子供は〇〇と言った。そして教師は××をした。すると△△になった。」
    という実践の追体験です。

    自分のクラスと照らし合わせながら読むことで、授業や学級経営がより良くなると思います。

  • 実際に著書のような学級ができたら理想的だろう。何事も当事者意識を持って動ける子供達。「生きる力」そのものだし,更なる力を身につける素地になる。

    ただ,なかなかすぐにここまでの学級を目指すのは難しいかもしれない。焦点を絞って私は「仏様の指」を意識して子供と関わっていきたい。後は振り返りの習慣をきっちりとつけていく。

  • 教師のいらない授業へのステップではじめに学習を自分事にする。次に子供同士のつながりを作る。そのような順序で授業づくりに努める。

    「言い合い」→「話し合い」→「聴き合い」

    個が確立されたいる授業になっているか。まとまった板書を見て、授業が成立しているように見えるかもしれないが、一部の子の意見だけで成立していないか。例えば、一本のバナナを提示し、一人一人どんな感想を持ったか尋ねることで、子ども自身が意見の多様性に気が付けるようにする。一人ひとりの「〜したい」が集まることによって、自然と学び合いが生まれる。

  • ベースは、子ども全員の思い、考え、背景を知ることの大切さである。また、子どもたちのつながりを把握しておくこともベースとしている。
    その上で、教師が学習のねらいに迫れるかを練って、グループ分けや声かけを行っていく。
    ICT、ネームカードなどの方法論が書かれている部分をどのように代案を考えるかは読み手の腕かと感じた。

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著者プロフィール

大阪教育大学小学校教員養成課程教育学コース卒業。大阪府の公立小学校で5年間勤務。現在,京都教育大学附属桃山小学校教諭。「国語教師竹の会」事務局。「授業力&学級づくり研究会」会員。「子どもが生きる」をテーマに研究,実践を積み重ねている。『教師のいらない授業のつくり方』(明治図書)、『教師のいらない学級のつくり方』(明治図書)などの著書がある。

「2023年 『子どもの見方が変わる! 「見取り」の技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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