夏の庭―The Friends

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198613594

作品紹介・あらすじ

おばあさんのお葬式から帰った山下が言った。「死んだ人って、重たそうだった」すると河辺が身を乗り出した。「オレたちも、死んだ人が見たい!」ぼくたち三人は、「もうじき死ぬんじゃないか」と噂されている、ひとり暮らしのおじいさんを見張りはじめた。だけど、見られていることに気づいたおじいさんは、だんだん元気になって、家や庭の手入れを始めた。やがておじいさんと口をきくようになったぼくたちは、その夏、さまざまなことを知った…。十二歳の少年たちの忘れがたい夏を描き、世界の十数カ国で話題を呼んだ作品。児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ミルドレッド・バチェルダー賞等受賞。小学校中・高学年から。

感想・レビュー・書評

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  • (2024/01/03 1.5h)

  • 児童向け作品らしい展開。成長物語。最後はぐっときてしまった。12歳の少年たち。よくも悪くも動物的で好奇心のかたまり。それでいてまだ大人の言うことを素直に聞ける歳なのかな。子どもにおすすめ出来る作品だ。

  • 感情表現と情景描写がみずみずしくて、読んでいてとても心地よかった。それでいて胸に訴えてくるものもあって、なんとも言えない読了感が残る。爽やかな良書。出会えて感謝。


    131
    おじいさんは南の島で女の人を殺した。おなかに子どものいる女の人を。それがどういうふうに、おじいさんが自分の家、自分の奥さん、自分のしあわせ、そういうものをすべて捨ててしまったことにつながるのか、だれもはっきりとは説明できなかった。

    148
    夕焼けを体のずっとずっと奥まで染み透るほど浴びながら

    207
    もし、もっとおじいさんが生きていてくれたら、ぼくはいろいろなことをおじいさんに話せたし、〜だろう。〜してもらいたかった。〜かもしれない。〜だってできただろう。
    そうすることができないのは、すごくさびしい。心細い。だけどそれは、結局はぼくの問題なのだ。おじいさんは、充分、立派に生きたのだ。おじいさんの白い骨が、ぼくにそう教えてくれている。ほんとうに、めいっぱい生きたのだ、と。ぼくもがんばるよ。心の中で、ぼくはおじいさんに話しかけていた。

    212
    ぼくは書いておきたいんだ。忘れたくないことを書き留めて、他の人にもわけてあげられたらいいと思う。

  • 大人への階段を登っていく少年たち3人の濃い濃い1年間が良く描かれている。
    小6男子3人は、人の死について俄然興味を持つ。
    近所に住む老人の死期が近いと聞き、家の前で張り込む事に。
    興味がなせる行動力に唖然とする反面、頼もしくも思ってしまった。

  • 一冊の本に沢山のテーマがある。けれどそれらは上手に関係し合い違和感が無いばかりか、お話に深みを持たせている。3人の少年達の忘れられない一夏には、私達大人が長い人生の中で経験した事、見聞きした事が凝縮されていた。一気に読み終えた。

    • hibuさん
      秋桜さん、おはようございます。
      この作品は自分の子供の頃に戻るようなノスタルジックな感じがとても好きな作品でした。
      最近、成人した子供たちに...
      秋桜さん、おはようございます。
      この作品は自分の子供の頃に戻るようなノスタルジックな感じがとても好きな作品でした。
      最近、成人した子供たちに読ませたいなぁと思っています^_^
      2023/04/22
    • yhyby940さん
      こんにちは。同じ著者の「ポプラの秋」も面白かったですよ。機会があれば、是非。
      こんにちは。同じ著者の「ポプラの秋」も面白かったですよ。機会があれば、是非。
      2023/04/22
    • りりうさん
      秋桜さん、おはようございます。
      私は違う表紙の夏の庭を読んだのですが、本当に比喩でなく、最後は涙しました。ぎこちなく心を通わせていくのが感動...
      秋桜さん、おはようございます。
      私は違う表紙の夏の庭を読んだのですが、本当に比喩でなく、最後は涙しました。ぎこちなく心を通わせていくのが感動的ですよね。秋桜さんは違うところで感動したかもしれないですが。
      本棚を覗き、夏の庭が登録されていたので感想を読ませていただきました。ありがとうございます。
      2023/04/23
  • どこかで聞いた話題作程度で読み始めた。小6男児3人と老人のちょっと変わった関係から始まる。
    あまり内容を知らなかったが、子供たちの成長、おじいさんの過去、最後の結末まで、厚みのあるとても良いお話だった。
    小学生が人の死について考えること、想像、行動がリアルに思えた。

  • 相米慎二が映画化、1994年に公開された。
    「死んだ人がみたい!」。少年たちは好奇心から一人暮らしのおじいさんの見張りを始める。次第におじいさんと交流を深め、さまざまなことを知っていく。「死」について考えさせられるとともに、爽やかさを感じる夏らしいストーリー。(りんご)

  • 山下の祖母の死をきっかけに、人の死について興味を持った山下、河辺、木山の三人。改めて人の命の尊さがわかる一冊。

    とても儚いストーリーだった。ラストシーンは哀愁を感じ、余韻に浸った。

  • いい経験したね。

  • 木山くん 山下くん 河辺くん とおじいさん
    やりたいことをやる!って時の
    男の子のパワーって強力

    戦争のこと聞かせる場面
    古香弥生 ステキな名前
    タネやのおばあさん コスモス

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。作家。著書に、小説『夏の庭 ――The Friends――』『岸辺の旅』、絵本『くまとやまねこ』(絵:酒井駒子)『あなたがおとなになったとき』(絵:はたこうしろう)など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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