アルバートさんと 赤ちゃんアザラシ (児童書)

  • 徳間書店
4.28
  • (8)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 65
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198644093

作品紹介・あらすじ

アルバートさんは、旅先の海辺で、野生のアザラシの親子に出会いました。ところが数日後、母親アザラシが銃で撃たれて死んでしまい、母親なしでは生きられない赤ちゃんアザラシまで、銃で殺されそうになったのです。そこでアルバートさんは、赤ちゃんアザラシを引き取り、受け入れてくれる動物園を探すことに。けれども、動物園はなかなか見つかりません。アザラシのゆくえは…? 著者の父親の実話をもとに、著者の願いを込めて描いた感動の物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • かわいいアザラシの絵に惹かれて手に取った1冊。
    動物への愛情を感じて、温かい気持ちになります。
    読み終わってから、実話をもとにしたお話だったことを知りました。
    実際には悲しい結末になってしまったアザラシとの出会いを、希望と願いをこめてハッピーエンドの物語にしたそうです。
    それを知ると、より心に残るものがありますね。

  • ぼくも、アザラシを飼いたくなった。
    アルバートさんが、最後に園長になったのがすごい。アルバートさんは、動物が好きで、今までコツコツ働いたお金と経営する力があったから、なれた。たなからぼたもちじゃなくて、実力があると、いいことがあると思ったから、ぼくもがんばりたい。
    おもしろくてかわいらしいお話だと思ったら、ユダヤ人の作者のお父さんの実話で、ナチスのことも出てきておどろいた。お父さんの方のアザラシは死んじゃったけど、むすめの本で幸せになれて、うれしい。やさしい。(小4)

  • 実話だとは…動物を愛する人がいるのよねー❣️

  • 実話に基づいてはいるが、フィクションを加えてハッピーエンドにしてあるお話し。

    優しい気持ちや可愛いと思う心だけでは動物を救うことができない。専門知識・人脈・相応の施設そして「お金」
    どうやってそれらを工夫して得て行ったか

    お話を読みながらそう言った知識が得られるのがいいですね。

    先日95歳で亡くなられた作者が93歳でお爺さんをしのんで書いた物語。

  •  お店の仕事をやめたアルバートさんが退屈な毎日を送っていたところ、海辺に住むいとこから遊びにおいでと手紙が来ました。
     アルバートさんはさっそく遊びに行きました。そしてある日赤ちゃんアザラシにであいました。ところが赤ちゃんアザラシの母親が漁師に殺されてしまったらしく、弱っていくアザラシがかわいそうで、つい「連れて帰る」と言ってしまいました。

     動物園に預ければいいと簡単に考えていたアルバートさんでしたが、実際には難しいことでした。アパートの管理人さんに内緒で飼いはじめましたが、うっかりお風呂の水を出しっぱなしにして下の階の女性に迷惑をかけてしまいました。

  • 本日は2冊ご紹介です。

    ・アルバートさんと 赤ちゃんアザラシ
    ・シマフクロウのぽこ

    ペットの上の段の“いぬねこものがたり”を“どうぶつものがたり”に変えてください。
    なにせ、この話の主役はアザラシ、ですから……。

    “動物文学”は、昔は一大ジャンルでした。
    「シートン動物記」「小鹿物語」「フレロン動物文学全集」「ソーントン・バージェス動物文学全集」「赤い子馬」「黒馬物語」「戸川幸夫動物文学全集」「椋鳩十全集」……。
    このほかにも単発の物語が一杯……。

    でも動物はけなげで真面目でまっとうです。
    1980年代あたりのオタク文学の対極が動物物語です。
    動物もの、は「目の見えない犬ダン」からはじまる、可哀想な都会の犬猫物語を残して姿を消してしまいました。
    そうしてそれは“なんでもいいから泣きたい”という無意識の欲求の表れでした。
    動物ものが読みたいのではなくて、可哀想な話を読みたいのです。

    でもこの四、五年年、そういう傾向も変わってきたように思います。

    いま、動物ものは大量に作られています。
    そうして悲しい話だけではなく、犬猫以外も出てくるようになりました。
    「シロフクロウのポコ」ポプラ社、のように、人間と野生の共存を望む本も出てきました。
    そろそろ、いろいろな動物ものをまとめて、また“動物文学”復活、してもいいかな~、くらいの分量はあると思います(つばさぶんこ、のような文庫のなかにもたくさんあります)。
    そこに獣医さんの話やエッセイ、マンガなどもいれてください。
    ここはいま、お客さんのつく棚です。

    2017/08/22 更新

  • 母親を亡くした赤ちゃんアザラシを育てる、やさしい人たちのやさしいお話。

  • アルバートさんは、海でアザラシの親子に出会いました。ある日、アザラシのお母さんが死んでしまい、ひとりぼっちの赤ちゃんアザラシを助けようと思ったアルバートさんは、なんと、汽車にのって都会の自分の家につれ帰ったのです。動物嫌いのアパートの管理人に見つからないよう気を付けていましたが…。ほっこり幸せな気持ちになるおはなし。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1923年-2019年。ドイツのベルリンで生まれる。ナチスの迫害をのがれ、スイス、フランスで過ごした後、1936年にイギリスに移住。ロンドンの美術工芸学校に学ぶ。1968年に、デビュー作『おちゃのじかんにきたとら』(童話館出版)を発表。その後も、「ねこのモグ」シリーズ(あすなろ書房)、『アルバートさんと赤ちゃんアザラシ』『ふしぎなしっぽのねこカティンカ』(徳間書店)など、95歳で亡くなるまで精力的に子どもの本を作りつづけた。やさしい絵が魅力のカーの作品は、いまもなお、世界じゅうで読みつがれている。本書は、カーが最後に遺した児童文学。

「2020年 『ウサギとぼくのこまった毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジュディス・カーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×