- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198603977
感想・レビュー・書評
-
西洋の伝承文学に、作者ジョーン・エイキンの豊富な空想力を加えた、ひねったストーリー運び。
そこに指輪物語の挿絵画家であるアラン・リーの精密で神秘的な絵が加わり、魅力的な一冊になっている。
長いテキストにも関わらず、先はどうなる?とワクワクしながら読み進めた。
兎がお餅をついていると考える日本人と違い、クレーターはお月さまの顔のシミだなんて。
まさにところ変わればである。
何故シミが付いたかと言うと、主人公であるセッピー少年が願掛けに靴を投げたから。
願いは叶ったけれど、リスクも大きいことに。
そのリスクを受け入れ闘い、消失するまでの流れはまるで冒険ファンタジー。
ぺージをめくるたびに妙なる音楽が聞こえそうな、美しくも不思議なお話で、音楽の持つ大きな力にも深く考えさせられる。
一度読み終えた後は、改めて挿絵の素晴らしさをじっくり堪能できるというお楽しみ付き。
長いので読み聞かせには不向きだが、ブックトークにはぜひ使ってみたい。
しかし、ヘンリー8世の時代って衣装が素敵だなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イングランド王ヘンリ-8世が統治していた時代の空想絵物語。七人兄弟の末っ子<セッピ->は、お父さんの仕事を手伝う傍ら、大好きなバイオリンを弾くのに余念がなかった。そんな日のこと、国で一番のバイオリン弾きになりたいと、「不思議なお告げ」に従って、夜空に輝く満月に願をかける。 その願いは聞き届けられはしたものの、セッピーは月の怒りを買ってしまうことに…。海辺の村を背景に、音楽、魔法、王様の幽霊、怪物らが絡んで展開する、幻想的な物語と繊細な絵のハーモニ-が魅惑の一大ファンタジー。
-
◆美しい絵とお伽話。七番目の息子セッピーは、天使か悪魔かわからない不思議なものの助言にしたがって七日かけて月に願いをかけます。その結果、月の白く輝く肌には黒々としたしみが。願いの成就と引き換えに、セッピーは苦難と災難の予言を引き受けるのです。◆文字の多い絵本ですが、幻想的なストーリーテリングに引き込まれ、一息に読了。エンディング、王様の結婚式にクスリと笑わされます。イギリスらしい♪【2013/09/17】
-
不思議でちょっと怖い感じのする絵本。
兄妹愛も感じられ、不思議と怖さの中にホッとする部分もあります。
読み終わった後、最初に出てきた不思議な声の持ち主達の正体がハッキリしないところが、逆に恐怖心を煽り面白かった。 -
バイオリンの腕をあげたい七男セッピー。港町の、話し声がするという空き家で不思議なお告げを聞きます。「七晩続けて、靴をかたっぽ月に投げろ」願いは聞き入れられたものの、顔を汚したと、月の怒りを買ってしまった。セッピーははだしで過ごし、妹は口をきけなくなってしまった。それでもセッピーの音色(七つの音階)は猛犬を鎮め、ジャムがふきこぼれるのを防ぎ、とまった時計を動かし、幽霊の王様を感動させる。オクタビアが七つになったとき、怪物が町を襲ってきました。「おねがい、音楽を聞かせてやって」気がつけば話しているオクタビア。そしてセッピーのバイオリンは怪物を躍らせ、巨大な体を縮めてしまった!セッピーは月を見上げて黒いしみをみては考えました。「あのしみは本当にぼくがつけたのだろうか?それとも夢だったのか」しかし、月が口を開くことはありませんでした2008/09/14
-
「バイオリンの腕を上げたいと、不思議なお告げに従って、月に願をかけた少年セッピー。願いは聞き届けられたものの、セッピーは白く輝く月の怒りを買い…。音楽、魔法、怪物。海辺の村を背景に、幻想的な雰囲気をかもし出す作品。エイキンの巧みな筋運びとリーの繊細な絵のハーモニーが見事です。」
-
西洋の伝承をもとに書かれた絵本。文章量かなり多め。
-
文章に限ると対象年齢が高めだけど、写実かつファンタジックな絵が子供達を強く引きつけるので、ファンタジー入門に最適だと思う。幻想的なストーリーもさることながら絵が素敵なのでググったら『指輪物語』のイラストレーターさんだった!納得。
-
男の子サッピー
生まれた妹オクタビア
月の黒いしみ、7番目の子供、7つの靴の片方、国一番のバイオリン弾きになるという望み
妹が口がきけなく、サッピーは靴を取り戻すまで裸足
最後は7本足のドラゴンが町を襲ってきてバイオリンを弾いて踊らせているうちに小さくなって消える
靴だけ残る -
なんて幻想的な物語でしょう。妹の存在が良かった。