BEASTARS 22 (22) (少年チャンピオン・コミックス)

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253229104

作品紹介・あらすじ

動物版青春ヒューマンドラマ、完結。
ルイの必死の訴えを見て、裏市に草食獣たちが殺到した。肉草入り乱れた暴動になりかけるも、〝ビースター〟ヤフヤの身を挺した行動で落ち着きを取り戻した群衆。
しかし、その群衆に紛れていたある特徴的な角を持つガゼルに目が留まり…?

感想・レビュー・書評

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  • トキの気持ちはわからなくはないが、それで毒に蝕まれてしまうのは違うと思う。
    ただ、ゴーシャとトキが本当に幸せに過ごしていた様子は心温まる。

    裏市におずおずと草食獣が入るのを、肉食獣が止めるのが泣ける。
    肉食獣は草食獣を傷付けたくて食べたいと思っているんじゃない。
    みんなで裏市を打ち壊し始め、その頃管理組合がやっとペンを買って来て参戦者一覧に書いたのが
    『ビースターズ』。

    多分今後も世の中はたいして変わらない。
    でも、互いが会話をする時間が増えていけばいつか或いは。

    こんな修羅場の渦中にいたレゴシの目を塞ぐゴーシャが愛おしい。
    ヤフヤが今やっと本当のビースターになった気がしたと言っているときの朝日が美しかった。
    その後のどんでん返しも流石の展開。

    魚肉を食べるというのは良い案な気もするのだが
    受け入れず足掻くのもまた選択だ。

    サグワンさんが自由で良い。レゴシを気に入ってくれているのも嬉しい。

    ルイとデートしているジュノもとても可愛い。
    はしゃいで鼻歌を歌ってしまうし
    黙ろうとすると尻尾が動いてしまうのが微笑ましい。
    ただ一緒に電車に乗るだけで楽しいのは、ルイもちゃんとジュノが好きなのだろう。
    映画ではないからすべてを手に入れる事はできないと彼女の笑顔を見ながらのモノローグが悲しかったし
    ジュノの可愛い呪い方も切ない。

    ハルのプロポーズもめちゃくちゃだけど彼女らしい。
    アズキさんも良い人そうだし、
    学園は共学に戻りゴウヒンは表社会に勤め始め
    ヤフヤとゴーシャの仲も復活した。
    確かにすべては手に入らなくても、いつかはシシ組がルイの元に戻れる日が来るかも知れず
    上々のエンディングと言える。

    肉食獣が暴走しているのかと前に間違えられた時は逃げるしかなかったレゴシとハルが
    付き合ってます!と堂々と笑顔で警察に返せる。
    その程度には世界は変わったのだ。

    巻末の互いの保護者にご挨拶に行くイラストもそれぞれにらしくて最高だった。

  • 完結後もみんなが幸せいくらしていればいいな。
    ハルちゃんとレゴシもどんな形であれ幸せになってほしい!です。

  • 【あらすじ】
    動物版青春ヒューマンドラマ、完結。
    ルイの必死の訴えを見て、裏市に草食獣たちが殺到した。肉草入り乱れた暴動になりかけるも、〝ビースター〟ヤフヤの身を挺した行動で落ち着きを取り戻した群衆。しかし、その群衆に紛れていたある特徴的な角を持つガゼルに目が留まり…?

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    とても不思議な空気感の漫画でしたが、妙に引き込まれて、新巻が出るのが楽しみでした。
    まず、動物たちが人間のように暮らす世界というファンタジー感満載の設定なのに、テーマが「異獣種同士の共存」という、現代の人間社会がリアルに直面している問題(人種差別・ジェンダー)であり、そのギャップが良かったです。「え?この動物たち、人間よりも人間みたいなことしてない?」みたいな。
    そして、主人公のレゴシがこれまた人間臭くてすごく好きです。自分の生い立ちや、自分の恋愛観に葛藤しながら、時に極端な内容であっても、自分なりの答えと覚悟を持って生きる姿が印象的でした。私の友人にもすごく似た人がいます。最初はすごくとっつきにくいし頑固だけれど、ずっと付き合ってるとその人の思考の深みを感じられて面白いんですよね。

    異なる分子を排除したがるのは社会という仕組みの〝本能〟とも呼べる性質だと思うので、この問題は永遠に続くのだと思います。ただ、正義と悪で二分するのではなく、それぞれの立場に立って、時には譲り合いながら、少しずつ互いの隙間を埋めていければよいと思いました。

  • 完結巻。
    登場人物や世界に、色々ままならないことを抱えながらも、すべては先へ続いていく、といった感じのする爽やかな読後感。
    男女差別や人種差別など、様々な課題の比喩とも目されてきた作品だけれど、結局は、あとがきの「自分以外の人間との交流はいつだって異種族交流。その過酷さと価値こそ、この作品で1番描きたかったことかもしれません」という言葉にあるように、人物のひとりひとり、関係性のひとつひとつを丁寧に描いた、青春漫画らしい青春漫画だったと思う。

