風のなかの櫻香

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198630577

作品紹介・あらすじ

5歳まで施設で育ち、奈良の由緒ある尼寺・尊宮寺に養女に迎えられた美少女・櫻香。中学生になった彼女の周りで、次々に不審な出来事が起こる-。身を案じた尼僧・妙蓮に相談を受けた浅見光彦は、謎を追って鳥羽へ向かうが-!?遷都1300年の奈良・尼寺を舞台に、人間の愛と業を描いた感動のミステリー。

感想・レビュー・書評

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  •  奈良 鳥羽 京都と佐賀県、舞台がかわるがもっとその場所の描写読みたかった。
    さくらこは身寄りのない中学生、利発でおとなしい子。奈良の尼寺で養女として暮らす。そんなさくらこの物語。

  • 本当の両親を知らないまま、尼寺の女性の養女になった櫻香。ちょっとかわいそうな気がしました。

  • あっという間に読みました。

  • 今年の2月に、法隆寺、中宮寺を散策。
    美術史の本に掲載されている如意輪観世菩薩を、見ないで、法隆寺迄しか行かなかったので、東側の中宮寺へも足を伸ばした。
    この御本尊は、昔、私高校の受験の面接の時に、写真を見せられて、「どのように思いますか?」と言う質問で、的確に答えて、面接官から称賛を得ただが、何と答えたかを思い出せない もやもや感を、一掃してくれるかと、、、、

    この本も、奈良、三重、京都、と、関西を舞台にして、奈良の尼寺へ、孤児である少女を養女にした所までは、土地勘もあり、どうなるのか?、、、とワクワクしながら、読み進んだが、相続問題から、誘拐事件(?)迄発展して行くが、最後の犯人を、知らぬが半兵衛の如く、ほっといて良いものかどうか、、、、
    総会屋を誤って事故死させた後、死体遺棄をしている所が、処罰に値するのではないだろうか、、、と。

    奈良遷都1300年に、尼寺、それも不可侵な場所を、ミステリーに設定することは、難しい事だと思う。
    日野西光尊御門跡が、、実名だったことにビックリ。

    中宮寺の如意輪観世音菩薩(半跏思惟像)は、近くで拝見出来て良かったのだが、、、この本の影響(?)でなく、中国人の観光で、ゆっくりと、見ていられなかった。
    庭になる部分が、少ないのには、法隆寺を拝見した後だったので、物足りなく感じた。
    この本の最後の部分と、同じだった。

  • 浅見光彦シリーズ。京都の尼寺が舞台。終わり方は最近のいつものはっきりしないパターンだが、マシなほう?

  • 尼寺・尊宮寺へ養女へ出された櫻香という少女の周辺で、次々と怪しい出来事が起こる。そもそも、櫻香が尊宮寺へ来た経緯はどの様なものか推察を重ねる内に殺人事件が発生。浅見光彦が、櫻香を取り巻く人間関係の謎を名古屋〜三重〜奈良〜九州と東奔西走しながら解明していく。
    それにしても偶発的出来事が重なり過ぎているような気がするのは私だけ・・・?

  • 大好きな「浅見光彦シリーズ」2010年の作品。
    浅見シリーズでは、その時の時事ネタを絡ませることが多いが、今回は「児童養護施設」。そういえばタイガーマスクから児童養護施設の子供にランドセルが届いて、施設の子供たちがおかれている状況が社会的に認知が広がったのはこの頃だったか。
    物語では、奈良の尼寺に児童養護施設から養女に引き取られた中学生の女の子が登場するが、その尼寺が有名な「如意輪観世音菩薩」のある中宮寺をモデルにした「尊宮寺」で、お寺の門跡や尼僧の名前はご本人の了承を得て実名なのだそう。
    浅見シリーズの熱烈なファンの中には「殺される役でもいいから自分の名前を使ってほしい」という人もいるとか。実際作品の中で名前が登場する方もあるそうだが、大好きなシリーズで自分の名前や住んでる土地が出てくるなんて、考えただけでワクワクするだろうと想像する。

  • 図書館で目について、何年ぶりかに内田康夫を読んだのだけれど。
    以前は時事問題に対する考察や、世の中の不条理さが書かれていて単なるミステリーではないところが好きだったのに。

    軽くて読みやすいけれど…。
    残念。

  • 浅見光彦シリーズ。

  • ルポライター浅見光彦シリーズの一つ。
    警察庁刑事局局長に兄を持つ記者浅見が、ひとたび全国に取材にでれば、なぜか事件に巻き込まれるというシリーズものだ。

    今回は雑誌の取材先の奈良の尼寺で事件と遭遇してしまう。
    奈良の尊宮寺に施設から養子としてやってきた櫻香は、美しく聡明な少女だった。尼僧の秋山妙連にも気に入られ、ゆくゆくは寺を継ぐはずだったのが、ある時から不審な女性や男性に付きまとわれるようになる。雑誌の取材で尼寺を訪れた浅見は、少女の出生の秘密をさぐることになり、その謎は少女の実母の非恋にまで遡っていった。

    文中の奈良の尊宮寺とは、奈良の門跡尼寺中宮寺のことである。
    世俗を離れて出家した尼僧をターゲットにしたミステリー作りは難しかったことだろう。苦労したストーリーだけに、養子である櫻香が寺の跡取りになるのを邪魔をされるという設定は、すぐに謎がわかってしまうから惜しいなと思った。

    作者は文中で浅見に同じ古都と言う点で京都と奈良を比べさせている。作者は奈良を小説の舞台に選んでいるが、それは正解だと思う。
    同じ寺社の多い京都と奈良だが、京都は観光地でもあり、「雅」な感じがする派手な古都というイメージがある。
    一方の奈良には京都に比べれば、若干山の方のせいか、つつましやかな「優」あるいは「素朴」なイメージがあるからだ。

    自分の出生の秘密のせいで事件に巻き込まれる薄幸の美少女には、表紙の弥勒菩薩半跏思惟像とともに奈良のイメージがあっていると思った。

    奈良のイメージがよく伝わる大好きな和歌を掲載しておく。
    『大和には、群山あれど、とりよろふ、天の香具山、登り立ち、国見をすれば、国原は、煙立ち立つ、海原は、鴎立ち立つ、うまし国ぞ、蜻蛉島、大和の国は』   (作:舒明天皇  万葉集)

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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