コンピュータのひみつ

著者 :
  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255005447

作品紹介・あらすじ

これからの時代に、ずっと使える教養を身につける。

感想・レビュー・書評

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  • 期せずして「哲学の劇場」の方の著作で、親近感。

    数字や専門用語を極力避けて、コンピュータがなぜ動くのかの原理を分かりやすく解説してくれている。なので、数字嫌いの理系音痴な私も、大枠の理解を助長してくれたかなという感覚。
    二進法で表現されているデータを、動画や画像や音楽などに変換して見立てていることが一貫した原則。その上で、厖大な演算や処理能力によって瞬間的に使っている人の欲する状態で提示してくれている。

    ハード・ソフト・プログラム・CPU・サーバなどなどコンピュータを構成する要素を分解して、個々の役割と各要素との関係を解明してくれ、ただ何となくクリックしたら開くといった直観的な理解から、具体的な構造の理解へと深化することができた。

    どうもIPアドレスとMACアドレスの区分と役割が曖昧な私ですが、なぜメールが届いたりウェブサイトを閲覧できるのか、ここに符号化したものを機械語に変換したり戻したりの専門サーバがあったりと、一つ一つは単純な機能で成り立っているのだなーとコンピュータが身近に感じるに至りましたとさ、

  • コンピュータ自体のしくみをわかりやすく説明してある本。

    おすすめの読者としては、普段PCを使っているけど具体的にPC内部で何が起きているかわからない、または考えたことがない人に特におすすめかと思われます。

    対話形式なのと一つ一つ疑問に答えながら進むので非常にわかりやすい本です。

  • 「コンピュータについて何も分かってないけど、恐る恐る使ってる社会人の代表」みたいな私が楽しめる。
    日頃の仕事の足しにはならなそうだけど笑、コンピュータのブラックボックス感が多少やわらいだ。


  • 2022.02.02
    森田真生さんの本から始まり、コンピュータを知りたくなった知識欲を持続させながら辿り着いた本。

    二進法の回路の仕組みなどはある程度分かってきたが、記憶装置、CPUの役割などさらにハードに照らしてコンピュータとは何かを知ることができた。

    終章のメールシステムの話はさらに興味深いが、これだけ上手くできたシステムを作り出した人類とは本当にとんでもない、少し怖くなる。
    パソコンは判断しているだけかもしれないが、もはや思考しているようにも思える。
    それが人工知能なんだろう。

    2010年に書かれたとは思えない良本。
    次は電子工作をやってみたくなってきた。

  • ふむ

  • 【書誌情報】
    判型:四六判正寸並製
    ページ数:352ページ
    ISBN:9784255005447
    Cコード:0095
    発売日:2010/09/08
    コンピュータのひみつ
    山本貴光 著
    定価: 1,760円(本体1,600円+税)

    <できることは無限大。では、なぜ動くか説明できますか?>
     私たちはコンピュータに囲まれています。この「究極の道具」なしには1日だって過ごせない――そんな道具を、いつまでも便利な(でも時々調子が悪くなって困る)魔法の箱のままにしておいていいのでしょうか。
     そこで本書は、「使ってるけどよくわからない」という人に向けて、「コンピュータの肝」を講義し、まとめました。なぜ“計算”で音楽が聴けるのか。そもそも、なぜ“計算”できるのか。
     ふだん使っているときの実感を手放さず、また中途半端なたとえ話でお茶を濁すこともなく。初歩から本質まで、誰にでもわかる言葉で。あなたはきっとはじめて、この道具の核心――「記憶(の書き換え)」とその「見立て」――を理解することでしょう。

     「一度自分にインストールすれば、(……)多少ソフトやハードが変化したとしても、それが再び魔術に見えてしまうことはない。そんな胆力のある、肝の据わった理解こそが、長い目で見て有効だと思います」 (あとがきより) 
     この理解は一生ものです。
    https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005447/

    【簡易目次】
    1 コンピュータがわかる、とは?
    2 コンピュータは万能の機械?
    ──宿題 コンピュータにできないこと
    3 コンピュータはなぜいろんなことができるか
    4 私たちは記憶をいじっている
    ──Q&A コンピュータの記憶について
    5 機械の中にはだれもいない
    ──Q&A コンピュータのハードについて
    6 補講 インターネットとメールの仕組み
    ──Q&A インターネットとメールの仕組み
    あとがき

