- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198948313
作品紹介・あらすじ
天なのじゃ。名は天のために捨てるものじゃ――
下野国喜連川藩。
わずか五千石の小藩が、なぜ十万石の大名同様の扱いを受けたのか?
秀吉、家康…権力者から国を護った、足利の血を引く姫たちの戦。
文芸評論家・細谷正充氏絶賛!
満を持してという言葉が相応しい作品だ。
史実の内側に、熱いドラマを創り上げ、歴史を動かしてみせた。
それをやってのけた神家正成が、優れた歴史時代小説作家で
あることを、証明しているのである。
(解説より)
小弓公方の家に生まれ、美しく武芸にも優れた足利嶋子。
だが関白豊臣秀吉の小田原攻めで北条方についた
夫の塩谷惟久は出奔。
仕置のため宇都宮に来た秀吉に、足利家再興を願い出た嶋子に、その聡明さを
認めた秀吉は、嶋子を側室として迎え入れる。
一方、父の逝去によりわずか九歳で古河公方となった足利氏姫は、お家復興を願う
嶋子の弟、足利国朝に嫁ぐ。
だが国朝は病死。氏姫はその弟である頼氏と再婚し、喜連川家誕生の架け橋となった。
豊臣秀吉による関東・奥州仕置、関ヶ原の戦いに勝った家康の幕藩体制強化。
ふたつの大きな危機を乗り越え、小藩存続に尽力したふたりの姫の「女子(おなご)の戦」。
【目次】
序 章 皐月の風
第一章 晩秋の扇
第二章 籠中の鳥
第三章 鞍馬の狐
第四章 浪速の夢
第五章 女子の戦
第六章 紅蓮の炎
終 章 皐月の空
解説 細谷正充
感想・レビュー・書評
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喜連川藩。5000石ながら大名と同格とされ、無位無冠ながら足利将軍家が名乗った左馬頭の名乗りが許され、参勤交代や妻女の江戸住みを免じられた。名門足利家が治める藩が成立するに際し、2人の姫による女の戦いがあった。お家の為、夫と離縁し豊臣秀吉に嫁いだ足利嶋子、足利国朝、氏豊に嫁ぎ足利家を支えた氏姫。それから陰ながらその2人を守り支えた元夫塩治惟久と家臣弥右衛門、出家して天庵と名乗る小田氏治の物語。
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