- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198925345
感想・レビュー・書評
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アメリカのユダヤ人はアイディアと組織に関するショービジネスの才能を発展した技術に持ち込んだ。1926年にディヴィッド・サーノフはRCA(Radio Corporation of America)の供給網である最初のラジオチェーン、NBSを創設して1930年に会長になった。同時にウィリアム・ペイリーはライバルのCBSを設立したが、やがてこの2つの放送機構は白黒のテレビを導入し、後にカラーテレビにした。これらの新しいメディアに出演した第一世代の多数のタレントはユダヤ人だった。シド・シーザー、エディ・カンター、ミルトン・バール、アル・ジョルソンとジャック・ベニー、ウォルター・ウィンチェル、ディヴィッド・サスキンドなどである。ブロードウェイのミュージカル、ラジオとテレビなどは全て離散ユダヤ人の歴史における基本的な原則の実例であった。すなわち、ユダヤ人がビジネスと文化のまったく新しい分野を開拓するときは、競合者が所有する機会をもって同業者組合や専門家の砦を設け、彼らを入れなくする前に、白紙状態のうちに自分たちの印をつけておくのである。その傑出した例は、ほとんど全てがユダヤ人によって組織された映画産業だった。実際映画産業が、現代世界の形成に彼らが果たした最大の貢献であったかどうかは議論されているところである。20世紀の普遍的な大衆文化を提供したのは映画だった。しかし映画を発明したのはユダヤ人ではなかった。1888年に最初の実用的映画撮影機であるキネトスコープを開発したエジソンの意図によれば、それは娯楽のためではなかった。世界をありのままに示して「東方のオカルト的伝承」と対立するものとしてのリアリズムの道徳的力を提示する、啓蒙された民主主義のために作られた「理性の究極の機器」だった。
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