図書館がくれた宝物

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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198656652

作品紹介・あらすじ

1940年、ドイツとの戦争が
始まったばかりの英国・ロンドンでは、
12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、
9歳のアンナの三人きょうだいの
保護者がわりだった祖母がなくなった。
三人の両親は幼いころ亡くなっている。
遺産がのこされたが、未成年の三人は、後見人がいないと
遺産にも手をつけられない。
そこで、弁護士のエンガーソルさんが、
集団学童疎開に三人も参加することを
提案。
ロンドンは空爆の恐れがあるし、
疎開先での新しい出会いで、
後見人になってくれる人が
見つかるかもしれない。
ほかの子どもや学校の先生と、
電車に乗ってたどりついた田舎町で、
三人は新しい生活を始めるが、
引き受けてもらった家の子どもから
嫌がらせを受けて追い出されたり、
次の家では子守りをさせられたり、
快適とは言い難かった。
いっぽう、町にあった図書館で
信頼できる司書との出会いがあり、
図書館は3人の
心のよりどころとなっていく…。
第二次世界大戦下の子どもたちを描いた
児童文学。
多くの児童文学のタイトルが登場し、
本好きはさらに楽しめる作品。

感想・レビュー・書評

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  • ベスト 『図書館がくれた宝物』 | 教文館ナルニア国
    https://onl.sc/MUu8kBp

    『図書館がくれた宝物』ケイト・アルバス・作、櫛田理絵・訳 : 読売新聞
    https://www.yomiuri.co.jp/kodomo/kbook/sinkan/20230828-OYT8T50046/

    図書館がくれた宝物 - 徳間書店
    https://www.tokuma.jp/book/b630028.html

  • 登場人物の心情、風景、時代背景など、とても丁寧に描かれていて、読みやすかった。
    また、戦争によるひもじさや身請け人に辛くあたられる場面なども多かったが、それほどに悲愴感なく読み終えたのは主人公たちの絆や無邪気さがしっかり描かれているからかなと感じた。
    それにしても、図書館に全てを救われたみたいな終わり方が、ザ課題図書だな。。。

  • 新しい家族を見つける目的もあって疎開した3人のきょうだい。
    疎開先の家で上手くいかず辛い日々だが、図書館と本が心の拠りどころだった。

    戦時中ということもあり、子どもたちは思っている以上に考えが大人なのが切ない。特に一番年上のウィリアムが健気で胸を打たれる。ミューラーさんと出会えて子どもらしくいられるようになって良かった。

    心がポッと温まるような結末に大満足。

  • 幼い兄弟が疎開という名目で新しい家族を求めて…と言う話。個性的な3人兄弟もとても魅力的だし、風景や表情が頭に浮かぶような文章もすごく素敵だなと思いました。

  • 図書館司書のミュラーさんと読み継がれた本が、子どもたちの心を癒してくれる。本の力に改めて元気をもらえる。高学年に勧めたい。

  • ウィリアム、エドマンド、アンナのきょうだい3人は、唯一の身寄りだった祖母がなくなり、保護者がいなくなってしまった。折しも戦争中。学童疎開をして、田舎の預かり先がこの先もずっと3人を置いてくれることにならないかと期待するが……。

    疎開ものには、良作が多いというのは私の個人的な印象だが、その私の印象にまた1作良い作品が加わった。
    3人きょうだいは本が好きで、それが大きな救いとなっていく。誰もが生きていくのに必死の時代で、よそ者の子どもたちに優しくする余裕なんてない。それでも、裕福な家庭に生まれ育った3人が、やったことがないことでも、子どもがやる必要がないはずのことでも、生きていくために文句も言わずに頑張る。特にウィリアムはいつもお兄ちゃんとして、大人とやりとりをするし、弟妹の面倒を見ている。まだ十二歳なのに。ミュラーさんが、ウィリアムを正しく子どもとして扱ったところで、ああよかったと本当にうれしくなった。エドマンドは、ネズミ取りのときに、兄がどれだけ自分のことを考えてくれているのかわかったのか、精神的に成長したようだった。ミュラーさんのあたたかさに包まれることで、3人はミュラーさんや、周りの人のことを考えることができるようになる。自分たちに辛い思いをさせた相手をまっすぐに見られるようになる。本当によかった、と思える結末だった。 
    The enchanted wood、戦時中に発売されていたのかぁ、とちょっとビックリ。これは邦訳出しましょうよ~。

  • 第二次世界大戦中のロンドン、ウィリアム・エドマンド・アンナの三兄弟は唯一の肉親である祖母が亡くなってしまう。祖母の遺産はあるものの、保護者がいなくては受け継ぐことができない。そこで弁護士のアドバイスで学童疎開に参加し、そこで親代わりになってくれる人を探すことになる。ところが、引き取ってくれた家庭とはなかなかうまくいかず、3人が唯一安心できるたのは村の図書館だった。優しい司書のミュラーさんは、なぜか村の人から冷ややかな態度をとられている…

    ハッピーエンドなのは予想通りだけど、ミュラーさんのご主人はこれで良かったのかなぁ?

  • 第二次世界大戦、英国の児童疎開を背景にした物語。
    疎開した先の子どもに意地悪されたり、やや定番かなと思うハラハラ展開もありつつ、きょうだい3人の関係性がよくて、終始温かい空気が流れているのが特徴。

    児童文学の古典がたくさん登場して、ストーリーのなかで子どもたちを支えるのがいい。特に小公女は、バックボーンになっているのが感じられる。ラングの『きいろの童話集」は、言及された作品(火打ち箱)が、偕成社版にも東京創元社版にも入っていないのが残念。

    それから長男(12歳)のウィリアムに、さっと『オリエント急行殺人事件』をすすめる司書さん、いいよね。GJ。で、この人との交流が深まっていきます。

  • 感想はあとで...

    読後、訳者さんが「ぼくとベルさん」と同じ方で、納得。はじめましてじゃない感じは、そこからきたものでした。

    原題「A PLACE to HANG the MOON」

    「図書館」とついてないほうが、多くの子に読まれそうな気がするのが私だけだろうかー......

  • 戦時中でつらいこともたくさんあったけれど、最後は心あたたまる展開でよかった。
    子どもが大きくなったら、読んでほしい一冊です。

    出てくる本も、読んでみたくなりました。
    子どもにとって、本を読む時間が心の支えになるといいな。

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著者プロフィール

米国の児童文学作家。ニューヨークで育つ。心理学者として研究に携わっていたが、友人の参加する創作の集まりに顔を出したことをきっかけに、物語を書くことのおもしろさに目覚める。本書がデビュー作。

「2023年 『図書館がくれた宝物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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