    【メモ】
    著者による連続記事。
    https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/20100823/p1
    https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/20100823/p1
    https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/20100903/p1
    https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/20100907/p1
    https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/20100911/p1
    https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/20100923/p1


    『コンピュータのひみつ』(山本貴光 朝日出版社 2010)
    【目次】
    題辞 [002]
    もくじ [003-009]


    コンピュータがわかる、とは? 011
    はじめに 012
    ディジタル世代でもわからない 014
    コンピュータと、どう付き合ってる? 016
    かつてのパソコン少年 018
    ブラックボックス化 022
    パソコンのどこがわからないか 023
    「わかる」とはどういうことか 025
    「大体のことがわかる」ということ 026
    入門書を読めばわかる? 028


    2 コンピュータは万能の機械? 031
    「できること」と「やりたいこと」の比を考える 032
    潜在性 035
    用途が無限にある道具 036
    バグは潰しきれない 037
    コンピュータは「計算機」? 040
    最初は計算機を作りたかった 043
    新しい名前をつける 045
    コンピュータにできないこととは? 048
    翻訳できるか 049
    人間が指しているかのような将棋ソフト 052
    データ・マイニング 054
    コンピュータは、サイコロを作れない? 056
    「でたらめ」の作り方 058


    宿題 コンピュータにできないこと みんなの答え 061
    その1「人間にも仕組みがよくわかっていないことはできない」
    その2「コンピュータには創造性がない」
    その3「ふたつのことを同時にできない」
    その4「○○そのものになることはできない」
    その5「あまり複雑すぎることは再現できない」


    3 コンピュータはなぜいろんなことができるか 071
    コンピュータの正体とは? 072
    回路を組み替える 073
    「コンピュータにできないこと」に対する山本さんの答え 076
    コンピュータを丸裸にする 077
    ソフトウェアを消していく 079
    装置を追加する 082
    ハードウェアの限界 084
    画像データの正体 085
    16進法 088
    数字の塊はどこにある? 090
    1マスは1ビット 093
    数字の塊をディスプレイに送る 096
    「あひるうさぎ」の画像を、音で聴く 097 絵として見るか、音として聴くか 099
    絵をどうやって音にしたか 101
    数字を絵にする 102


    4 私たちは記憶をいじっている 109
    入力はどうなっている? 110
    「K」を記憶領域にしまうには? 112
    符号化 115
    暗号読解表 119
    さまざまな文字コード 122
    フォントで表示する 128
    どうやって文字を削除する? 132
    私たちは、記憶領域をいじっている 137
    アナログをディジタルにする 140
    「できること、できないこと」のまとめ 142


    Q&A コンピュータの記憶についてみんなの質問 143
    その1「なぜ記憶って言うのですか?」
    その2「どうしてフリーズするとデータが消えるの?」
    その3「動画の仕組みは?」


    5 機械の中には誰もいない 157
    ソフトの動きをよく見てみると 159
    ユーザー・インターフェイス 161
    「高速紙芝居」 163
    OSの服を脱がせる――コマンドプロンプト 165
    現在のOS(Windows)はビジュアルで見せているだけ 169
    そんなこともあろうかと 172
    見えないけど記憶している I75
    プログラムに迫る 178
    プログラムはどこにある? 179
    プログラムって、なに? 180
    あらゆる機能を備えたソフト? 182
    プログラムとソフトウェアはどう違う? 184
    プログラムとは、「前もって書かれたもの」 185
    電卓のソフトがやっていること 188
    コンピュータになにをさせたいのか 191
    機械の言葉 194
    人間の言葉 198
    電卓のプログラムを見てみよう 201
    1行目から順に実行される 204
    動詞だけ読むと単純 206
    記憶領域に名前をつける 208
    分かれ道も作れる 210
    計算と演算 211
    「判断」のためのふたつの演算 213
    関係演算 215
    論理演算 217
    ぐるぐる回る 221
    「1+3=」の例、2周目以降 224
    プログラムのまとめ 226
    通訳と翻訳 228
    そしてハードへ 232
    コンピュータの4つの主要部品 233
    CPUは、4つに分かれている 238
    CPUがプログラムを実行する 239
    「計算」をしているのは演算装置 242
    演算の正体 246


    Q&A コンピュータのハードについてみんなの質問 254
    その1「拡張用スロットってなんですか?」
    その2「クロック周波数ってなんですか?」
    その3「コンピュータが壊れやすいのはどうしてですか?」


