カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所

  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198655792

作品紹介・あらすじ

1941年12月に日本軍が真珠湾を攻撃した三か月後、アメリカ合衆国の西海岸に住むすべての日本人と日系二世は強制収容所に送られることとなった。日系人たちは、家、仕事、持ち物のすべてを置いていくよう命じられ、許されたほんの少しの日用品を手に、有刺鉄線と武装した警備員に囲まれた収容所で暮らすこととなった。三人の写真家―ドロシア・ラング、宮武東洋、アンセル・アダムズーは収容所での日々を撮影した。ドロシア・ラングは合衆国政府にやとわれ撮影をしたが、収容所の厳しい生活をアメリカ国民に知らせようとした。収容されていた日系人のひとりで写真家の宮武東洋は、持ち込んだ機材を使って収容所の実態を記録した。風景写真家として有名だったアンセル・アダムズは、意図的に場面を選びながら、収容所でも人々がくじけずに生きる姿を撮影した。三人三様の写真を紹介しながら、その背後にある物語に焦点をあてた、戦争の犠牲になる人々の姿を描いたノンフィクション絵本。

感想・レビュー・書評

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  • #カメラにうつらなかった真実
    #エリザベスパートリッジ
    #読書
    真珠湾攻撃のあった日からアメリカに住んでいた日系人に起きた出来事について写真と共に語られる。マイノリティでありながら、社会的に平均より成功しているグループをモデルマイノリティという。人種じゃなくて、人として尊重し合いたい。
    差別から抜け出すために、どうしたらいいのか。難しい問題です。

  • Elizabeth Partridge
    https://www.elizabethpartridge.com/

    カメラにうつらなかった真実 - 徳間書店
    https://www.tokuma.jp/book/b617872.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ベスト『カメラにうつらなかった真実』 | 教文館ナルニア国
      https://bit.ly/3JlvFsJ
      ベスト『カメラにうつらなかった真実』 | 教文館ナルニア国
      https://bit.ly/3JlvFsJ
      2023/03/08
  • 戦前移民としてアメリカへ渡った先祖たちのことを知りたくて手に取った。

  • 真珠湾攻撃ののち、強制収容所に収容された日本人移民、日系人。
    3人の写真家の収容所との関わりの足跡を追う

    ・ドロシア・ラング
    移民に反対であった。
    アメリカ軍に依頼されて収容所の写真を撮る
    撮影出来る場所でありのままの姿を残そうとした
    撮影した写真のほとんどが公開不可とされる

    ・宮武東洋
    収容所に密かにガメラを持ち込み、チャンスを見つけては写真に収めていった。
    最後まで収容所に残った

    ・アンセル・アダムス
    日系人のためでもあったが、“アメリカ”に敵対心のない“勤勉”で“笑顔”の人々の写真を撮った


    〇“アメリカ”の“日系人”におこったことではなく、どこの国でも“敵”とみなされた人々に起こりうることとして。
    また、おこしてはいけないこととして。

  • どうしてみんないがみ合うんだろうか?

  • 戦時中、アメリカで日系人がどのように扱われたか 知っておくべき真実

    絵本というより、ドキュメンタリー
    中高生、大人向き

    2023絵本50

  • 原題 SEEN AND UNSEEN
    WHAT DOROTHEA LANGE, TOYO MIYATAKE, AND ANSEL ADAMS'S PHOTOGRAPHS REVEAL ABOUT THEJAPANESE AMERICAN INCARCERATION

    by Elizabeth Patridge, Lauren Tamaki
    2022

    松波佐知子訳2022

    ドロシア・ラング1895-1965
    宮武東洋1895-1979
    アンセル・アダムス1902-1984

    写真とグラフィックでつづられた日本人収容所の話
    マンザナー収容所

    宮武東洋は、収容所に収容されるときにカメラのレンズを持ち込んで、本体を作って、撮影

    質問27合衆国軍の兵士として戦えますか?
    質問28「日本の天皇に忠誠心を持たず、米国政府に中世を誓いますか?

    1945年11月21日閉鎖

  • 第二次世界大戦が始まってアメリカに住む日系人は収容所に入れられた。その様子を描いた、文章と絵と写真で現した本です。改めて、今の日本人が失いつつある何かが描かれているような気持になりました。

  • 真珠湾攻撃の後、アメリカ西海岸に住む12万人以上の日系人が強制収容所に収監された。この本は、この強制収容所における「真実」の様子を、立場の違う3人のカメラマンが撮影した写真から、そして写真に映らなかったものから描き出している。

    強制収容に反対の立場で、アメリカ政府の不正で非人道的な行いを告発しようと撮影を試みたドロシア・ラング。彼女は、人々のありのままの姿を撮った。だが、彼女の撮った多くの写真は公開不可とされ、撮影を禁じられた場所も多かった。

    自身が強制収容所に収監され、隠し持ったカメラでその内部を秘密裏に撮影した宮武東洋。そのため、ドロシアが撮影を禁じられた場所を撮ることができた。ドロシアと同様、ありのままの日々の暮らしを伝えるとともに、厳しい環境下で尊厳をもって生きる人々の姿をカメラに収めた。

    強制収容に反対しなかったものの、日系人たちが解放後再びアメリカ社会に受け入れられるよう望んだアンセル・アダムス。彼は、日系人が「善良な市民」であることを示すため、懸命に働き、明るくたくましく生きる姿を撮った。逆に、アメリカへの愛国心を示さなかった者や、収容所の過酷な暮らしの様子はあえて撮らなかった。

    著者は、3人のカメラにうつったものだけでなく、カメラにうつらなかったものを注意深く取り出している。ドロシアが「撮ることを禁じられたもの」、アンセルが「あえて撮らなかったもの」に焦点を当て、さまざまな証言や戦後の裁判記録を引用しながら、真実を描き出そうとしているのだ。

    こうした構成が魅力的で、動きのあるイラストもすばらしく、硬い内容なのに読み物として面白くて読みやすい本となっている。6年生におすすめしたい。

  • 1941年12月8日に日本から真珠湾攻撃を受けたアメリカ合衆国はその3か月後、西海岸に住むすべての日本人と日系二世を強制収容所に送りました…。
    3人の写真家が、それぞれ異なった立場から日系収容所に収容された人々の生活を記録しました。ドロシア・ラングは政府から命じられて収容所の様子を撮影し、強制収容された宮武東洋はひそかに中の生活を撮影し、アンセル・アダムスは日系人が懸命に働く姿を全米に見せるため撮影しました。当時、アメリカにいた日系人に何があったのか、現代に伝えます。

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著者プロフィール

カリフォルニアで写真家一家に生まれ育つ。カリフォルニア大学バークレー校で女性学の学位を取得。鍼灸師の仕事を経て、著述業に。ジョン・レノン、ウッディー・ガスリー、ドロシア・ラングの伝記等で全米図書賞最終候補、ボストン・グローブ・ホーン図書賞、ロサンゼルス・タイムズ図書賞、マイケル・L・プリンツ名誉賞、SCBWIゴールデンカイト賞、スクール・ライブラリー・ジャーナルのバトル・オブ・ザ・ブック、ジェーン・アダムス児童図書賞など受賞。ドロシア・ラングはエリザベスの名づけ親。

「2022年 『カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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