一人飲みで生きていく

著者 :
  • 朝日出版社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255012490

作品紹介・あらすじ

「いいですよ、一人飲み。人生が変わりますよ!」
―「ほんとですか?」

人見知りでも、話がうまくなくても、いいお店を知らなくても大丈夫。
「持たない暮らし」でおなじみイナガキさんが会得した、一人でも楽しく飲み食べるための振る舞いかた。「一人飲みの極意12か条」も収録!
初めての店に入り、カウンターに座る。それだけで、あなたはもう一人ぼっちではない。


気が向いた時に一人でふらりとどこかの店に入り、行きずりの人たちの中に紛れ込んで、周囲にそこはかとなく受け入れてもらい、自分も周囲の人を受け入れながら、ただの無名の人間としてリラックスしてその時間を楽しむだけである。

それだけで、腹も心も十分満たされるはずだ。自分は一人だけど一人きりじゃないんだと、腹の底から感じることができるはずだ。というか、人付き合いなんて、人生なんて、案外それで十分なんじゃないだろうか。インスタのフォロワーがゼロだろうが、フェイスブックの投稿に誰も「いいね」を押してくれなかろうが知ったことか。隣の見知らぬ酔っ払いと一瞬会釈し、ひと時の暖かい食事の場を共にすることさえできれば、案外その後しばらく元気に生きていけたりする。それがわかれば、人生は随分と楽チンである。
(本書より)


「一人飲みの極意12か条」(抜粋)

・一人客用の席に座るべし
・間が持たなくなってもスマホをいじってはいけない
・最初の酒は素早く注文すべし
・食べた(飲んだ)後は、店の人に感謝を込めてひとこと感想を伝えるべし
・まずは、カウンターの向こうにいる店の人と会話を始めるべし ほか・・・・


スマホの向こう側の誰かじゃなく、目の前の人と繋がる術。
仕事帰りに、出張先で……いい感じの店で飲みたいと思っても勇気が出なかった私。一念発起し目指すは「車寅次郎」、失敗をしながらも、店になじみ歓迎される「一人飲みの作法」を見いだすうちに気づいたのは、一人飲み=社会に自分の居場所を作り出すコミュニケーション術だということ。大金も情報も人脈もない、ただの私のままで受け入れてもらうには。世の中で孤立しないために、誰でもできる身近な解決法を伝える一人飲みエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 一人で生きて行くことを選んだ著者の、『一人飲み』修行が描かれた作品。ちょっと興味は覚えたが、自分が実行するにはハードルが高すぎる、と感じた。

  • 著者の稲垣えみ子さんが一人飲みできるようになるまでの体験談を元に、お店の選び方から注文の仕方、お店の人や周りのお客さんとのコミュニケーションの仕方など、"一人飲みの極意12か条"が紹介されている。

    一人バーデビューを目標に掲げつつ、コロナもあり何年も実践に移せずにいた自分に取って、この本はバイブルになりうるのでは、と読み始めたところ、稲垣さんでも初めは何度も躊躇したこと、また、コロナ禍でも開拓し続けて出版にこぎ着けたことなどを読んで、少し元気をもらえた。
    私もがんばって、一人飲みデビューするぞー!

    • 傍らに珈琲を。さん
      lisainuさん、こんにちは!

      いいですよー一人飲み 笑
      一時期、仕事終わりに1人でサクッと寄れる常連店がある人に憧れて、幾つかそんな店...
      lisainuさん、こんにちは!

      いいですよー一人飲み 笑
      一時期、仕事終わりに1人でサクッと寄れる常連店がある人に憧れて、幾つかそんな店を見付けて楽しんでおりました。

      その中の1つが、ご夫婦で営んでおられる、カウンターもある小さなイタリアンなのですが、
      そこの常連のご婦人が赤ワインを片手に読書しておられて。
      こっそり真似してみましたが、クルクルしてしまって無理でした 笑

      あとはね、友人が常連客であったバーにも連れていって貰ったのですが、そこも楽しかったな~。
      終いには友人ナシでも1人で行けるようになって。
      友人のツテでお知り合いになれた他の常連のお客様とも仲良くなれて、好きな音楽についてあーでもないこーでもないと語り合ったり。

      1度試してしまうと、そんなに力まなくてもサラッと寄れるようになれるかもです。
      普段の仕事も、住んでる場所も、お互い知らないのが心地好く、初対面なのに渾名で呼んだりして(本名はしらず)、それがかえってホッとできたりして。

      楽しい一人飲みデビューができますように♪
      2023/08/09
    • lisainuさん
      傍らに珈琲を。さん、メッセージ、ありがとうございます!

      カウンターでワイン飲みながらの読書、憧れますね。
      益々、一人飲みへの思いが高まって...
      傍らに珈琲を。さん、メッセージ、ありがとうございます!