    6 補講 インターネットとメールの仕組み 261
    インターネット以前/以後 262
    メールはどうして届くのか、その前に 264
    相手のコンピュータの記憶領域に置く 266
    どうやって特定のコンピュータにデータを送るか 267
    インターネットはバケツリレー269
    LANとWAN 270
    通信用の信号に変換する―― LANカード 275
    どうやってお互いを区別している? 277
    名前をつけるには? 279
    LANの規格――イーサーネット 281
    LANカードの製造番号―― MACアドレス 285
    PC同士をつなぐには――スイッチ 287
    WANに接続するための装置――ルーター 289
    インターネットにおける住所―― IPアドレス 291
    つながっているほうへ向けて送り出す――ルーター 295
    パケットに分ける 298
    ちゃんと届けるための仕組み―― TCP 301
    接続の仕方――ピアトゥピア型とクライアント - サーバー型 302
    セラー・ヒアラとクライアント・サーバー型 302
    サービスするためのプログラム――サーバー303
    サービスを受けるためのプログラム――クライアント 305
    どのアプリケーション用のデータなの? 306
    メールを送るサーバー ―― SMTPサーバー 308
    ドメイン名をIPアドレスに変換――ドメインネームサーバー 310
    メールを受信するサーバー ―― POPサーバー 312


    Q&A インターネットとメールの仕組み みんなの質問 316
    その1「ウェブサイトはどのように表示されるのですか?」
    その2「Google はどうやって検索しているんですか?」


    あとがき(山本貴光) [324-347]
    著者紹介 [348]

  • 昔からコンピュータが苦手だった。しかしこれについて知らなければ、今感じているこの気持ち悪さは一生取れないのではないか。
    コンピュータとは、コンピュータが当たり前になっているこの世界とは一体何なのか。
    それが知りたいと思い読んだ。

    質問と、それに対する返答という対話形式で書かれていて、疑問を一つ一つ確認しながら無理のないペースで読み進めることができた。

    特に面白かったのは、プログラムの実行を、物理的にはどのように行っているのかという話。
    電流のオン・オフによって、二進数の1と0を作る。いくつかの基本回路を組み合わせることで複雑な命令を表現することができる。回路がどういう仕組みで作られるのか、少しわかった。

    コンピュータは、様々な用途に使える潜在性を秘めた存在だが、一方ではただの「もの」に過ぎない。ただの「もの」が、どうしてこんなに高度な機能を実現できるのか。その視点が、コンピュータを理解する上では大切だと思った。

  • コンピュータについての知識を得るというより(その点でも分かりやすい書籍ではあります)、これは本文でも触れられていますが、コンピュータについて「なんでだろう」と思えるようになることがこの書籍の良いところだと思います。

  • コンピュータ業界に20年近く勤務しているため、本に書かれていることは大体知ってはいるものの、基本的な事を改めて考えると気づきが得られた。

  • コンピューターのしくみをめっちゃ知りたい!
    だけど全然知識ない!興味はとてもある!
    という人にぴったりな感じの本。
    興味、理解力がないとちょっととっつきにくいとは思うけど。

    基本情報、応用情報を持っているのでスラスラ〜と読めた!
    っていうのが理想だけど、読みながら自分がきちんと理解できていなかったところでつまづく。
    資格の勉強などを通してバラバラに勉強してきたことをひとつなぎにするのにぴったりな本。
    また時間を置いて読み直したい。
    今度はスラスラ読めますように。笑

    なぜ古いPCでDVDを見れないか
    →画面に表示するためのデータが記憶領域に入らないから

    ソフトウェアとプログラム
    →基本的には同じ。ソフトウェアはハードウェアの対比。プログラムはデータファイルとの対比。

    CPUには、さまざまな演算を実現するために組み合わされた電子回路が数千万個という単位で組み込まれている

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著者プロフィール

山本貴光(やまもと・たかみつ) 文筆家、ゲーム作家、ユーチューバー。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。著書に『マルジナリアでつかまえて』(全2巻、本の雑誌社、2020/2022年)、『記憶のデザイン』(筑摩書房、2020年)、吉川浩満との共著に『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。――古代ローマの大賢人の教え』(筑摩書房、2020年)など。

「2022年 『自由に生きるための知性とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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