精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本 "横綱級"困難ケースにしないための技と型

著者 :
  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260039529

作品紹介・あらすじ

病院以外の場所で支援する人が、対人関係的な困難さを乗り越えて、利用者を自立、卒業へ導くための具体的ノウハウ。在宅時代に必須のテキスト。

感想・レビュー・書評

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  • 技1
    「訪問看護の説明に来た」ことを明確に説明
    何のために私がここに来たか伝える

    技2
    なぜ面接を受けようと思ったのかを尋ねる
    拒否されても目の前の本人と付き合った事実がある
    「なぜ今日、訪問看護の話を聞いてみようと思ったのですか?」

    技3
    周りの人がなぜ訪問看護を勧めたのか考えてもらう
    「主治医から家族から勧められた」
    「訪問看護受けないと入院といわれた」
    そのままを受け止めると主体性が失われる
    「なぜ周りの人が勧めていると思いますか?」
    「周りの人が勧めた結果、あなたが面接を受けようお思った理由は何でしょうか?」
    本人の言葉と主体性を立ち上げる

    技4
    病名、症状として捉えていること、治療を聞く
    自分をどう捉えているのかを知る
    本人の語った症状を幻聴、妄想、躁状態などと勝手に言い換えてはいけない
    本人の言葉をそのまま使い共有!
    アセスメントではなくワードを使う
    その上で
    「治療に関してどのように感じているか」
    本人の考えに沿って対話

    技5
    症状として捉えていること、生活の困りごとに分けて聞く
    こちらから見える事と本人の困りごとと捉えている事は違う

    技6
    入院までのプロセスを聞く
    本人が事実を、どう捉えているのか知る
    次に、「生活の中で普段はやれるけれども、調子が良くない時はやれななることはどのようなことでしたか?」
    入院前の生活を確認
    生活の支障を聞く

    技7
    生活への支障を、紙に書いていく
    一緒に考えサインに気づく
    どのように対処すると効果があるのか一緒に見つけていく

    技8
    生活の支障にどう対処してきたのかを聞く
    「生活への支障が現れた時はどのような生活を送っていましたか?」
    「どのように時間をやり過ごしていたのか」
    その対処が本人の希望き、つながる対処として機能しているか

    技9
    生活の中で楽しみに感じる行動を聞く
    調子が良い時は楽しみに感じる行動
    希望にベクトルを向けた活動が増えていく

  • 自宅と通院で行き詰まり、ヒントにならないかと思い購入。
    先々を見て、自立を目標にして作業所利用中ですが家庭は休む所でもあり、難しく感じました。

  • 「訪問看護ステーションみのり」の統括所長である著者がまとめた支援の指南書。試行錯誤を繰り返しながら導き出したノウハウが網羅されている。

    支援者への専門書でありながら、ぼくのような訪問看護を受けている側が読んでも読みやすく勉強になる一冊だった。ぼくは全般性不安障害を治療中。病気のケースの中にはなかったものの、支援者と利用者のやり取りに「これ自分かも!」とドキッとさせられるシーンも多々あった。支援困難なケースも具体的に対応策が書かれていて読み応えがある。

    その支援は利用者の自立へと繋がるか?という部分が重要なんだなと。利用者としては何とかしてくれると受け身になりがち。でも、あくまで利用者が自分の専門家になり、対処していくのが目標地点なんだよね。支援者の対応策が書いてあるということは、利用者にとってもこの本がよき相談相手になるということ。少しずつ実践していきたい。

    目に見えない精神症状を生活に落とし込んで可視化する発想もなくて新鮮だった。ぼくの場合だと不安に囚われてぐるぐると悩んでしまいがち。その思考をどうにかしようと、さらに悩んで悪循環になってしまっていた。それを生活での困りごととして対応可能なものに変え、分析していくことの大切さを知ることができた。無意識下でしていたり、自分では気づきにくい部分も多いと思うので、訪看さんと情報共有しながらやっていきたい。

  • 私の訪問看護のバイブル

    型を真似、実践し、リフレクションする

    徐々に身についてくる

  • とても分かりやすくて参考になりました。
    自立した生活は、自己決定、自己責任から成り立つことを利用者に理解できるように支援することが大切だということがよくわかりました。
    助けてあげなければ、、といった温情主義では、本当の自立支援にはならない。障害と向き合いながら、その人らしく生きる術を教育的視点で支えることが支援者の仕事なのだと思いました。

  • 病院と自立の中間にいるグレーゾーンの方々の生活支援の仕事を始めましたが、右も左も分からず振り回されてばかりの状態。この本で当事者にいかに自分に責任を持って暮らしていけるようになってもらうかが大事で、そこを事例により具体的にどう導いていったらいいのか知ることができました。久しぶりに何度も読み返したい本に出会いました。ありがとうございます。

  • とても勉強になった。
    良かれと思って、相手の自立を妨げていることが沢山あると思った。
    特にイネイブリングはよくやりがちだった。
    特に家族や身近な人の場合、色々先回りして相手が困らないようにしている場面が多々あるように思う。本人の責任は本人に返す。
    一見冷たいようだけど、長い目で見て本人のためになる行動を心がけたい。

    また、本人がいつも暴れたり感情が抑えられなくなってるいるわけではなく、本人なりの工夫でやり過ごせている時間もあるはず。
    ただそれが無意識に行われているので、それを言葉にして意識できるようにする。

    自分の感情との付き合い方にも、役に立つことがあったと思う。

  • なぜ周囲はあなたを入院させたのだと思いますか?
    →主体性が出る

    自然とやっていた「工夫、対処法」を言葉にして気づいていく
    →できていることに気づき、前向きさを取り戻せる

    転移、人間関係の再現グセを事実として理解して、今ここからとは切り離していく。

  • 訪問看護での具体的な状況に即した対応が書いてあるが、他領域でも使える対処法が学べるもの。
    感覚で理解していた部分を言葉にしてくれてる。

  • 精神科訪問看護としての役割が整理されていて、事例を通して地域支援のヒントもたくさん書かれています。「どうしてそうするか」の説明を省かず丁寧にすることが、自立支援に繋がると改めて感じます。

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著者プロフィール

1977年生まれ。精神科認定看護師。WRAPファシリテーター、Family Work Practitionerの資格も保有。2019年4月、全国に13カ所ある訪問看護ステーションみのりの統括所長に就任。現在は家族支援に力を注ぎ、メリデン版訪問家族支援を実践している。また、YouTube「TOKINOチャンネル」ではメンタルヘルスの情報を積極的に発信中。著書に『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本 "横綱級"困難ケースにしないための技と型』(医学書院)がある。

「2023年 『人生をゆるめたら自分のことが好きになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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