警視庁心理捜査官 下 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 409
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198920166

作品紹介・あらすじ

女を辱めながら嬲り殺すことに快感を覚える犯人の暴走は止まらない。一方、心理捜査官・爽子は、捜査本部の中で孤立を深めていた。存在自体を異端視される中、彼女は徐々に猟奇殺人の核心に迫る。息をもつかせぬ展開、そして迎える驚愕の結末。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻に分かれた長編小説。心理捜査官らしい活躍場面は少なく、他部署との関係の悪さが強く印象に残った。ラストの単独突入は、自分の身の危険だけでなく、犯人取り逃がしの危険もあり、ちょっと信じられなかった。

  • 岸の居場所を割り出し、拳銃を借りたあと…トイレでいきなり恋愛について考えるのは意味不明。そこはすぐ現場に向かうんじゃないのか?
    やたらと犬に例えるのも、よく分からない。
    視点が変わるとことか、理屈っぽい話が急に入るとこなど、あまり好みでなかった。

  • やっとシリアルキラーが判明する。どうやって追い詰めていくのかと楽しみにしていたが急に乙女心出しちゃったりと読んでられない展開。一人で潜伏先にいっちゃうしなんだこれの終わり方でとても残念。

  • 心理捜査官 吉村爽子と藤島は、犯人に迫れるのか。
    警察官として、組織内の孤立が深まる中、犯人の牙が近づく。
    二転三転のノンストップミステリー、下巻です。

  • 犯人が登場するのが下巻半ばであることからも本作が犯人側に心象を掘り下げることに重心を置いていないことがわかる。したがって、当然のクライマックスである犯人逮捕の瞬間の描写も至極あっさりとしたものであり、溜飲が下がるようなハッピーエンドもない。どこまでもリアルに警察組織の日常をネチネチ描いた作品は、逆に著者の執念とも言える作品に昇華したと言える。佳作

  • 最後の、主人公の独走………には、少々引いたけど、基本楽しく読了できた。

    下巻の後ろ半分の疾走感は、結構痛快。



    巻末あとがきにより、本作が、筆者のデビュー作と知る。納得できるフシはあり(笑)。でも………、文庫化に当たっての加筆修正はあるのだろうけれど、デビュー作がこのクオリティならば、是非、他の作品も買おう。

    p322
    精神病質者を人類の進化の一形体だと感じていた。
    文明の終末にいる人類が生き残るために、徹底した自分本位さを持ち、他人の苦痛を無視できる人間を生み出した…。
    状況が過酷になればなるほど、良心を持つ人間では生き残るのが難しくなるから…。



    驚きの考え方だなぁ。深夜、いいかげん眠くなりながら読んでいたところ、眠気が吹き飛んだ(笑)。

    ★4つの、8ポイント。
    “次作も読みたい作家”の新規開拓に成功(^-^)v。

    212.06.03.了。

  • すごく珍しい女性向けっぽい警察小説!

    警察物で女主人公ってなると、基本男の理想部分が目立つ、中身男寄りか男の考える女というキャラクターになりがちだが、爽子さんは女性寄りな感じでとても良かった。
    書く人によって内面の女性性の描写が全然違ってくるという気付きを得た。

    藤島への気持ちを鏡の前で吐き出すシーンは本当に良かった。
    キャラクターに関して、爽子自体と爽子と藤島のバディはとても良かったのだが、藤島単体は逆にあんまりかっこよさが見いだせないと言うか、若干舞台装置感が否めなかった点が惜しい。
    心理捜査を際立たせる為に岸の掘り下げももっと欲しいと感じた。

    式部は地獄に堕ちろ。以上。

  • 06月-16。3.0点。
    犯人の姿が見えず、つづく事件。捜査本部は停滞し、心理捜査官の主人公は捜査パートナーと共に孤立していく。。

    主人公の暴走が行き過ぎの感じが強かった。ま、しっかりとしたストーリーだとは思う。

  • 連続殺人犯を追う心理捜査官の爽子。
    猟奇的な犯人に迫るたび、周りとの距離が開いていく。
    心理捜査を認めてもらえない悲しさと悔しさが、益々爽子を犯人に近付ける。
    そして危険な行動にまで走らせる。
    そんな爽子を応援しながらも後半は爽子の近くで事件を見ているような気になった。
    でも、そんなときにはっと我にかえるような展開が…残念。
    (あれだけ犯人にボコボコにされたのに、身軽に動けることって…ちょっと考えられない…)
    全体的には面白かったと思う。

    2020.3.14

  • いろんな要素てんこ盛りでまるで「デビュー作」のようやなあと思ったが、あとがき読んだらホントにデビュー作だった。
    交戦規則とかKEEPOUTとか六機の特殊とか先に読んでたから勘違いしてた。

    とりあえずこれからKEEPOUT再読しよう。

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著者プロフィール

岡山県在住。『警視庁心理捜査官』で鮮烈デビュー。この作品は人気TVドラマとしてシリーズ化された。吉村爽子と柳原明日香という女性捜査官二人を主人公とする「心理捜査官シリーズ」は好評を博し、その続篇も読者に熱狂を持って迎えられている。警視庁特殊部隊を描く「六機の特殊シリーズ」も、組織や装備などのリアルな描写と作品内で展開される戦略の緻密さが凄いと評判になり多くの読者を獲得した。この2シリーズで警察小説の書き手として不動の地位を築いたが、近著はなんと時代物! 幕末の世を疾風のように通り過ぎた美少女剣士の物語、『緋色の華 新徴組おんな組士 中沢琴』。新境地を開いたのち、次にいかなる作品を引っ提げて打って出てくるのか、固唾を飲んで待たれている現況である。

「2023年 『交戦規則 ROE 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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