狂斎 1 (トクマコミックス echoes)

著者 :
  • 徳間書店
4.25
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本棚登録 : 72
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784197806317

作品紹介・あらすじ

歌川国芳や駿河台狩野家などの元で修行を終えた、甲斐洞郁は、仕事なし・金なしの貧乏暮らし。毎日誰にも売れない絵を描き、酒に酔い潰れる生活を繰り返し、さらに奇妙な蛙が住み着くようになる。心の奥底では幼少期に絵の心得を示してくれた、亡き葛飾北斎への複雑な嫉妬心と、自分が世間に認めてもらえない鬱屈な気持ちは大きくなる一方で……。幕末~明治にかけて活躍した稀代の天才絵師・河鍋暁斎、空白の不遇時代を描く、画鬼道絵巻。

感想・レビュー・書評

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  • 河鍋暁斎をモデルにした作品

  • こんなにも絵に魅せられる漫画は初めてかもしれません。
    筆で描いたような力強さと背景や柄の描き込みが素晴らしく、人間の表情に鳥肌が立ちました。
    暁斎が見えているものの描写が劇的で、グワッと世界に引き込まれました。
    しびれる、とはこういうことを言うのかもしれません。

  • めちゃくちゃ良かった。ただひたすらにひとつのことに打ち込めることこそが才能のひとつ。マンガとしての運びはもちろん、コマ、ページが絵のようですごい熱量。月岡芳年とのカラスの話が好き。続きが楽しみです。
    作者さんのことはまんぷくのイラストで知ったんですが、「豊穣のヒダルガミ」もすごい好きで、「狂斎」も楽しみにしてたんです。明るくない分野だけど凄すぎて凄い(語彙……?)蓮の着物は泥中の暗示なのかなとか、花札ぽいコマもあって、情報量がすごいの。読む絵、みたいな。

  • 河鍋暁斎、好きやけど、実際どんな人物かは知らん。この漫画で描かれている人物像が勝手に思っていたのと違いすぎた。伝記物やと思ってたら、どうやら違うのか、実際の河鍋暁斎についても知りたくなる、向学心マンガ。

  • 狂斎、のちの河鍋暁斎、弟弟子の後年の月岡芳年。いずれも寡聞にして知らず。狂斎の不遇の空白時代を描く、と。酔うとたまに「見える」からと普段から酔いつぶれ、しかし絵に対する情熱は凄まじく、常に画業のことを考え。行き倒れの死体や袈裟斬りにあった着物などを題材に生々しいまでの絵を描き、圧倒的な速さで他の絵を模写し吸収し、さらに高みに登ろうとする様が描かれる。ほぼ無口設定で、着物の背中に「ない」「図星」など心情が描かれるの可笑しい。

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著者プロフィール

美術系の大学にて東洋絵画の修復に触れ、社会人を経て、漫画家としてデビュー。これまでに歴史・時代系作品を3作発表し、歴史もの作品の描写に定評のある実力派作家。著作に『豊饒のヒダルガミ』(マッグガーデン刊)『早雲の軍配者』(マッグガーデン刊) 原作:富樫倫太郎「早雲の軍配者」(中央公論新社刊)『葛飾北斎(コミック版世界の伝記)』(ポプラ社刊)監修:すみだ北斎美術館などがあり、現在『豊作でござる!メジロ殿』(原作:原恵一郎)を「コミック乱」(リイド社)にて連載中。今作は、ほぼトーンを使用せず、アナログの線画とベタ、空白の白を基調とした迫力のある画面で作品を紡ぐ。

「2019年 『狂斎 ①』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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