風の港 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198651404

感想・レビュー・書評

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  • 空の港。
    空港で交差する人々の出会いや再会、別れを描いた連作短編集。
    空港や普段使わないターミナル駅。行くだけでどうしてあんなにドキドキ・ワクワクするのだろう。時には切なさもあったり。
    空港ではないけれど、新幹線や特急を利用するときは尚更、想いが募る。

    今回は空港に発着する人々、働く人たちの様々な想いが描かれていて、読んでいて自分も空港のその場にいるような気持ちになりました。

  • 仕事、旅行、帰路へと利用する空港、別れ出会い再会、希望ありの内容で和めました。初めて搭乗した日の事を恵さんを通して思い出した事、空港にも遊びに行きたくなったなあ

  • 空港は、たくさんの人の物語が詰まっている。それは懐かしい記憶だったり、後悔だったり、楽しい思い出だったり、未来へ託す想いだったり…
    4つのお話の中で、同じ時間、同じ空間を、別々の人生が交錯するのが、まさに空港だなぁと、しみじみと感じながら読み終えた。
    一期一会、だけど思いもかけない再会があるかも。そんな奇跡が起こると信じられるのが、空港の魅力のひとつなのかもしれない。

  • 普段は忙しく動いている日常も、
    空港は少し時間が止まったような・・・
    「あぁ、わかる!」
    と思いながら、
    自分もコロナ前までは、旅行などで利用していた空港を思いながら読み進めました。
    私も空港が好きです!
    たくさんの人が各々の目的のため飛行機に乗って旅立って行く、その目的を想像するのが楽しかったり、また、いろんな行き先の飛行機があってワクワクしたり、そして空港をぶらぶらするのが好きで、いつも登場の2時間前ぐらいに行って、お茶したり食事をしたり、お土産を買ったりします。なんかまさにこんな感じだなぁ・・・と。
    そんな空港での出会いや、今まさにこの場所にいるドラマが、面白くて素敵な、正に一時の物語でした。
    私も、また、旅立ちたくなりました。
    早く、コロナの不安がなくなる時が来てほしいです。

  • 空港を『風の港』と呼ぶ…なんて素敵でしょう!村山早紀さんらしいですね。
    旅人や彼らをもてなすそこで働く人々のお話。
    それぞれが過去の記憶をたどりその時のことに想いを馳せる。
    また、素敵な一期一会も沢山描かれていて空港って素敵な場所なのだな…と行ってみたくなりました。

  • 【収録作品】第一話 旅立ちの白い翼/第二話 それぞれの空/第三話 夜間飛行/第四話 花を撒く魔女

     大きな空港を通りすぎる旅人たちの人生を描く。少しずつ各話の登場人物がリンクしていて楽しい。
     第一話は、夢を追いかけることと諦めること、それぞれの辛さが描かれている。「良い風が吹く」日まで待ってもいいのではないかというのは優しい言葉だけれど、悪魔の囁きにも似ている…… この話は素直にとっていいのだけれど。
     第二話は、ファンタジー風味の成長物語。
     第三話は、少女のころ仲違いした親友との再会。
     第四話は、老いた奇術師が来し方を振り返る話。
     いずれもありがちな題材なのだけれど、著者の手で優しい魔法がかけられたかのように、温かな気持ちで登場人物に寄り添える。そして、自分にも。

  • 駅ではなく、空港という場所だからこそ
    成立してる感じがする。
    同じ旅でも、より高く遠く進む人が
    集まってくる場所だからだろうか。

    どの登場人物も過去を乗り越えたけど、
    一番好きなのは一つ目かなあ。

  • YouTubeで紹介されていて読んでみました。

    読んでいて心地の良い本でした。
    特に第3編が好きです。

    休みの日に空港に行きたくなりました。
    空と飛行機を眺めながらの食事、読書…☺️☺️

    好きなセリフ
    ・日常ってその時はその価値は分からない。終わって初めて大事さがわかる。
    ・落ち込むのは今じゃなくていい
    ・どんなに実力があっても、いい風に恵まれず、にっちもさっちもいかなくなる時がある。そんな時は良い風が吹く日まで待っていてもいい。

  • 風の港、空港を舞台にした短編集。失った恋人や親友、娘や祖母などと、このほかでもない空港で出会いなおし新しい関係を作る物語。とても温かい気持ちになりました。

  • 春、桜の花が咲く空港での人間模様を描いた連作短編…どのお話もどこかファンタジックで心温まる話だった。奇跡的な出会いがいくつも描かれているけれど、空港て本当にそんな場所なのかもしれない。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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