地下鉄に乗って 特別版

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 279
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198621919

感想・レビュー・書評

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  • NHKで映画化されたものを録画していて最初の10分間みてこれは只者でない感じがしてすぐに図書館で予約して読んだ。まあ、最近にない感動を受けたね。物語の背景が自分の生きてきた昭和だったせいもあるが、最後に愛人が自分の母親を階段から突き落としてお腹の赤ちゃんを殺すね、つまり自分を。これはショックだった。言うなれば自殺しちゃった訳だけど、すごいショックだった。滂沱の涙が溢れて目の掃除が出来ましたが。映画で見る気がしなくなった。主人公の奥さんが可愛そうだね。男の身勝手さがよく分かる筋書きだったけど、ほんとに身勝手だよね。
    面白い小説でした。

  • 読みやすかった。
    悲しい結末ではあったが、読後感は悪くなかった。

  • 浅田先生の文体はとても格調高く美しい。ただ物語としては登場人物に感情移入できず、楽しめなかった。

  • 図書館の本。初読。
    物語に引き込まれ、最後まで一気読み。
    ヒロインがむかえる結末を、予期出来ずに、驚いたし、悲しい気持ちになりました。

  • 彼の人生はいつも地下鉄とともにあった。いつもどおりに道を歩いていると、彼は時折過去の世界に迷い込んでしまうようになる。その世界で見えてくるのは彼の、そして家族の過去。すべてを知ると、全く違う光が差し込んでくるようで。

  • 映画も観ましたが、小説の方がずっとおもしろいです。
    タイムスリップを利用して、理解したくもない父親の良く見えない、見せていない一面を迫力満点で見せつけてくれます。
    親の心子知らず、子の心親知らずで、最後はほろりとします。

  • 中盤までどうも情景を想像出来ず、時代の言葉も難しい…、読むのを諦めようかと思ったけど、段々世界観が分かってきて謎も明らかになっていって、読み続けて良かったなと\(^^)/
    真次の性格はあまり好きになれず、節子が真次に進言した時は激しく同意した(^^)笑
    映画化もされてるならそっちの方が見やすいのかな。

  • 最後の展開が個人的には驚いた。
    自分の存在そのものを賭けて守りたいものってなんだろうね。やっぱ子供、かなぁ。

    ヒロイン?の考えというか心理が読み解き切れていないのは、自分の力の無さか。(苦笑)

    男って基本不器用だよね(笑) 時代によっても違うだろうけど、ここで描かれている時代、特に父親の時代は、今とは比べものにならないかも。(笑)

  • 町に地下鉄がやってきたその日、真次は不思議な錯覚に捉われる。
    ホームに立ちつくす自分を、もうひとりの自分が地下鉄の窓の中から見つめているのだ…。
    (アマゾンより引用)

    ファンタジー要素の強い作品ではあったけどもなかなか良かった。
    けど、お兄さんはどう足掻いても死ぬ運命にあったのに、
    みちこさんは生きる運命にはなかったんだね(´・ω・`)
    何か切ないなぁ…

  • 戦後の混乱の最中に財をなした父に反目して家を出た『真次』は、兄の命日の夜地下鉄から階段を上って出て行くと、そこには懐かしい風景が広がっていた。ちょうど兄の死んだ日に辿りついた彼は、兄の自殺を止めるべく行動したのだが戻った先は変わっていなかった。
    その日を境に、どんどん古い時代へと地下鉄は彼を運んでいく。その先で出会ったのは、若かりし日の父の姿だった。

    メトロというの言葉は、なんとなく哀愁のある響きをしている。
    そしてこの物語で紡がれる時代も、直に知ってはいないけれど何故か郷愁を感じさせてくれる。貧しく苦しい時代だったはずなのに、活気というか生そのものが息づいているような、今は失われてしまった何かがあるような気がしてならない。
    苦く、哀しい話だったけど、読後感は悪くない。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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