  • まずは、お疲れ様でした

    なんか色々削った末に穴だらけになってしまったような、物凄く消化不良な最後だけど、サグワンさんか可愛かったからもういい。
    海の生物の引っ越し屋さん、いいね。

    個人的には異種族間のモチャモチャを裏市場のナントカを絡めてやるよりは、チェリートン学園の食殺事件を主軸に進めて欲しかったので、ルイ先輩が齧られてからはずっと蛇足だな…って感じてたんだけど、学園という狭い世界だけでなく、外の世界にでてからもこの動物たちの世界は「難しい」というのを示すためには必要だったのかもしれない…

    わかっていても蛇足だったと感じてしまう。

    最後の最後まで、ルイ先輩が獅子組の皆さんに愛されてるのが見れて良かった。
    早くお勤め終えて、ルイ先輩のところでみんなで働けると良いね。

  • 一見ファンタジーに見えて、物凄い同時代性を持った作品だと思う。

    メロンとメロンの父親の、一体どちらが「邪悪」なのか。少なくとも作者は「父親みたいな奴こそが邪悪なんだ」って言いたげだけれど...僕も同意します。
    最後のページがね...。沁みます。ほんの少し世の中が変わったところで、「みんなと同じ幸福」を2人が手に入れることはまだ難しいんだろうけど、とにかくどうか幸せでいてくれよ、と願います。

    朝井リョウの『正欲』と併せて読むべき作品、とか言ってみる。両作はある意味、対になっている。「普通」であるように見えるけど実は双方向ではない愛(『正欲』)と、双方向だけど周りに認められ難い愛(『BEASTARS』)、みたいな。いずれにせよ本作は今の時代に読むべき作品だと思います。

    レゴシが世界を変えたと言っても劇的に変えたわけではなく、「一夜で全くもって変わったりはしないけど、確かに漸進していっている」という描き方をされていたのが良かった。
    綺麗事じゃなく、みんな愛する人と幸せであるために苦しんでいるし戦っているんだということがきちんと表現されていて良かった。

    名作。

  • 大大大好き!!!!!!!

    鬼滅の刃も
    呪術廻戦も
    チェンソーマンも
    葬送のフリーレンも
    ヴァイオレットエヴァーガーデンも
    少し前なら、
    タイガー&バニーも
    デュラララ!も
    その他ジャンプ形長期連載ものも
    (冨樫義博作品は別格)
    ハマらなかった私が、
    (進撃の巨人は大好き)
    BEASTARSだけは本当にもう大好き!!!
    大人になってからこんなにグッとくる
    いわゆる少年漫画誌掲載漫画があるなんて!
    一話目から惹かれに惹かれて最後まで完読。

    正直、リズとの決戦以降は
    緩やかに右肩下がりな話の流れ傾向は否めない。
    ヤフヤやメロン、キュー、ロクメ、サグワン、、
    サブに至ってはセブンさん、など、
    微妙に消化不良のキャラも多く、出演理由や、
    充分な紹介があったのに回収が出来ておらず、
    その後どうなったの?何?何故?必要だった?
    と疑問が湧くこともしばしば…
    リズとの戦いを最終決戦にしても良かったのでは、、、!!!と、思わずにはいられない、
    が!!!
    とにかくこのみんなの話が続いていくのが嬉しかったし、シシ組への愛着は湧きまくったし、ルイとジュノの切ない別れの話も綺麗な終わり方だったと思う。その分あんなにさんざん遠回りしたレゴシとハルはあっさり!?とは思うが…笑
    とにかく、この世界観にどっぷり、でした。
    レゴシとルイのBEASTARS物語の続きが読みてー。



  • 物語の最初で始まったところに
    帰ってくる物語
    最後のコマ
    で終わらずに
    巻末の二コマが良い
    こんな場面があったのかなぁ
    あるのかもなぁ
    想像するのが面白い

  • 最後の巻でメロンの父親を登場させたのには驚き。
    なぜお母さんは父親を食べたと言ったのか、
    父親を母親が食べていないとちゃんとメロンが教えられていたらどうだったのか、
    メロンと父親が出会えていたら(クズだけど)、
    など考えさせられた。
    そしてメロンは最後までメロン…

    ゴーシュのラブラブのエピソードや、ルイとジュノの別れ、裏市が解体されたこと、どれもとても良かった。
    ラストのハルの笑顔ったら!
    嬉しそうだなもう。
    ハルのキャラクター、すごくすごく大好きだった。
    レゴシという悩めるオオカミ、慎重なようで無謀、カッコ良かった。
    この作品を読めて本当に良かったです。
    ありがとうございました。

  • 出会えてよかった漫画NO1!!!!
    人間が抱いてしまう、我慢し難い性欲が、肉食獣の食欲として、上手く表現されています。男性にこそ読んでほしい。

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著者プロフィール

2016年デビュー。週刊少年チャンピオンで読み切り連作「BEAST COMPLEX」を掲載後、「BEASTARS」連載開始。

「2019年 『BEASTARS 1~10巻BOXセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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