春いちばん(賀川豊彦の妻 ハルのはるかな旅路)

著者 :
  • 家の光協会
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本棚登録 : 101
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784259547790

作品紹介・あらすじ

2022年度新田次郎賞受賞
玉岡かおる氏 新刊

神戸のスラム街に住み、弱き立場の人のために闘い、
ともに生きた女性。その生涯を綴った感動小説

大正から昭和にかけて、貧困・男女格差・労働者搾取など数々の社会問題に夫とともに立ち向かった女性、ハル。
夫はノーベル平和賞の最終候補にもなった社会活動家、賀川豊彦です。
第一次世界大戦、関東大震災など、激動の時代を社会の底辺にいる人々のために闘ったハルの波乱万丈の生涯を、玉岡かおる氏が詩情豊かに描きます。

川崎造船所社長などの神戸の名士たちや与謝野晶子、平塚らいてうといった実在の人物も多数登場。
夫婦の社会運動のよってスラム街が一掃され、神戸の美しい街なみができるに至った近代史が、ハルの人生を通して鮮やかに蘇ります。

感想・レビュー・書評

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  • 神戸の主婦は現在のCo-op以前の生活協同組合を「生協さん」と呼んできた
    身近でよく知られた創始者「賀川豊彦」
    店に入ると「一人は万人のために万人は一人のために」と書かれている
    でもその妻の名前を知る人はほとんどいない
    小説に出てくる「新川」も「こわいとこやから絶対に行ったらだめよ」と言われてきた

    ここまでの献身ができるのだろうか
    胸が痛くなった

    ハルの過酷な人生を追い、出会い直させてくれた玉岡かおるさん、ありがとうございます

    彼女は地域の様々なイベントにも協力的で、たまにお目にかかります

    実在した女性にスポットを当て、いきいきと描いてくれる小説、期待しています

    ≪ 冬を耐え 時代のうねり 春いちばん ≫

  • 【書評】 『春いちばん――賀川豊彦の妻 ハルのはるかな旅路』 玉岡かおる - キリスト新聞社ホームページ
    http://www.kirishin.com/book/58204/

    小説「春いちばん」刊行にあたり: 玉岡かおる掲載紙紹介
    http://image.tamaoka.info/article/492342478.html

    Top | knyn
    https://www.kanekoyukiyo.com

    詳細|書籍|一般社団法人家の光協会
    https://www.ienohikari.net/book/9784259547790

  • 大正から昭和にかけて活躍した運動家、賀川豊彦の妻、ハルが主人公。賀川は共済組合運動、労働運動などを展開し、関東大震災では現地で救援活動を行った。大正時代に出した自伝はベストセラーに。事業でえた資金はすべて救済に使ってしまう。そうした夫に出会うまでの少女期と出合ってからの20~30年を描いている。ほとんど知られていないハルを小説で肉付けしてリアルに描いた。

  • 初読。図書館。すみません、ご夫婦とも知らなかったです。昭和57年、94歳で亡くなられるまでハルさんが生き抜いたのは激動の時代であったが、その中でも夫に従って自ら選んで過酷な道を戦い抜いた人生だった。暴力に頼らずに平等を追求する理想には、こんなにも多くの障害が立ちはだかるのかとあらためて思い知り、そんな苦境にあっても決して理想を捨てない強さに驚嘆した。玉岡さんが他の著書で描いた人たちも登場して、歴史の重なりを味わった。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566635

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著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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