どぶがわ (A.L.C.DX)

著者 :
  • 秋田書店
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本棚登録 : 430
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253155502

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛ものとかがどうしても好きなので、作品紹介読んでもあんまり惹かれてなかったんだけど、あまりにも勧められてたので読んだ。
    結果、良かった。
    フォアグラは無理だけど、無償にアボカド欲しくなって買ってしまったよ。

  • 2014年6月13日読了。

  •  フォアグラ! てかんじのおはなし。笑 フォアグラ、そこまですきではないけれど、ちょっと食べたくなっちゃった。

  • 谷底にあるよな、澱んで異臭を発するどぶがわと川沿いの町。どぶがわのベンチにいつも座って、中世の物語を空想しているおばあさん。あるときは「パペットの晩餐会」、あるときは、お見合いの時のフォアグラを思い出して、晩ご飯いらないといわれてたのにフォアグラのソテーをだして、うっかり忘れてましたわ、わたしあなたのことがとても好きだったということを、と語り掛けた主婦が差し入れてくれた「フォアグラ名人」を胸に。同じアパートに住む、離婚して母子で越して来た高校生。近所の工場で働くレンズ職人。壁がうすくて、彼のかけるヘンデルの「水上の音楽」をとなりの部屋の高校生もたのしんでいたり、おばあさんの口ずさむ「私の青空」を壁越しに三人で楽しんだり。そして、仲のいい中学の同級生ふたり。片方はいつもおばあさんを遠くから気にかけ、ぶっきらぼうな口きいたり、雨のときは傘を差し出したり。ぼうずはいいなあ、これからいろんなものがみられる、とまるで福音のように。将来の進路を聞かれて、1 宇宙飛行士 2 数学博士 3 パイロット とこたえたら、そんな軽い気持ちでいいんだ、真剣に考えすぎてた、と返したら「どうして笑うの?ぼく真剣だよ」と返され。エピローグの、パイロットになった彼が、機内放送のマイクスイッチ切り忘れて、今日同級生がのってるんですよね、初めての海外旅行で、ほんとは客席に様子見にいきたいぐらいなんですけど、ってのが効いていて。グランド・フィナーレは、主のいない部屋と、空室ありの札をかけにきた不動産会社の社員が、しずかなおばあさんの退場を指し示している。じっと目をこらして読むと、なんだか染み入ってくる作品。

  • 幻想的。

  • 静かな優しさに満ちた1冊

  • 独り身のオンナには
    ちょっと本気で別の危機感と言うか恐怖を感じなくも無いのですが(笑)

    万人に薦められるとは言い難いけど、
    とても良い作品だと思います。

    大きな盛り上がりがあるわけでもなく
    画面が華やかでもなく
    メジャーな熱い作品ではないけれども、

    この作者独特の淡々とした、
    しかし厭世的では無い
    そんなキャラクター達の小さな世界は心に残る。

    私的には、説明しすぎないキャラクターへの描き込み具合が
    絶妙に感じましたが
    この辺は人それぞれの感じ方ですね。

    行間を残すと言うか
    想像の余地が心地よいと思います。


    読み終わった後
    こういう作品がちゃんと雑誌に掲載されるのは
    イイコトだなぁと思いました。

  • 豊かさってなんだろね

  • 悪臭を放つドブ川を舞台にした連作集。ドブ川のほとりで老女が耽る夢想とドブ川の周辺に住む人々の生活とが交錯しながら、毎話主人公が交代し群像劇の形で物語が織りなされる。老女の夢想は貴族的できらびやかなものであり、ドブ川の悪臭とはかけ離れているが、そうであるからこそ人々の孤独や不安との対比となる。そして、その夢想はもまた、完璧なものではなく、老女自身の限界をも示している。
    ひとつ物足りなかったのは、物語の狂言回したる老女自身の背景がほとんど見えてこなかったこと。安アパートに住み、洗濯掃除をし、そのあとはひねもす夢想に耽る以上のものがない。明示的に老女の背景を描くような野暮は不要だが、そうしたものをうっすらとでも感じられる演出であれば、もう少し深みが増したのに、と思う。

  • なんだかちょっと物足りなかったな。
    臭気漂うどぶ川のベンチでうたた寝をしながら優雅な夢想に浸る独り暮らしのお婆さんと彼女と同じアパートに住む住人達のエピソードが綴られている。お婆さんが空想する世界で物語を進ませながら現実世界の周囲の人々のエピソードを綴っていくのだが、周囲の人々の描き方が浅いように思われた。もう少し具体的に彼らが抱えている問題や感情が描かれていたらもっと感情移入出来たと思う。なんだかアッサリし過ぎているんだよね。

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著者プロフィール

2009年漫画家デビュー。2014年、『どぶがわ』(秋田書店)で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。2018年、『ねぇ、ママ』(秋田書店)で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。代表作に『繕い裁つ人』(講談社)、『プリンセスメゾン』(小学館)など。

「2022年 『よそんちの子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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