砂のゲ-ム: ぼくと弟のホロコ-スト (新しい世界の文学 4)

  • 岩崎書店
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265041749

感想・レビュー・書評

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  • ホロコーストを体験した著者の、子ども時代を中心とした自伝。
    意外に暗くないのはいいとしても、作家の書いたもののわりには臨場感に欠ける感じ。素直に書けばこうなるのかもしれないし、色々差し障りのあること(父との関係、自分の結婚など)は書けない、あるいは書きたくない事情があったのかもしれない。
    それにしてもちょっと物足りない。
    どんな困難な状況も、想像力があれば、子どもは乗り越えられるということは、強く感じた。映画の「マイライフ・イズ・ビューティフル」や「戦場の小さな天使たち」「禁じられた遊び」を思い出した。
    しかし、もう少し書き込んで欲しかったな。
    少し前に『ハイファに戻って』を読んで故郷を奪われたパレスチナ人の状況を知ったので、「ハイファ」がここにも出てきたとき、ではユダヤ人はどう感じたのかが、子どもの目線でも書かれているかと思ったが、相変わらずあっさりとした記述しかなかった。
    ポーランドに生まれ育ち、ゲットーから強制収容所を経てイスラエルに移住したユダヤ人作家なら、イスラエルとパレスチナの問題をどう考えているのか、示して欲しかった。政治的なことを抜きにしても。パレスチナの子どもたちが、かつてのユダヤ人の子どもたちのように、爆撃に怯えて暮らしているんだから。児童文学の作家なら、子どもにわかる言葉で平和な世界にするための思いを書いて欲しかった。

  • 図書館にて立ち読み。

    映画や本に載っていた事が現実に起きている。弟とのゲームを最初は純粋に楽しんでいたけど、徐々に現実逃避の対象に変わっていった感じがして、とても生々しい。どれだけ怖かっただろうと思う。

    所々詳細な記述が抜けているのが少し気になった。
    「当時を思い出すと思考が子供の頃に戻り、文章も稚拙になってしまう」と自身を戒めるようなことを書いていたので、当時の感情と葛藤しながら書いているのかな。

    「ユダヤ人は母国を決めないと生きていけない。」
    世界中に散らばったユダヤの人達の数だけ、そこに至るまでのドラマが沢山あるんでしょう。

    路上で物乞いをする子供に、自身が物乞いをしてお金を集め、それを渡したというエピソードが印象的。

    恩人のおばさん、母の死、父との確執

  • 私はずっと、自分をハラハラドキドキする冒険の主人公のように思っていた。まわりで人が殺されても、主人公には悪いことは起きない、だって、自分が主人公を演じている物語だもの、かならずハッピーエンドになると私は信じていた。
    ある日私は、この戦争とぎゃkス厚は現実ではないという物語を作った。夢を見ているに過ぎないのだ、と。

  • 裕福なユダヤ人医師の家に生まれたウーリー・オルレブと弟は、第二次世界大戦勃発後、まずゲットーに隔離され、母親が殺されたあとポーランド人区に逃れてかくまってもらい、それから二十二か月をベルゲン・ベルゼン強制収容所で過ごした。どんなときにも空想と冒険の心を持ちつづけ、ホロコーストの時代を生きた兄弟の物語。国際アンデルセン賞受賞作家の自伝的名作。

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