人間臨終図鑑 上巻

著者 :
  • 徳間書店
4.15
  • (11)
  • (9)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 69
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784191233201

作品紹介・あらすじ

この人々は、あなたの年齢で、こんな風に死んだ!死を怖れ、死に苦しむものは、あなただけではない。この地上に生きた英雄、武将、政治家、作家、芸術家、芸能人、さらに犯罪者たちが示す人間ラストの真の様相。15歳〜64歳で死んだ人々。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 当たり前のことだろうけれど、読後感の感想は、
    「重い・・・」。
    死ぬということを、まだまだつかめていないなぁ。。
    引き続き、下巻へ。

  • 10代から64歳までに死んだ人の今わの際のお話。
    最初は自分の年齢まで、と思っていたが結局全部読んでしまった。

    半分くらい知らない人で説明もないのでうーん?て悩む人もいる。
    いきなり最初の八百屋お七がサイコパス判定の模範解答の行動してる気がするんだけど。
    若い人が老衰はないからだろうけどかなりの確立で苦しみまくって死んでいる。
    時代背景としてなのか武将とか政治関係者とか犯罪者は割腹、縛り首とか斬首、後半は軍人多め。
    さらに文化系の人は割りと喀血しまくりで肺病での死亡率が高い気がする。
    昭和後半になると癌になるのはわかっていても興味深い。
    自分の二十代を考えると愕然とする。
    あと、愛人とか妾とか多過ぎ。

    愛新覚羅慧生だけは悲劇だけど耽美さを感じた。
    マリリンモンローがかなり若い時に亡くなったのだと初めて知ったし。
    作者は阿部定に殺された男こそが一番羨ましいというのにちょっと笑ってしまった。

  • 十代から六十四歳までに亡くなった古今東西473人の臨終模様が描かれている。
    偉大な業績を残しながら若くして亡くなっていたりするのを見ると、昔の人は随分と密度の濃い生き方をしてたのだなと感じさせられる。
    又梅毒や結核、癌など当時の死に至る病を伺えることも興味深い。
    何よりこの本を読むと死に対する恐怖が減じる。
    死なない者はいない。そして殆どの者が苦しんで死んでいる。これはもう人類平等の儀礼なのだと思えて来て死を受容する気持ちが湧いて来るのだった。

  • なじ■
    その名の通り人間の「臨終」をひたすら集めた図巻。
    国内外問わず歴史上の偉人・政治家・作家・俳優などの「臨終」で、
    えっ名前は良く知ってるけどこんな最期だったんだ!という人も多かったです。

    ただ事実を羅列しているという訳ではなく
    著者なりのユーモアや物語などの味付けがされてあって
    非常に興味深く読めました。
    本当に延々と人間の死に際ばかりを読むことになるので
    徐々に気が滅入ってきちゃうんですが、
    山田風太郎の文章大好きなので手が止まりませんでした。

  • 15歳の八百屋お七から121歳泉重千代さんまでありとあらゆる年代職業国の人々の473人がどういう死を迎えたかをひたすら淡々と紹介していくという何ともすごい本。言い方は不謹慎だけれど面白かった。こういう本を作ろうと思いつき、実際に作った著者がすごい。死に様って結局、生き様なんですね。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4191233203
    ── 山田 風太郎《人間臨終図巻(上)198610‥ 徳間書店》
    ── 山田 風太郎《人間臨終図巻(下)1987‥‥ 徳間書店》
     
    …… いつか死ぬことはわかっている。しかし、「今」死にたくはない
    のだ”(上、p284)
     山田 風太郎 作家 19220104 兵庫 20010728 79 /籍=誠也
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C9%F7%C2%C0%CF%BA
     
    ……“人間は他人の死には不感症だといいながら、なぜ『人間臨終図鑑』
    など書くのかね?” “・・いや、私は解剖学者が屍体を見るように、
    さまざまな人間のさまざまな死を見ているだけだ”(上、p148)
     
    1000人に近い人間の死を、冷静な眼で描いた、貴重な本であります。
    (上巻は15歳から64歳まで、下巻は65歳から121歳までの928
    人の死を綴った本です。半ページの短いものから、3ページに及ぶ文章
    までと、様々な人間の死が、淡々と描かれます)
     
     本書の年齢の表記について、「一律に西暦没年次から西暦生年次を引
    いたものとしてある。したがって、表示年齢は、数え式より、一歳少な
    く、満年齢より一歳多くなる場合がある」という著者の言葉があります
    ので、厳密にはプラス・マイナス1歳の誤差が起こることを承知して下
    さい。 (上巻425頁、1986年発行)(下巻435頁、1987年発行)
    http://www.geocities.jp/out_masuyama/dokusyo49.htm
     増山 進《読書ノート49 20130829》
     
     923人の臨終の様を死亡年齢順に並べた。1996‥‥ 徳間文庫 全3巻。
     
    …… 死亡寸前の85歳ボケ老人と会ったその日に、婚姻誓約書を書か
    せ、婚姻届を提出し、2ヶ月も経たないで、相手(安岡)は、ご臨終。
    ── 山田 風太郎《人間臨終図巻Ⅲ 安岡 正篤》
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19831213 耳よりの使者 ~ 細木誤録 ~
     
    (20140127)
     

  • 私のすっごい好きな、しかし売れてない、だがそこも含めて魅力的、いやむしろそのサブカルっぽい感じがいい、漫才コンビ米粒写経の片割れ居島さんがおすすめしてた本。
    居島さんは下巻が面白いと云ってたんだけど、上巻のキリストの”この人物の「臨終」については、「異教徒」にとってまことに書くことが難しい”という著者の率直さが面白くて。

  • 「上」はまだ若くて亡くなった人ばかり。
    古今東西、様々な人の臨終。
    キリストと坂本竜馬が隣接、そういった妙にも
    いちいち感激できる。

  •  読了

  • ハードカバー初版で母が上下巻購入。そのまま引き継ぐ。
    日本そして世界各国の有名人(山田風太郎選抜)の臨終を、山田風太郎独自の視点で書く。山田風太郎に近しい人物はより詳しくかかれており(江戸川乱歩、横溝正史等)、すごく面白い。そして山田風太郎が興味を抱いているであろう人物についても詳しく書かれていて、これまた面白い。反対に興味がないんだろう人物はさらりと書かれているのだが、興味がないならないで書かなくても良いだろうにとも思う。今でも年に数回は読み返す。私のバイブルというべき本。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田風太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×