赤い糸 (徳間文庫)

著者 : 蘇部健一

• 徳間書店 (2013年6月7日発売)

作品紹介・あらすじ

修学旅行で目を覚ました少女の指には、赤い糸が結ばれていた。その糸をたどっていくと、男子の部屋のドアの向こうには…。百発百中の占い師に「あなたは、この名前の人と結婚する」と言われた彼女が、その男を捜し、ついに辿り着いたドアの向こうには…。いくつもの恋物語が織り成す、運命の赤い糸に導かれた最高に幸せな結末とは?赤い糸の伝説を信じる全女性必読の書!!

感想・レビュー・書評

[kumabettiさんの感想 · 2013年6月12日]

安定の蘇部健一のチャーミングな恋愛小説。

美麗イラストで開かれた扉の向こうに、あっと声を上げる展開が。

一つ一つの赤い糸のエピソードは、やがて、それが運命であると強く感じさせるようになっていく……。

なんて真面目な解説は似合わないので、読んで読んで。

『六とん』のあの蘇部健一さん一流の、楽しくて心地よい、キレイな物語。

お見事な傑作かと思います。

特筆すべきは、最近読んだ本の中で、一番、巻末の解説が好感が持てました。

[chmkt1567さんの感想 · 2016年1月21日]

2016年1月21日読了。
2016年34冊目。

[館長さんの感想 · 2015年3月12日]

(収録作品)赤い糸をたどって／運命の人、綾瀬幸太郎／出逢わなかったふたり／落ちこぼれの天使／ふたりは生まれたときから、運命の赤い糸で結ばれていた

[anagramshiさんの感想 · 2015年2月13日]

犯罪ではなくて恋愛を描いても、相変わらず起承転結の見せ方がうまい。新堂冬樹の純愛ものみたいに、これまでの路線とは客層が違うので、良作が積み重なればあるとき一気に売れ出しそう。

[meishaziさんの感想 · 2014年4月30日]

タイトルが真っ向勝負で、どう考えても「赤い糸で結ばれた男女の話」だと読む前から内容がわかってしまうし、なんて不利なタイトルをつけたのだろうと思っていたけれど、構成がとてもうまくてびっくりした。小気味よい作品だと思う。

[F.tさんの感想 · 2013年8月6日]

過去作のように作中のイラストでオチとか演出をする短編集


「赤い糸をたどって」
修学旅行中の中２のトモが夜目を覚ますと小指に赤い糸が結ばれていた
その糸を辿ると別校の男子が身に着けていた赤い毛糸の腹巻だった

「運命の人、綾瀬幸太郎」
小５のときに占い師に運命の人を予言された果穂は、その予言を信じ２０歳で
その男性と出会うはずだったが、それは全て親が仕組んだことだった

「出逢わなかったふたり」
編集者の小梅は、ある恋愛同人誌を売り出そうと作者を探すが
出会うこと叶わず、小梅は編集者を辞めてしまう

「落ちこぼれの天使」
運命の赤い糸が見える天使が一般人となって
赤い糸で結ばれた両人を結婚に導くためにドタバタする話

「ふたりは生まれたときから、運命の赤い糸で結ばれていた」
ある日小梅果穂が読んだ本の内容が
以前『出逢わなかったふたり』のときに読んだ恋愛同人誌『落ちこぼれの天使』
と全く同じだったのでその本の著者に会おうと出版社を訪れ
ついに２人は運命の出会いを果たす。


＜オチ＞
短編集のテイで実は全て繋がっていた
小梅果穂は中２のときアダ名がトモだった
中２で赤い糸の腹巻をしていて、『落ちこぼれの天使』という恋愛同人誌の作者が
小梅果穂の運命の相手・綾瀬幸太郎だった

[imotokさんの感想 · 2013年6月25日]

（サイン本）

[権太さんの感想 · 2013年6月6日]

2013/6/7 Amazonより届く。
2020/3/16〜3/20

４年ぶりの蘇部作品。
運命の相手とは赤い糸で繋がれている、という昔からの言い伝えをもとに、綴られる５つの短編集、と思いきや、最終話で見事に繋がる。イラストを効果的に使った展開も見事。「六とん」の蘇部さんだから、普通ではない、と思っていたが、いやいややられました。

著者プロフィール

1961年、東京都に生まれる。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。1997年、『六枚のとんかつ』にて第三回メフィスト賞を受賞、デビュー。児童向けの「青い鳥文庫」や「YA!ENTERTAINMENT」でも活躍。

「2013年 『古い腕時計 きのう逢えたら…』 で使われていた紹介文から引用しています。」