      カウンターでワイン飲みながらの読書、憧れますね。
      益々、一人飲みへの思いが高まってきました。
      2023/08/09
  • 著者が編み出した一人飲み(一人で飲み屋に入って、店主や他の客とのちょっとした触れ合いを通じて、くつろいだ時間を過ごすこと)の極意・奥義は、「忍法スーハーの術」と「三角対話」(笑)。「忍法スーハーの術」は、自己主張を控え、呼吸を整え、心を静め、周りを観察すること、「三角対話」は、店主を通じた会話のキャッチボールをすることなんだって。

    そういえば、一人飲みってしたことないな。一人で食事をとることはままあるけど、一人で飲むなら家飲みになっちゃうよな。「一人飲みしたら人生変わる」って言うから、チャレンジしてみようかな。

    相変わらずにリズミカルでビビッドな文章が読んでいて心地いい。そして読むほどに日本酒が飲みたくなる本だった(今お酒を控えているのです)。著者のお好みは熱燗かあ。

  • ひとりは気楽でいいけど孤独を楽しめることが条件

    男性の一人飲みは風景の一部だけど、女性はそうならずいつも何か浮いているようだ。

    この本で改めて感じたのは、マイペースでありながらも場所や人に配慮が必要だということ。
    これが身につけば大抵は楽しめるし上機嫌でいられる。
    最後にひとつだけいうなら、上機嫌は自分は同じように行動しても周りが違うことがあるということ。
    タイミングのずれや、ちょっとした気持ちの違いから、いつもと同じようでも違う時があって、楽しめない時もあるのだと自覚すること。
    それができれば、この本のように楽しくひとりの時間を過ごす術が身につく。

    いつの世も受け入れてくれる場所あっての自分なんだとつくづく感じました。

  • 他者と呼吸合わせ 『一人飲みで生きていく』 フリーランサー、元新聞記者・稲垣えみ子さん(56):東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/139829?rct=book

    「最初の酒は素早く注文すべし」人生が変わる「一人飲み」12の極意 『一人飲みで生きていく』 | BOOKウォッチ
    https://books.j-cast.com/topics/2021/09/17016063.html

    一人飲みで生きていく | 書籍 | 朝日出版社
    https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255012490/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      著者インタビュー「一人飲みで生きていく」稲垣えみ子氏|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com...
      著者インタビュー「一人飲みで生きていく」稲垣えみ子氏|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/299807
      2022/01/13
  • お酒は飲めないけれど、一人で気軽に行けるお店は欲しい。

    ランチやカフェは一人で入っていたが、コロナ禍で全く利用できず。未だに再開するのは少し怖くて躊躇している。
    けど、常連さんになっていたら、お店を応援する意味もあって、頑張って行っていた気もする。

    私の場合、お店の人には認識してもらいたいけど、お客さんとの交流はいいかな。
    独り飯がしやすい気軽なお店を探すことができる世の中に早くなれ~

  • 一人飲みが世の中に定着し始めた後のコロナ禍な訳ですが、この本を読むと一人で行動する事の大切さをひしひしと感じます。
    というか僕自身一人飲みに憧れる一人でありまして、何度も常連になろうと試みたことが有ります。そんなに飲みに行く機会も無いので、常連になるなんて夢のまた夢ですが。
    一人でふらっと店に訪れて、さっと飲んで爽やかに去っていく。それでいて店からは大事にされている。他のお客さんとも適度なコミュニケーションを取って楽しく談笑。
    こういう人に僕もなりたい。

  • #読了
    #一人飲みで生きていく
    #稲垣えみ子
    電気とガスを使わない暮らしの記事を見かけて著者のことを知り、本屋でこの本とタイトルに惹かれた。お酒は好きな方で自宅一人飲みがほぼ。たまの空き時間に一人でふらっとクラフトビール飲んだりするけどソワソワするので本書は学びあり!

  • 大好きな稲垣さん。一人飲み、ほんっとうに興味がある。俄然やってみたくなった
    リラックスして肩の力を抜く。こうフラットな雰囲気を醸し出すことって難しいよね〜スマホに逃げないようにぐっと我慢する、人の話をジャッジしたりしない(思ってることは案外オーラで伝わってしまう)すごく参考になった、行きつけの店作りたい…!

  • なんだかひとり飲みにたどり着くまでの過程がエゴ?との戦いで大変そう^ ^
    中盤にある「秒つまみ」が簡単で美味しそう。

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著者プロフィール

一九六五年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、二〇一六年に五〇歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る。『魂の退社』『もうレシピ本はいらない』(第五回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞受賞)、『一人飲みで生きていく』『老後とピアノ』など著書多数。


「2023年 『家事か地獄か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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