まもれ最前線! 陸海空自衛隊アンソロジー

  • 光文社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334915193

感想・レビュー・書評

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  • 自衛隊物を得意とする福田和代の声掛けによって、実現した陸海空の自衛隊のアンソロジー。
    陸上自衛隊の看護官を描いた「明細の天使」
    ダイヤモンド・プリンセス号に派遣された看護官の畠山。
    きちんとした情報が無い中で、ダイヤモンド・プリンセス号での治療に当たった皆さんには頭が上がらない思いをずっとしてきた。
    その当事者である畠山を通して、未知のウイルスへの恐怖と自衛官である矜持との間で揺れ動く心の描写が絶妙であった。
    いつ自分がかかっても分からない中で、実際医療関係者の方たちの必死の努力があったことが裏付けられた作品だった。
    南極観測船を舞台とした「氷海」
    海上自衛隊が南極観測隊の輸送を担っているということを今作で初めて知った。
    少し前に「南極物語」のデジタルリマスタが放送されていたので、描かれる氷の世界が目に浮かぶよう。
    そして、自衛隊の中での優秀な人物しか乗ることを許されない南極観測船。
    知らない世界で、とても興味深かった。
    ラストは航空自衛隊を舞台に描いた「空のプライド」
    正直内容はイマイチ。
    コードネームで呼び合うのも、、何だか違和感。
    バードストライクの話をメインで描いているのかもしれないけど、軸が分かりにくかった。
    それでも陸海空全ての自衛隊のお話は、常日頃、日本や国民を守るために訓練を頑張ってくれている隊員の方に感謝の気持ちでいっぱいになる。
    災害は別として、これ以上自衛隊の方々が危険な局面に出会わないように、祈らずにはいられない。

  • 2023年3月光文社刊。書き下ろし。神家正成:迷彩の天使、山本賀代:氷海、福田和代:空のプライド、の3編のアンソロジー。陸、海、空の自衛隊を主人公にしてコロナ禍のクルーズ船、南極観測船、福岡県築城基地航空自衛隊のスクランブルという世界が描かれておりいずれも興味深い。陸と海は自衛隊員の職務がテーマになっていて、登場する隊員たちの取り組みにエールを送りたくなる。空の話はハトとの衝突事故から始まるミステリーがテーマで少し趣きが異なっていた。福田さんらしい展開だ。

  • 自衛隊で現場で日々勤務されている皆さん、毎日ご苦労さまです。

    三自衛隊それぞれの日常に焦点をあてた、画期的な1冊。
    ただ、それゆえに、各々の話が短くてやや物足りない印象。

    あと、できればコロナ以前に刊行してほしかったな、と。

  • 陸海空、それぞれの自衛隊を舞台に、知られざる現場での隊員の活躍を描く三作品で編む日本初の自衛隊お仕事小説アンソロジー! 【陸上自衛隊】元自衛官の神家正成「迷彩の天使」。【海上自衛隊】旧日本海軍の祖父をもつ山本賀代「氷海」。【航空自衛隊】自衛隊の深い取材を続けてきた福田和代「空のプライド」を収録。

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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