- Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198612825
感想・レビュー・書評
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警察の内部事情のゴタゴタが凄まじかった。女は生きにくい世界と言われるがここまで露骨だと前時代的だと思う。ただ静かにそばに居て、必要な所では後押しする藤島という男の存在が非常に大きい。こういうパートナーがいてくれると心が折れそうな時も踏みとどまれそうだ。『自分の悪夢は、自分で止めろ』そうなんだよねぇ、彼は後押しすることはできるけど、彼女の悪夢は彼女にしか消せないんだ。
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心理捜査官・吉村爽子。猟奇的な殺人事件に関わる。心理捜査官は現場を重んじる刑事からも、上司からも疎んじられ名ばかりの参加。情報からプロファイリングし、それを基に所轄の藤島と捜査し始める。プロファイリングがあたったとしても、嫉妬の念のみで賛同を得られない。そんな中でも柳原警部など吉村を支えてくれる存在があり捜査に加わっている。
小出しの情報から少しずつ近づいていく様子、証言人から話を聞く様子、過去のトラウマから殻をもつ爽子の心の移り変わりなど、450pにもなる超大作。でもあきさせず、また過去の事件、心理学の引用などずっしり中身がある。最後の文献をみてもわかるようにすごく調べて調べて知識を深めて書かれてるんだな。とても感心。知識を取り入れ反映できるってすごいな。無駄も感じられなかった。
2008/6/17 -
「黒崎視音」。くろさきみお。名前の響きだけだと女性作家だと思うんだけれど・・・凄いカッコいいです!私は勝手に日本のP・コーンウェルだと思ってます(笑)
取材力の素晴らしいし、文章に抜けがない。でも、ガチガチに硬い訳ではなく、人間のやさしさや、哀しさをきちんと表現しています。ミステリーとしても面白いし、主人公と相棒の警官の微妙な関係も読んでいてドキドキしました。映画にもなれそうなエンターティメント性がある本だと思います。