- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198614126
感想・レビュー・書評
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この作者が書こうとしているもの、目指しているもの、って、なんとなくですが、私が好きなもの、読みたいものと一致している、という気がするので、応援したい気持ちから、つい★を2つにしちゃったけど・・・正直なところ、限りなく1つに近い★2つ。
バランスが悪い小説だなぁ、という印象でした。
人物配置や背景の説明みたいなものが多すぎる。小説じゃなくて設定集かカタログみたい。説明にばかりページが割かれていて、実際のエピソードの描写があまりないため、キャラクターがいつまでたっても立体化しない。
特に、フラノ帝国の説明に、あんた何ページ使うんじゃい、とぼやきたくなった。何度も何度も「フラノさん、すっごーい!」って言われるけど、具体的なシーンが少ないから、読んでいるこっちは全然ピンと来ない。
最後のクライマックス直前にもまたフラノ帝国の解説が始まったのには、さすがに「もうええっちゅうねん!」って漫才の相方風にぺしっとツッコミたくなった。
とまあ、こんな感じで、設定解説が本の内容の6割を占める。物語の世界観について語りたい気持ちは大いに分かるけど、もっとイベントを通して語ってほしいよ。設定集をそのまま語るんじゃなくて。
そして、残り2割が、世界の文学や偉人たちの名言の引用。
これも、量が多過ぎる。
効果的にピリっと使ってくれれば面白いのに、誰も彼もが、やたらに気のきいたこと言いたがって、何かの言葉を引用してくる。でも、その内容がなんだかなぁ、微妙に違和感あるんだよなぁ、て感じです。
えー、ここでフィリップ・マーロウの引用かよー、ここでニーチェかよー、スタンダールかよー、って、普通は「おおっ!カコイー!」ってなるところが、なぜか逆に、ガッカリ感がある。
ガッカリの理由はよく分からないけど、たぶん引用回数が多すぎるのが一因かな。
あとは、引用のおかげでキャラクターがみんな似てしまうから?
興味をひかれたのはクスベくらいだったな。(「一緒に幸せになろうぜ」っていうセリフがすごく良かった!)
最後の2割でやっと物語が動いている。
ここの割合をもうちょっと多くしてもらえると、作者の顔だけじゃなくてキャラクターたちの顔が見えて、もっとページをめくりたくなると思うのだけどなぁ。これじゃ作者の顔しか見えないわん。
とにかく、惜しいなぁ・・・頑張ってほしいなぁ・・・おもしろいものを書いてくれそうなのになぁ・・・という印象の小説だった。
あ、でも、ドミトリが錯乱した様子は、すごく良かった。
錯乱セリフ、うますぎ。
読んでいて、驚いた。神父が狂った!と本気で思った。
あと、クライマックスの乱闘もなかなかすごかった。壮絶な映像が浮かびました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ろまんちずむあふれる一品。猫のほうが好きだった。
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ペローザキャット全仕事の続編
今回の主役は前作に少し登場したニヒルな探偵ヴィッキー(30歳ぐらいの男性)
書きたいことを書きましたという印象
宗教的な話や哲学的な話
よく理解できず読み流すようなことも少々あったけれど雰囲気も含め面白かった
イラストが凄く好み
いい味だしてる
3月23日 読了 -
ペロー・ザ・キャットが楽しかったので。
こちらも楽しい! -
「ペロー・ザ・キャット全仕事」の続編。
前作で脇役だった探偵ヴィッキーが活躍するお話です。
前作で登場したキャラもいて嬉しかったけど、世界情勢や思想が分かりづらく、付いていけなくてイマイチでした。
キャラは好きなので、この本の世界に入り込めなかったのが残念です。 -
うわあってなります。
少年好きな方もぜひ。 -
内容が複雑めで、最初はちっとも理解できませんでしたが、繰り返して読んだらとっても面白いです。個性豊かなキャラクターみんな大好きです。とても面白くて、お勧めです!!
シモーヌとアンジェラとペローが特に好きです。 -
近未来のフランスが舞台。
片目のニヒルな探偵さんが主人公。
私は違和感なく読んだけど、ペロー・ザ・キャットの続編だったのですね^_^;
古本屋さんで題名買いしてしまったもので、下調べなしでした。
題名のボーイソプラノですが、そぉ〜〜んなには関係なかったかな^_^;
主人公はあくまで元警官だった探偵さん。
岩井俊二監督のフライド・ドラゴンフィッシュのトビオくんのお仕事、ご存知?
ボーイソプラノのアンジェロがこのトビオくんと同じ立場ってのがヒントです。
もうちょっとビビっときたらペロー・ザ・キャットも読もうって思うところなんだけど、正直、ちと惰性で読み切ったところがあったので、これでおわりにするかも・・時間があったら読もうかなって感じです。
でもね、読んでて映像が浮かんできたの・・映画を観ているような感覚・・
だけどぉ・・・勧善懲悪じゃないとこが、ストレート気質の私には不服でした(-_-)
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前作に引き続き、ギミックいっぱいの吉川氏の作品。
前作(のやや軟弱な嫌いのある主人公)と違って、ハードボイルドに仕上げてあります。 -
ギャングと探偵とねこちゃん。