高原のフーダニット

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198633639

作品紹介・あらすじ

「オノコロ島ラプソディ」容疑者には鉄壁のアリバイ。国産み神話の淡路島で、火村を待ち受ける奇天烈な事件。「ミステリ夢十夜」有栖川有栖は近ごろ怪夢を見る。火村と彼を次々と不可思議が襲う夢だ。今夜もきっと…。「高原のフーダニット」弟を手にかけました…美しい高原を朱に染めた双子殺人事件は、一本の電話から始まった。透徹したロジックで犯人に迫る、これぞ本格=フーダニットの陶酔。ミステリ界の名手、初の中編集。

感想・レビュー・書評

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  • オノコロ島ラブソディは驚きの真相。
    こうきたかー!
    この推理にたどり着いた火村先生は、かなり想像力あるなぁ。

    ショートショートの夢十夜は、夢ということもあって何でもあり。
    これはこれで面白かった。

    最後の高原のフーダニットでは、最後の火村先生の行動がなかなか過激…
    闇が深そうだとは思うけれども、犯罪者を憎む理由を早く知りたい。
    いつかアリスに語ってくれるのかな?

  • 京大ミステリ研出身ではないが、関西系新本格第一世代の有栖川有栖さん。表題作は双子が出てきて、しかもフーダニットということもあり、「マジックミラー」みたいな話かなと期待感があったが残念ながら拍子抜けだった。ミステリ夢十夜も詰まらなくはないが、求めているものではない。マニアを唸らせる本格を描き続けるということは、極めて労力と熱意が必要なのだなと改めて思う。

  • 何がどう合わないか表現出来ないけど、嗜好に合わなかった。
    読みやすいし、難しくない。ミステリー部分も『おっ』と思うところもあった。やり取りも映像になると面白いのかな。
    短編集で唐突に始まったり終わったり理解が追いつかないところが多々。私の読解力のなさか。シリーズなので、続けて読むと面白みが増すのかな。
    吹雪の山小屋。4人で夜中過ごすためにちょっとしたゲームは驚いた。高原の宿兼喫茶店『風谷人』は行ってみたいかな。
    表紙の絵の感じは好み。

  •  火村英生が探偵役の短編集。
     短編というか中編?
     2話目の「ミステリ夢十夜」は、10個のショートストーリーから成ってますが。
     というか、夏目漱石の「夢十夜」を知らない人が、この本を前から順番に読んでいったときに、この「ミステリ夢十夜」を読んだら、どう思うんだろう、と。
     この話だけを単体で読む分にはいいんだけれど、第1話と第3話は普通のミステリだから、この「ミステリ夢十夜」も、この話だけの連作みたいなのだと思っちゃわないかな、て。
     何でこの間に挟んじゃったんだろ。

     火村さんのシリーズは、警察側もいろいろな人が出て来るから、どこの県警・府警の人なのかごっちゃになる。

  • 火村、アリスコンビ。安定の面白さ。なかでも、ミステリー夢十夜は、とても読みやすかった!お話が短いので、じっくり内容を噛み締めながら楽しく読めた。

  • 中の「夢十夜」は作者が言ってる通り全然ミステリーじゃないし、始めと終わりの中編も「ふーん」な出来。フーダニットと啖呵切られて犯人分かんなかった私が言うことでもないですが(≧∇≦)

  • 火村シリーズ。

    『オノコロ島ラプソディ』
    叙述トリックって苦手ですか?と、ある編集者にあおられて…
    オチがやや無理があるというか、「それ、言い逃れですよね?」と(笑)
    作品に対してではなく、キャラクターに。

    『ミステリ夢十夜』
    夏目漱石の「夢十夜」へのオマージュ。
    短い話(全部20枚ずつらしい)ばかりで、本格推理物になる長さではないが、これがなかなか面白い。
    夢ならではの不条理とか、いつもと違う印象の火村とか。

    『高原のフーダニット』
    地域的密室?
    そんなことで殺しちゃうの?という感じですが…
    物の弾みって怖いですね。
    ミステリ作家を目指す、喫茶店のマスターがいい感じ。

  • とっても面白かった。作家アリスシリーズ20周年を飾る1冊らしい。オノコロ島ラプソディではアリスが「俺は三毛猫ホームズか」と呟いてるところで爆笑。。。
    ミステリ夢十夜、なんだこれ?と思いつつ、微妙な後味で楽しかった。表題作の高原のフーダニットは、いつになく火村先生の口数が多くて、楽しめた。
    シリーズの中でもお気に入りの本の一つだなー。

  • 夢十夜が好きなのです(* ´ェ` *)
    特にこの、最後の文章の切り方がとても好きなのです(* ´ェ` *)
    3本目の本格ミステリはそれだけで十分有栖川テイストなのですけど、2本目の夢十夜は何度かニヤニヤしてしまうのですね( ´¬`)

  • 犯罪社会学者・火村シリーズを三作品収録した中篇集。
    表紙がシャレオツで良い感じですが、楽譜のコラージュを見て一瞬ソラシリーズかと思いました。
    以下各話超簡易感想。

    「オノコロ島ラプソディ」
    授業の合間を縫ってゆとり0で捜査に協力してる火村に比べて、アリス先生がやたらウキウキしてらっしゃる…。
    トリックの島荘感も含め、殺人事件の割には妙にギャグテイストで明るい感じの一作。
    アリス、少なくとも作家アリスって結構負けず嫌いで尖った性格してるよなーと冒頭を読んで思いました。あの一連の流れにもちゃんと意味があるのがいいですね。
    それにしても今回のアリス、捜査中からオチまでずっと小旅行気分で割と鬼だなと思いました。

    「ミステリ夢十夜」
    かの有名な夏目漱石の夢十夜のパロディ。
    ”こんな夢を見た”から始まる奇妙なショートショートですが、色々酷い(褒め言葉)。
    キャラクターが立っているシリーズだからこその愉快さを感じる連作でした。本編じゃこんなネタ絶対できないもんなぁ。
    それにしてもやっぱり森下さんはハイスペックですわ。

    「高原のフーダニット」
    表題作であり、三作品の中で一番ストレートにミステリしている一作。
    平和な高原の村で双子が殺される、という少し古典的なモチーフにワクワクします。実際に読んでみるとそれほど古典でもないですが。
    時々(割としょっちゅう?)描かれる火村のセンシティブな部分というか、人間への情みたいなのが結構好きです。
    服装センスがちょっと変なオッサンが言ってると思うと温かい気持ちになる(…)。

    あと書きによると火村シリーズはこれからもバリバリ書いていくつもりのようなので、また近いうちに作品が読めそうで楽しみです。
    江神シリーズは腰を据えてじっくり書いていただくとして、火村物もまた長編で読んでみたいなぁ。
    国名シリーズ復活しませんかね?(チラッチラッ

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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