海が走るエンドロール 1 (1) (ボニータコミックス)

  • 秋田書店
4.08
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253265218

作品紹介・あらすじ

65歳を過ぎ夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子。そこには、人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、うみ子は気づく。自分は「映画が撮りたい側」の人間なのだとーー。心を騒ぎ立てる波に誘われ、65歳、映画の海へとダイブする!!

感想・レビュー・書評

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  • 1〜4巻まで読了。視界が開けた感覚を波で表現してるのが素敵!映画作りの夢を追う話だけでなく自虐ネタは対話を拒んでるとか理解できない物を否定するのは逃げなど、うみ子さんと海くんの会話などからいろんな気づきがあって面白い。

  • マンガ好き800人が選んだ「このマンガがすごい2022」において、「オンナ編第一位」になった本書を読んでみた。夫と死別した68歳女性が、美大映像科に途中入学して映画を作り始める物語。

    まだ一巻しか出ていない。私は「このマンガ」や「マンガ大賞」の上位に入った作品はチェックしている。そういう意味では小説と違って流行を追っている。マンガは時間的にそれが可能だからしているので、必ずしも賞をとった作品が総て素晴らしいとは思ってはいない。

    画は構成から光線の使い方からとても映像的で、若い作家なのに申し分はない。還暦すぎて再出発は、流行りに乗ったのがもしれないし、切実なテーマが立ち上がるのかもしれない。まだ始まったばかりでなんとも言えない。この賞は、ある程度玄人読みする人が選んでいるだけあって、期待値で賞を取らせたのかもしれない。

    (自分は)「映画を観る側」ではなく「作る側」なのかと気がつく主人公。そういう気持ちは、私はとっても共感する。私のレビューなんて、いつも大抵は「作る側の立場」で書かれている。気がついている人もいるとは思いますが‥‥。

    まだ始まったばかり。ホントに評価すべきなのは「これから」である。

  • 「そんな人間はさ 今からだって死ぬ気で 映画作ったほうがいいよ」


    という「メタモルフォーゼの縁側」×「ブルーピリオド」なおばあちゃん漫画です。
    夫に先立たれ呆然とする、うみ子(65歳)が、ふと入った映画館で美大(映像学科)生の海(かい)に出会って映画が好きだったことを思い出し、美大に入学してしまうお話。
    おばあちゃんが時々ものすごく可愛くなる。
    そして他の登場人物はみんな男か女か分からないのが画風的に素敵。

    ついつい自分を卑下してしまううみ子と、そうして欲しくない海が不器用に距離を縮めていく姿がほほえましい。
    そして漫画としての印象が強烈。なんだろうレイアウトとかそういうのが上手なんでしょうか。
    これはルックバック(藤本タツキ)を読んだ時の印象にとっても良く似ている。あと「マイ・ブロークン・マリコ(平庫ワカ)」とも。つまりこの作者は天才かな…と思ったのです。
    続き楽しみ。ミステリー・ボニータって本屋さんのどの棚に置いてあるんだろう。

    「けれど 映像は自由で 走り出したら とまらない 私が映像を撮るならば」

  •  65歳の女性が「映画」に目覚める。見るんじゃなくて「撮る」。その設定がうれしい。
     がんばって!
     ありきたりに陥らないことを期待して、次号を待ちます。
     ブログにもあれこれ。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202201070000/

  • ブクログで紹介されていて、気になってたのに売り切れてた作品。
    今日本屋さんに入荷されてたので即買い!

    主人公のうみ子さんのやりたい事に突き進んで行く姿や、歳を気にして思ってもいない事言っちゃう気持ちとか、
    もう若くない私にはそうだよね!そうだよね!と、共感出来ちゃう所が多々あった。

    年齢的な事や色んな事情で
    やりたい事を諦めていた事、あると思う。
    そんな人に是非読んで貰いたい1冊だとおもいました。

  • 連載終了まで追いかけたいと思える作品でした。

    読む前は、主人公が「おばあさん」である事と
    「エンドロール」という言葉から、終活的な、
    人生を穏やかに終えていくような作品かと思っていましたが、真逆の物語でした。

    大人の持つ「ずるさ」や「自虐」も押し流す
    好きなことへの熱さが描かれていて好きでした。

    2人の年齢差が生み出すお互いへの影響が感動的で面白かったです。


    うみ子にとってだけではなく、海にとっても
    この出会いがエンドロールであり、新たな始まりだと感じました。

    大きいコマの印象的なシーンも好きですが、個人的に、うみ子の食べ物に対する変化や、5話の海が濁っていることや、うみ子の波に打たれた時のセリフの「でも 思ったより冷たくないかも」とかも好きです。

    何度も読み直したいと思いました。

  • 最高。「作る人と作らな人の境界線はなにか」「船を出すかどうか」「船は誰でも出せる」。
    傑作のかおり。一巻の引きが最高。早く続きがよみたい。読むこちらも、ワクワクさせられる。

    • scsa0316さん
      書こうと思っていたこと、全部書いてあった。本当にその通りだと思います。
      書こうと思っていたこと、全部書いてあった。本当にその通りだと思います。
      2021/08/22
  • 「好きなことを始めるのに、年齢なんて関係ない!」
    を丁寧にリアルに作品に落とし込んでいる。

    人生100年時代を前向きに暖かい気持ちで考えられるようになりました。(24歳・男)

    私の小学5年時の夢は映画監督でした。自分の姿を重ねつつ物語を読み進めていきます。

  • 書店で見た時、表紙のインパクトに一目惚れ。
    いきいきした表情と、印象的な青。

    65歳で夫に先立たれた主人公・うみ子。
    ふとしたきっかけで映画を観に行き、映画専攻の美大生と出会ったことで、映画を作る道へ。

    周りの人が悪意なく、時には自虐ネタとして「老後の趣味」というワードが出てきて、そのたびにモヤモヤするうみ子。
    そんな様子を、かつての親友に重ねてイライラする海くん。
    吹っ切れてほんとに本気で映画に向かい合うと決意するシーンが本当に美しかったです。
    やりたいことにまっしぐらな人のひたむきな美しさ、そしてやりたいことに邁進するのは何歳からでも遅くないことを教えてくれる作品です。

  • 続きが気になる。ご飯が美味しそうな漫画に間違いない

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著者プロフィール

漫画家、イラストレーター。
既刊には『グッドナイト、アイラブユー』全④巻(KADOKAWA刊)がある。
情緒ある風景描写と、憂いあるキャラクター描写が魅力。
またたらつみジョン名義でBLでも活動中。

「2021年 『アザミの城の魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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