飛べないハトを見つけた日から (児童書)

  • 徳間書店
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本棚登録 : 63
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198653842

作品紹介・あらすじ

カーネギー賞オナー賞受賞作!

ひとつのきっかけで、夢中になれるものを見つけ、成長する少年の姿を生き生きと描く感動作。

ある日、12歳のダリルは、公園で、
つばさが折れて、飛べないハトを見つけた。
ハトの脚には、リングがついている。
だれかが飼っているレースバトらしい。
近所に住む、レースバトを飼育している
ダッキンズさんに、どうしたらいいのか相談した。ダッキンズさんは、元の飼い主に連絡してくれ、
けがをしたハトはもうレースには出られないから、このハトはいらない、といわれたそうだ。
ダッキンズさんも、
飛べないハトは生きている価値はない、という。
それならば、自分がこのハトを飼おう、と
ダリルは決意する。

反対する両親を説きふせ、ハトの小屋を用意し……
その日からダリルは、ハトの世話はもちろん、
学校の勉強にも熱心に取り組むようになった。
しかし、上級生の、ハトの飼い主の息子に
目をつけられ、いじめが始まり……?

一羽のハトと出会ったことから、
世界がぐんぐん広がっていく少年の姿を
生き生きとした筆致で描きだす感動作。

感想・レビュー・書評

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  • Chris d'Lacey's official website
    http://www.icefire.co.uk/

    相良倫子 | 翻訳業界で活躍する受講生 | 翻訳専門校フェロー・アカデミー
    https://www.fellow-academy.com/achievement/sagara/

    クイナ通りSoi17〜Thanon Kuina Soi17〜
    https://narisatogo.blogspot.com/

    飛べないハトを見つけた日から - 徳間書店
    https://www.tokuma.jp/book/b594214.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      クリーンヒット 『飛べないハトを見つけた日から』 | 教文館ナルニア国
      https://www.kyobunkwan.co.jp/narn...
      クリーンヒット 『飛べないハトを見つけた日から』 | 教文館ナルニア国
      https://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/archives/weblog/34569
      2022/03/09
  • 公園で怪我をしたハトを見つけたダリル。そのハトはレースバトだったが、連絡してもらうと、飼い主は飛べないレースバトはいらないと言う。ダリルは自分がそのハトを飼うことをきめた……。

    自分が見たことがなかったので、レースバト、ハトを飼うということが新鮮だった。そういえば、先日読んだ『スモールワールズ』でも、ハトを飼っている人の話があった。私たちが知らないだけで、ハトには人を魅了する何かがあるらしい。
    ダリルはお母さんにいつも「勉強しなさい」と言われているような、あまり優秀とは言えない子。でも、ハトに夢中になり、ハトについてのスピーチで高い評価を得る。その場面がとてもよかった。訳者あとがきに書かれているように、子どもがなにかに興味をもつことで、成長を見せる、そのすばらしさがよくわかる作品。でも、わかってはいても、みんなが特別なものに出会えるとは限らないし、ダリルのお母さんの気持ちもすごくよくわかるので、そこは母親としてちょっと複雑な気持ちにもなった。
    ダリルの親友、ギャリーが最初ちょっとうっとおしく、なんでこんな子と仲良くしてるんだろう?と思ってしまったけど、話が進むとどんどんギャリーが好きになり、なくてはならない存在になった。

  • 公園の生垣の茂みで12歳のダリルが見つけた翼が折れて傷ついた鳩。その鳩の世話をし、レースに挑戦する過程で理不尽なことに立ち向かい、責任感が芽生え、そして成長する少年の物語です。担任のトンプソン先生の「興味の持てるテーマを見つけられかが鍵です。見つけると、とびぬけた力を発します。」という言葉のように自らやりたいという気持ちが大きく彼を成長させたところが素敵です。イギリスの権威あるカーネギー賞特別推薦作品。

  • 羽が折れて飛べなくなったハトを保護する主人公。そのハトの足にはタグがついており、元はレースバトだったことがわかる。元の飼い主によれば飛べないハトはいらない、とのことで主人公は自分でそのハトを飼うことにする。やがて再び飛べるようになったハトとレースへ参加する。『空の王さま』という絵本もレースバトを題材に描かれている。絵本なので、よりレースバトを想像しやすいかも。

  • タイトルから、鳩と少年の交流を通して成長する物語かなと思って読みはじめました。けれども、ハトと少年の交流が中心ではなく、鳩を飼育することで出てくる周りの人々との関わりや学校生活での問題に向き合い、成長する少年の物語で、とても読み応えがありました。自分にとって素敵なもの大切なものができた時それをどう守るか、勇気と臆病者についての作文のエピソードなど、小学校高学年くらいからの子ども達にも共感できる物語だと思います。
    また物語の雰囲気にぴったりの優しい挿絵のお陰で、鳩やレースについて理解することができました。

  • 少年とハトの、勇気についての物語。

    12歳のダリルは、ある日、つばさの折れたハトを見つける。ハトを助け、育てる中で、ダリルにとってそのハトは、かけがえのない存在になっていく。地面に落ちるとわかっていても飛び立とうとするハト。打ちのめされると知っていても立ち向かうダリル。これは、そんな少年とハトの、「勇気」についての物語。

    「ページのいちばん上に、『勇気』となぐり書きし、下に赤いペンで二重線を引いた。ほかの言葉は、目に入らなかった。」

  • 意外とハトを世話する描写そのものが少なかったのがちょっと残念かな。ハトをきっかけに人間関係が広がっていき、同時にいじめの種も呼び込み……そのいじめっ子が完全に放棄されてるのもちょっと気の毒だった。

    でも友だちとふたり、勇気を出していじめっ子に立ち向かったのはよかったし、先生がきちんとした人だったのもよかったな。(ここがグダグダなやつはいやなのよね、ほんと。)

    昨年、マンションのベランダにハトが卵を生んでしまって2-3週間ハラハラ見守ったことがあるので最後は複雑な気分に(笑)(ベランダの卵は無精卵だったらしく、ハトが自分で捨ててた)

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著者プロフィール

1954年地中海のマルタ島に生まれ、後にイギリスへ移り、中部の都市レスター、北西部の都市ボルトンで育つ。ヨーク大学で生物学を学んだ後、レスター大学前臨床科学部で働く。十代からシンガーソングライターを目指すが、39歳のときに児童文学の公募のために書いた子どもの物語が出版社に認められ、1994年“AHoleatthePole“(未訳)でデビュー。現在までに約30冊の子どもの本を出版している。邦訳作品に「龍のすむ家」シリーズ(竹書房)がある。

「2021年 『飛べないハトを見つけた日から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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