- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255012025
作品紹介・あらすじ
夏井いつきの第二句集、装いを改め、復刊。
40代の句、400句を収録。
この十年は、師から学んできたことを自分なりにどう昇華していけばよいか、考え続けてきた年月だった。憧れに縋りついているだけでは不甲斐ない弟子で終わってしまう。そんな己のひそやかな決意を師の前に差し出す400句。今回の句集はそんな緊張感に満ちた一冊でもある。
つながれぬ手は垂れ末黒野の太陽 いつき
さまざまな出会いの中で紡ぎ出される俳句もあれば、俳句から生まれる出会いもあるのだと知った。人や花や草や鳥や風や雲やさまざまなものたちとの出会いが、私の中でどんな言葉として結球していくか。これから始まる50代もたっぷり楽しみたいと思う。
(「あとがき」より一部抜粋)
【目次】
梟
愛国
寓話
口火
百年
あとがき
感想・レビュー・書評
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夏井いつきさんの40代の400句をまとめた第二句集
相変わらず俳句については迷路の中をあっちへ行ったりこっちへ戻ったりしている私
このような俳人の方の句を読むと、俳句は、世界最短の文芸であると納得する
実体験でしか俳句を作れない初心者の私は、ただただ
ため息ばかりだ
「文芸上の真」と大俳人水原秋桜子氏も言われたとか
優れた詠み手にはなれなくとも優れた読み手になりたいと常々思っている
400句の中から私が理解できたというか気に入った句を少し
風花も独楽もひかりとなりたがる
泪より少し冷たきヒヤシンス
水銀のごとき空ある枯野かな
氵(さんずい)になりたがってたのは白魚
さくらさくら薬師如来の頬たぷたぶ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「プレバト」を何年か前から見ている。
有名人の方々の俳句を夏井いつき先生が採点、必要があれば添削するのだけれど、ちょっと言葉の順番を入れ替えたり、助詞を別のものにするだけで劇的に素晴らしい俳句に生まれ変わるのを見て、いつも感動していた。
では、先生が一から作った俳句はどんなものなのだろう、と非常に興味を持っていたところ、この句集の存在を知って。
四十代の頃の四百句ということ。
「一句の中にいろいろな情報を詰め込みすぎてはいけません」といつも言っていることがとてもよく分かった。
五七五の小匣の中に、言葉がふんわりと盛られている感じ。
窮屈でないから、言葉も気持ちが良さそうだ。
文字だけなのに、BSPで時々放送している「映像詩」を観ているような気分になる。
どういう意味で書かれているのか私にはわからないものもあったが、わからないなりに良い。
この句集を評価するのはおこがましいのだけれど、素敵な気持ちで読みました、ということを他の人に伝えたいので、星五つつけさせていただきました。