サザエさんの東京物語

著者 :
  • 朝日出版社
3.42
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本棚登録 : 130
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255004204

作品紹介・あらすじ

長谷川町子の実の妹が明かす姉の素顔と、長谷川家の波乱万丈の暮らしを綴った初エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でふと借りた本。

    ちょうど「デイビッド・コパフィールド」に
    ドップリと音がするほど没入している時期に
    図書館へ行って、
    「デイビッド君の事があるから、しっかりしたような本は駄目!」
    と自分に命じて息抜きと言うとなんだけれど
    サラリと読める本を…と探して借りた本。

    ところがところが、
    題名から想像するイメージとは違い、
    なかなか考えさせられる内容でした。

    洋子さんは、サザエさんの作者で有名な町子さんの妹。

    その家族のほのぼのとした物語かと思いきや、

    60歳を過ぎたあたりで、
    長姉まり子さん、町子さんと絶縁し、
    町子さんの死の際にはまり子さんが
    「洋子には知らせるな」と言い、
    洋子さんには共通の知人が、
    多分見かねて教えてくれた、と言う悲しい事実。
    知らなかったなあ!

    洋子さんは実母、そして町子さんの莫大な遺産も
    一切受け取らず、自立して頑張ったと言う部分で
    確執の深さを感じる。

    世間から色々いわれたり、噂を耳にしたりして
    「長谷川町子の妹」じゃない、
    本当の自分の話をしたいと思ったのかな?
    と考えたけれど、

    そうするとこの題名がハテナ?と思う、
    でも全然関係ない題名だと誰も手に取らない懸念がある、と言う事情かな?

    その他印象に残ったのは、
    「妻と子を残して死ねない」とつらい治療に耐え
    頑張ったけれど亡くなってしまったお父さんの話、

    また、戦争の時の「国は国民の事を顧みず、
    駒としか考えていない」と言うところ、
    なんだか不穏な気配を感じる昨今、
    胸に沁みました。

  • 何年もまえに朝ドラになった長谷川町子さんの姉の「まー姉ちゃん」。
    国民的アニメ「サザエさん」の作者長谷川町子さん。
    そのどちらでもない、三女の洋子さんの戦前から今へと続くおはなしですよね。
    この個性豊かな家族に囲まれ一番普通に生きてきた洋子さん。
    町子さんたちとの独立に一番書きたかったことが書かれてると思います。
    それにしても、サザエさんて強いのね。

  • サザエさんの作者長谷川町子さんの妹、洋子さんが
    描くサザエさん作成の裏話。
    町子さんがどんな人だったのか、姉妹の母がどれほどの
    行動力のある人だったかなど丁寧に書かれている。
    サザエさんの裏話としても、戦中戦後の人間模様
    としても面白く読めた。
    とても上品で優しい文章で読みやすかった。
    天才とかかわる人は自分をすり減らしてしまう
    大変さが常にあるんだなって思った。

  •  串だんご三姉妹(実際は四姉妹)の末妹から見た長谷川家と昭和史。
     裁縫の授業中、『モンテクリスト伯』を隠し読んでいた著者に親近感を覚える。
     母子二代に渡って、配偶者との縁が薄い女所帯。母親はヒトラー、ワンマンとあだ名されたが、終りの方まで読むと、ワンマン体質は長姉に受け継がれた気がする。母親の享年が91と考えれば、長谷川町子の72歳は早すぎる。手術を勧めていれば延命したのではないか。遠回しに長姉を責めている気がした。
     手術といえば、『サザエさんうちあけ話』では胃かいようとされていた町子の病気が、はっきり胃がんと書かれている。本人は最後まで胃かいようと信じていたのだろう。

  • ヒトラーのような独裁者の母親と、サザエさんの作者である姉、
    姉妹社を設立しその姉を支える一番上の姉。
    三姉妹の一番下である作者の幼いころからの思い出話。
    長谷川町子氏のよりぬきサザエさん等で読んだエピソードなど満載で、
    ほのぼのした話かと読み進めると、後半は180度ぐるっと異なる。
    「だんご串」という独特の表現で、家族の一員としての悩み、姉妹間の軋轢が綴られている。この後半を読むだけでも一読の価値アリ。

  • 知らなかったサザエさん
    良く書けています
    時代背景がすごい
    お母さんも本になりそうです

  • サザエさんの作者・長谷川町子の妹のエッセイ。母と姉2人の中にあって結構抑圧された生活を余儀なくされたのかなという感じがそこここに見られる。お姉さんの町子さんはサザエさんというより意地悪ばあさんのイメージか?

  • 「サザエさん」の長谷川町子さんの妹の長谷川洋子さん(1925年福岡生まれ)著「サザエさんの東京物語」、2008.4発行です。初めてで最後の本とのことです。長女まり子さん、次女町子さん、三女洋子さん、母親の貞子さんが設立した「姉妹社」での仕事を始め、三姉妹はずっと一緒の仕事を(サザエさん)。三女の洋子さんから眺めた母親、そして姉たちの想い出を綴ったエッセイです。1992年5月、町子さんが逝去の歳、数十億の遺産相続放棄については、三姉妹串団子のしがらみから抜け出したい思いから、財産より自由とのことでした。

  • 三姉妹の三女洋子さんの眼から辿る長谷川家の歴史。
    ご家族それぞれの想いが…私なりに読み取れました。そして何だかとても癒されました。

  • 726.1

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