みどりの船 (あかねせかいの本)

  • あかね書房
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251005250

感想・レビュー・書評

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  • 夏休みの二週間、きょうだい二人は田舎のおばさんの家で過ごすうちに退屈してしまう。
    そこで屋敷の庭に潜り込み、ジャングルみたいな大きな森を抜けると船があった。そして航海に出る。
    本物の船ではないけど、(生い茂った木など自然にできた形の物が)どう見ても船だったのだ…という大人には子ども時代を懐かしく思い出すような絵本。

    私も祖母の田舎(農家)で、お盆の夏を過ごした時に、いとこたちと冒険を楽しんだことがある。
    昼間は母屋の裏手にあるビニールハウスまで。夜は真っ暗な離れに用意された布団まで。
    まずビニールハウスまでは、今にも飛びかかってきそうなおっかない番犬の横を走り抜くことができなければ行けない。
    無事にそこを抜けるとちょっとした小川があり木の板が立てかけてあるだけのぐらぐらした橋を渡る。
    そして木が生い茂る中、木の根っ子や落ち葉の小道を進んで行くと、開けた場所に畑やいくつか建てられたビニールハウスに辿り着く。
    ビニールハウスの独自の匂いやモワッとした温かさを今でも覚えている。
    夜、外の渡り廊下を伝って離れまで行くのは恐怖で、懐中電灯を片手にみんなと手を繋ぎながら向かったものだ。

    家では押入れ探検。布団など積み重ねられているのを小さな体で退けて場所作り。
    友だちの家の、二段ベッドや椅子や布団をうまく使った手作りの家を訪問。灯りは懐中電灯だけでお菓子を食べた。
    弟たち手作りの秘密基地にも招待された。しかしそこにライバル派閥の悪がきどもがやってきて奪われ、一瞬にして壊されてしまったwwwその跡地は今、誰かの住宅になっている。なんか切ない(;_;)

    子どもってそこら辺にある物でなんでも作り出せる世界観を持っている。想像力もある。狭い所も好き。
    彼らには見えているんだろうな、色々と。何を考えているんだろう?知りたいな。
    子ども時代の小さな冒険心やごっこ遊びが、そのまま今も自分だけの物語として生き生きと心に残っているものなんだろうな。

  • ずっとずっと、何年も冒険するのがすてきです。あぁ、こんな場所に子どもの時に出会えたら、こんな大人に出会えたら、どんなに楽しいことでしょう。

  • ある夏、まるで森のようなトリディーガさんの庭で、ぼくとアリスはみどりの船とであいます。ぼくたちは水夫となり、世界中へ空想の航海へとでかけるのでした……

    子どもの頃のわくわくするような日々を思い出しました。田舎のおばあちゃんの家に行ったこととか、ギラギラとした日差しとか。田舎ならではのおやつとか。
    もう、おばあちゃんの家はないですけれど、心の中には、今でも、ちゃーんとここにあるのです。

    ぼくとアリスが、大きくなっても、みどりの船のことをけして忘れないのと同じようにね。

    そして、これは私が年齢を重ねてきたから思うことなのでしょうが、高齢のトリディーガさんにとって、みどりの船で楽しく過ごす二人の子どもたちの姿は、きっと救いであり希望であったのでしょうね。

  • 8歳〜。
    幼少期の夏休みを描く。
    素敵なお話。
    設定、キャラクター、世界観、表紙がいい。
    ジブリ映画のよう。
    お洒落なブックカフェに置いておきたい。
    夏休みの終わりのセンチメンタルさを味わいたい、元・子ども特におすすめします。

  • この情緒あるイラストは子供のころ感じた心情風景を思い出させてくれる

  • 子供たちの目は純真無垢で、探検して見つけたみどりの船に乗って、世界をわくわくどきどき、目の前の現実を楽しむのだけど、トリディーガさんの目には何が映っていたのだろう。現実よりも遠い過去を見ていた気がする。共有して繋がっていく思い出は、いつしか繋がった共有の思い出となって、たとえ起点の物体が無くなったとしても、それぞれの心にぴったりはまる居場所が出来る。それは必要なことだと思った。じわじわ響く素敵な絵本。

  • ぼくたちは、わすれない。
    あの夏、みどりの船で
    航海したことを・・・・・。

    こんな記憶をもって大人になったら素敵だと思う。
    それが読み聞かせであっても・・・

  • 30年度 5-1 5-3
    8分

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「生き物・自然」で紹介された本。

  • 二段ベッドのぐるりに毛布をひっかけて薄暗くして、弟と「潜水艦~」とやってたことを思い出した。あちこち行ったなあ。平穏な航海は面白くなく、やっぱり嵐がクライマックスだった。

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著者プロフィール

1932年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学、チェルシー美術学校で学ぶ。ケイト・グリーナウェイ賞、ボローニャ・ラガッツィ賞のほか、1999年にはイギリス王室から初代名誉児童文学作家の称号を授かり、2002年には国際アンデルセン賞も受賞、イギリスを代表する児童文学作家のひとりに数えられている。挿絵では、ロアルド・ダールの作品など多数ある。

「2019年 『本気でやれば、なんでもできる!?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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