こんなときオスラー:『平静の心』を求めて

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260036924

作品紹介・あらすじ

オスラー没後100年。医師はより複雑化する日々の臨床の中で、患者・医療スタッフとの間で、また勉強法や進むべき進路について、多くの悩みを抱えている。本書は、「こんなときどうすればよいか。どう考えればよいか」という医師の悩みに対し、臨床経験豊かな3人のジェネラリストが、『平静の心(Aequanimitas)』のオスラーのパールを用いながら、今に生きる知恵を伝授!悩み多き医師に捧ぐ珠玉の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • ベッドサイド教育の父であるウィリアム・オスラー医師と、オスラー流の医療を日本に広めた日野原重明先生を敬愛する、日本のトップランナー医師3名の共著。

    一言で言えば、「医師の自己啓発本」だった。

    御三方の講演を以前拝聴したことがあるが、みなさま本当に素晴らしい先生で、本書にはかなり高い期待を寄せて読み始めた。

    期待を超える学びがあり、「平静の心」を読みたくなった。
    効率や正確性が求められ、人間同士の対話という要素が医療の発展とともに薄れている現代において、医療人が目指すべき方向性、そしてあるべき姿について学ぶことができた。

    新しいことを日々学び、できることがどんどんと増えてくる初期研修医は、何でもできると気が大きくなってしまいかねない。そこにオスラー先生の言葉が沁みる。

    病気はそもそも不確実な自然現象であり、完全に攻略はできず、だからこそ、最も必要なのは一人一人考え方の違う患者さんに対して謙虚な気持ちを持つことだと学んだ。

    余談だが、付録で徳田先生と山中先生が容赦無く英語の医学文献をオススメしてきて、やっぱり英語やるか〜っと思った。

  • 医師精神注入本。迷ってる人ほど読んでほしい。

  • 考えて読書をする

    偉大な精神の持ち主が書き残した記録、自然と人為的なものとが美しく調和した環境、仲間である人間の良し悪しがわれわれに及ぼす影響が教育し、精神を形成する

    理髪店の看板の赤、青、白は動脈、静脈、包帯を表し、理髪師が過去、外科の仕事を兼ねていた

    何を教えるかよりもいかに教えるか

    学問はただ読書するだけのものではない。それを実際に生かすこと。生かせない学問は学問でないに等しい。

    芸術、科学、文学の世界との接触を持つのに役立つ知的な気晴らしを持つ。

    己の欲するところを人に施せ(黄金律)

    たとえ成功しても謙虚な心を持ち、慢心することなく友人たちの愛情を受けることができ、悲しみの日が訪れたときには人間に相応しい勇気をもって事に当たることができるような平静の心を培うこと

    内なる心の教育
    心を揺さぶるような生き方をした人々の書物を読むこと

    人から嫌われようと、自分が本当にやりたいことを追求する勇気が必要
    狭い殻に閉じこもるのではなく、より大きな社会のニーズに応えるために行動を起こすことは価値あること

    常識にとらわれず、変化を楽しみ柔軟に乗りこなしながら成長していくニューエリート

    人と争わず、すべてに博愛の心を持ち、実行に移すこと。
    愛の心

  • オスラー先生はまさに今日の医師の礎を築いた偉人というのがよくわかりました。患者の詳細な観察と病理学への精通によって、肺炎や感染性心内膜炎、遺伝性血管腫の概念を提唱し、医学教育を講義室からベッドサイドへうつし、聴診器を改良し、公衆衛生にも参画するなど、医学への貢献は計り知れない。一人の人間がここまでできるのかと、自分が恥ずかしくなる。生き方としても「人生は習慣である」「未来は今日であり、明日は存在しない」など今の生き方に通ずるものがある。「平静の心」も読まねば

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