よろずお直し業 (徳間デュアル文庫 く 1-1)

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  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199050695

感想・レビュー・書評

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  • 命のねじを巻き戻して壊れたものの時間を戻すザロバを主人公にした短編集

  • 草上仁のファンタジーは結構楽しく読める。

  • 一見、「なんでも直す事ができる特殊な能力を神に与えられた男」が主人公のファンタジイである。
    主人公はとある戦争で致命傷を負った時、どうしてもどうしても生き残らねばという思いから神に祈った(らしい)。
    そしてこの能力を与えられたのだという。
    主人公はこの力を使って世の中を渡っていくのだけれども、ふたつのルールを自分に課している。
    ひとつは、必ず金銭を代償としてもらうということ。額の多寡は関係ないが、ただでやってはいけない。
    もうひとつは、壊れたものがなぜ壊れたのか、なぜ直して欲しいのかという事情をきくということ。
    これが満たされなければ、仕事をする事はない。
    ここから、否応なく、主人公は他人の人生の分岐点に大きく関わっていく事になる。
    しかし、この特殊能力、「壊れる前までそのものの時間を巻き戻す」というのが真実の姿なのだ。
    そして、主人公は、傷を負った自分の心臓を毎日一日分だけ巻き戻す事で、生き続けている事がわかってくる。
    一日だけ時間を戻す。
    これはどちらかというとSF的な要素で、実際、壊れたものを壊れる前まで時間を戻してやったとしても、やはりそれはいずれ壊れてしまう事が決まっているのだ!
    以上の設定をもとにした連作短篇という形式で語られているが、最後の最後でどんでん返しというか、ああこの設定って実はここにつながってたのか!という謎解きがある。
    壊れたものを元の姿に戻す、というところからして、優しく、ちょっと哀しい物語でもある。

  • 表紙絵があらわしているような、水彩絵の具で描かれたやさしいものがたり。

  • ○感想

    直していたのは“物”だけではなく、つながり。というところが好きな作品

  • サバロは、目には見ない心の指で命のねじを巻き戻す。
    そうすれば元通りにものが直る…


    ちょっとラストがわかりやすかったかなー。

  • 「命のねじ」をまくよろずお直し業・サバラを描くファンタジー連作短編。6編からなり、気軽に楽しめました。

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著者プロフィール

草上 仁(くさかみ・じん)
1959年生まれ。1981年ハヤカワ・SFコンテスト佳作入賞。短篇『割れた甲冑』を「SFマガジン」1982年8月号に発表してデビュー。
1989年に『くらげの日』、1997年に『ダイエットの方程式』で星雲賞日本短編部門受賞。
1997年『東京開化えれきのからくり』でSFマガジン読者賞受賞。
近年も「SFマガジン」に続々と作品を発表している。

「2020年 『キスギショウジ氏の生活と意見』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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