ガラスの城の記憶 (秋田文庫 1-20)

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253170000

感想・レビュー・書評

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  • 「ガラスの城の記憶」未完作品。
    普段は倫理感や社会通念などで覆い隠されている人の心の中の黒い部分、闇の部分を制御できなくなってしまった人間が、己の感情のままに振る舞ってゆく。
    その自分の感情、欲望に突き進んだ先にあるのは何か、という手塚治虫の描く結末を見たかった。
    一郎とヒルンの逃避行がどこへ行き着くのか。倫理観の吹っ飛んだ一郎の上位互換であるヒルンを見て、一郎が何を思うのか。己の行状を振り返り、鏡のようで自分以上の醜悪なヒルンを見て、悩み苦しみ更生してゆくのか。更生できずに、二人で心中のように共依存になるのか。文字通り心中してしまうのか。
    どんなメッセージを突きつけられるのか、が読みたかったです。

  •  未完なんですね残念...。めっちゃ続きが気になりました。記憶でなく記録の気が...?

  • 20220321

  • 昭和45年から連載され未完のままとなってしまった作品。破滅への片道切符みたいな内容です。どのように収束されるつもりだったのでしょうか。

  • 結構恐ろしいストーリー展開です。
    ★高度な文明技術により脳が破損→歯止めが効かない
    ★愛と性からは人間は逃れられない

  • 手塚治虫の作品、子供の頃は難しかったけど最近面白い。

  • 2017/11/05

    ヒルンという名前◎
    未完のやつだいたい面白いという罠ある

  • 初出1970~72年。冷凍睡眠装置という科学的なギミックを用いて、親に見捨てられた青年、年齢が逆転した兄弟や親子の不自然さ(血の優位性とこれに勝る経験値との相克)、殺人など規範違反をしても取り戻したい年月といった人間の業や醜猥さを描写していく。未完かぁ…。それにも関わらず読ませ、引き込ませる筆力は凄いなぁ。

  • 冷凍保存の弊害(脳がイカレル)による近親相姦と殺人の連鎖。
    後味は悪いが巨匠がどのように決着をつけようとしていたのか興味を持たせる未完作。

  • 未完でありながら、手塚治虫氏の意図は読める。文明社会が引き起こす機械と人間の秩序の崩壊に対する、避けられぬ危惧を描いている。相変わらず暴力や性を描いたシーンは多く、人の在り方を考えさせられる。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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