うつくしい子ども (徳間文庫 い 43-2)

著者 :
  • 徳間書店
3.44
  • (21)
  • (77)
  • (109)
  • (11)
  • (5)
本棚登録 : 592
感想 : 75
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198923891

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小学生女児が殺害されて平穏な町は騒然となる。
    その女児は中学3年生の主人公の妹と同級生。
    そして犯人は中学1年生の主人公の弟だった。
    ってことを軸に物語が展開される。
    もちろん犯人はすでに分かっている。

    タイトルの「うつくしい子ども」っていうのは、単純に言えば主人公の弟と妹は非常にかわいらしくて子役モデルなどもしていて母親から溺愛される。
    でも一方の主人公の容姿は決してそうではない。だからと言って母親から嫌われるとかも全然ないけど。

    主人公は「どうして弟がこんなことをやってしまったのか」という疑問を持ち、それを調べていく。
    弟はいつまでたっても弟で、だから分かってあげなきゃいけないんだ。
    そういう気持ちを持って主人公が中学生ながらに動いていく。

    もちろん小説で現実離れしてるんやろうなーって点もあるけど、その主人公の気持ちの強さには感銘をうけたし、読んでいく中で自然に主人公を応援してる自分もいた。

    結末がやっぱ小説やなーって感じがあったけど、全体的には主人公とその家族の動きが手に取るように分かる感じで描かれてて、読みやすい本でした。

  • ニュータウンで起こった9歳の女の子が殺された猟奇殺人。
    犯人は13歳の弟だった。

    取材陣が押し寄せ、家族は家に帰れなくなった。
    お父さんとお母さんは離婚した。
    弟はどうしてそんな事をしたのだろうか。

    14歳の兄が弟の心を解明しようとするお話。

  • 神戸の酒鬼薔薇事件をモチーフとして書かれた小説。

    加害者の兄とマスコミの視点から書かれており、被害者側に偏りがちな少年犯罪についての考えが少し変わった気がする。("犯罪"自体はよくないことだけれども)

    テーマは重いけれども、結構すらすらと読める作品。

  • 少女を殺した少年Aの兄が主人公。
    限りなく暗い話になりそうなのに、痛快さと心温まる読後感の良さがある。
    さすが石田さん。

  • (2007年以前読了)

  • 09年6月1日

  • ―愛情とは支配することだから

    柔らかな心をもった存在であるが故に影響されやすいのだろうか。

    それが歪な快楽だと理解することはそんなに難しいことなのだろうか。

    世間が言う「普通」って何なのか、改めて分からなくなりました。

  • 08mmdd読了

  • 相変わらず時代をキャッチするのがうまいと思いながら読みましたが、影響する第三者がいない状態で加害者家族になってしまった少年の心情で話が全て語られていたらもっとすごい話になったんじゃないかなあとも思いました。物語的には最後に発見があって落ちがついた感じですが、ここまで時代を切り取るのがうまい筆者ならばもう一歩先に進めるんじゃないかなあ。そういう意味で期待していた分だけ無難に落ち着いた感じがしました。

  • 世間的な幸せには誰もならない話。

    いつでも生きるってこういうことだろう。

    ちょっとクレイジーだけど、リアルでした。

全75件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石田衣良の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×