- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255006611
作品紹介・あらすじ
ある日、世界中の学者のもとに届けられた一冊の奇妙な本。エッシャーの細密画、切り抜かれた単語、謎のメッセージ…犯人探しに駆り出されたロンソンは、狂気が社会に与える巨大な影響を目の当たりにして-。
感想・レビュー・書評
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衝撃的な記述もありつつ、海外の方が書かれる文章特有のコミカルさも良い味を出していてとても興味深く読み切ることができました。
月並みですが新たな知見を得たというか…
陰謀論関連の話がとくに興味深くて、じっくり読み込んでしまいました。
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衝動的に買ったわりに面白かった。サイコパステスト興味有り
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誤解をおそれずに評せば、ある意味「軽妙洒脱な」ノンフィクション。というのもタイトルにある「サイコパス」のような精神医学上の問題を主題としたノンフィクションはとかく文体が仰々しかったり、あるいは医学的な誤謬を招かないようにと慎重すぎたりするものだが、著者の持ち前の明るさと行動力、ウィットに富んだ文体のおかげでそこまで深刻に抱え込まずに読める。
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ふむ
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ノンフィクション
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サイコパスを探せ! : 「狂気」をめぐる冒険。ジョン・ロンソン先生の著書。独善的で自分勝手、自己中心的、良心を持たない残酷な人がサイコパスと呼ばれているけれど、そんなに簡単に人間が人間を評価して特定の人をサイコパスと決めつけるのは傲慢で愚かな行為なのかもしれない。ユーモアを交えながらも考えさせられる内容の一冊です。
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サイコパスについて、取材したことを書いてみた…というような本。
「DSMは使えない!」とか「サイコパスは完全な異常者!」のような、極端なことは書いてない。
「なにが正しいのかしら〜」とくらくらしたいならたぶん面白いです。
出てくる人物が強烈で、それだけでも読みものとしては楽しい。
ヘンな治療法を考えた人、陰謀論者、(元)プロファイリングの専門家など。みんなちょっとづつおかしい。
最後の方で出てくるとおり、サイコパスという言葉は
<blockquote>「そんなものは便宜的なものにすぎん。血圧の高い人と話すときには、私たちはただ高血圧というじゃないか。それは用語にすぎない。...たとえばだ、いちいち『PCL-Rチェックリストの得点が特定の基準を超えた人』と言ってもいいが、煩わしいだろう。だから私は彼らをサイコパスと呼ぶ。...どのくらいの高さが適切なのかは私にもはっきりとはわからん。研究には30あたりが都合がいいが、それが絶対というわけではない」(p331-332)</blockquote>
絶対というわけではなく、グラデーションであり、みな少しづつサイコパス的要素を持っているということなのだと思います。
ちなみに、ぼくの自己採点は8点だった。スコアが高い人とお付き合いできるか?と言われたら、個人的には遠慮したい。
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<blockquote>「「それと金色ですね」と私は言った。「金色のものがたくさんここにはある」
金色については予習済みだった。最近、彼が金色のネクタイを締めて金色の椅子に座り、ドアのそばには金色の鎧兜、マントルピースの上には金の十字架が飾られている写真を見たのだ。
「ふむ」とアルは言った。「金は輝いているからな。ほら、鮫だ」」(p185)</blockquote>
なんだ。このやりとりは
<blockquote>「「犬は所有物だ」とボブは説明した。「犬というのは、いい犬の場合、非常に忠実だ。奴隷のようなものだろう?彼らは主人の要求どおりになんでもする。だから、飼い犬が死んだとき、彼は泣きはらしたのだ。猫が死んでも、彼は泣くだろうか?」」(p203)</blockquote>
猫を飼ってる人はサイコパスの可能性が低い。たぶん。ぼくは犬がきらいだからこの文章読んでも何にも感じませんでしたけど、犬好きの方はどうなのでしょう?
<blockquote>「「ジョン、つまりそういうことなんだよ。誰もがみんな、ちょっとサイコパス的なのさ。あんたもそうだし、おれもだ」」(p326)</blockquote>
そうなんだよジョン -
これでサイコパス診断ができる。
けどサイコパスに限らず精神病などのチェックリストで人を分類してしまうことの危うさは念頭に置かなければならない。
身近なあの人にもサイコパスの程度は弱くとも要素はあるな、なんて思って読んだ。