戦火のなかの子どもたち (創作絵本 14)

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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265909148

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にてお借りした一冊です♪

    ちひろさんの代表作ともいえる作品で、彼女の遺作ともなる本書は私の記憶に刻まれる一冊となるでしょう。

    私たちに平和と人間性の尊さを思い起こさせる作品です。

    戦争という人類の悲劇の中で無垢な子どもたちがどのように影響を受けるかを深く掘り下げています。
    この作品は、戦争の恐ろしさと子どもたちの純粋さという二つの対照的な要素を通して、平和の大切さを訴えかける力強いメッセージを持っています。

    絵本の中では、ちひろさんの繊細で温かみのある画風が、戦火の中にある子どもたちの表情や姿を通して、読者に強い印象を与えます。
    彼女の絵は、言葉を超えた普遍的な感情を伝えることができるため、国籍や年齢、言語を問わず多くの人々に共感を呼び起こすことができます。

    また、ちひろさんは自身の体験を作品に反映させており、彼女が子ども時代に経験した第二次世界大戦の記憶が、ベトナム戦争を生きる子どもたちへの深い共感となって表れています。
    この絵本は、単なる戦争の記録ではなく、戦争がもたらす苦しみや悲しみを超えた、生命の尊厳と平和への願いを描いた作品です。

    この絵本は現代社会においてもなお重要な意味を持ち、ちひろさんの表現が読者の心に訴えかけます。
    また、戦争という極限状態の中での子どもたちの純粋さや、平和への願いが今日の私たちに教訓を与えてくれます。

    最後に、『戦火のなかの子どもたち』は、戦争の悲惨さを伝えるだけでなく、平和への希望と子どもたちの未来への願いを描いた、いわさきちひろさんの遺産とも言える作品です。

    1. 戦争の悲劇と子どもたちの純粋さ

    この絵本は、ベトナム戦争の末期に制作されましたが、戦争の恐ろしさと子どもたちの純粋さという二つの対照的な要素を巧みに描いています。
    飛び立つ爆撃機の下で遊ぶ子どもたちの姿は、戦争の現実と彼らの無垢な心を対比させています。
    ちひろさんは、子どもたちの表情やくちびる、その心までが世界中で同じであることを強調しています。

    2. 平和への願い

    ちひろさんは自身の体験を作品に反映させており、第二次世界大戦の記憶がベトナム戦争を生きる子どもたちへの深い共感となって表れています。
    彼女は「戦場にいかなくても戦火のなかで子どもたちがどうしているのか、どうなってしまうのかよくわかるのです」と記しています。
    この言葉は、戦争の悲劇を超えて、生命の尊厳と平和への願いを伝えています。

    3. 現代社会へのメッセージ

    『戦火のなかの子どもたち』は、現代社会においてもなお重要な意味を持っています。
    私たちは平和を守り、子どもたちの未来を守るために何ができるかを考える必要があります。
    この絵本は、私たちにその問いかけを投げかけています。

    最後に、ちひろさんの作品は、戦争の悲劇を伝えるだけでなく、平和への希望を描いた遺産となっています。
    私たちは、彼女のメッセージを胸に、平和を築くために例え一人一人の力は小さくても行動し続けることが大切だと気づかせてくれます。



    <あらすじ>
    ベトナム戦争の末期に制作されました。この絵本は、日本から飛び立つ爆撃機がベトナムの子どもたちの頭上を飛び交う現実に心を痛めたちひろさんの、平和への強い願いが込められています。彼女自身が体験した第二次世界大戦の記憶とベトナムの子どもたちへの思いを重ね合わせながら描かれた作品です。絵本の中で、ちひろさんは「戦場にいかなくても戦火のなかで子どもたちがどうしているのか、どうなってしまうのかよくわかるのです。子どもは、そのあどけない瞳やくちびるやその心までが、世界じゅうみんなおんなじだからなんです」と記しています。この絵本は、ちひろさんが亡くなる1年前の1973年に完成し、彼女の最後の作品となりました。



    本の概要

    ベトナム戦争で死んでいっただ子どもたち、生きぬいてきた子どもたちへの熱い思いがこめられた絵本。いわさきちひろ最後の絵本。

  • 絵が全てを物語っている。
    子どもたちの目が全てを語っている。
    あんな目を子どもにさせていいわけがない。
    心に刺さってくる絵本。
    でも娘たちにはあまり伝わらなかった。
    やっぱり戦争を知っている世代が亡くなって戦争が身近ではなくなったということなんだろうか。
    うちの子だけじゃない、日本中の子供達に戦争のこと、ちゃんと知っていてほしい。
    どんなに悲しくて苦しくて恐ろしいか。

  • ▼ちひろ美術館で読みました。

    ▼要は<戦火の中の子供たちの、色んな情景をイメージした絵本>なんです。さしたる縦軸の「物語」が有るわけではなく。敢えて言えば随想やエッセイに絵をつけた、みたいな。ただ、この形式が、ひとつひとつの絵の破壊力みたいなものを実に際立たせています。

    ▼コンセプトとか雰囲気は、やもすれば <うーん、主題先行ぽいなあ> <おしつけがましい教育的なやつ?> という感もあります。なんだけれども実際に読んでみれば、小説の「火垂るの墓」もそうですが、 「そんな浅はかな偏見で、読まずに済ますのは、何と勿体ない……主題どうこう以上に絵本というモノとしての圧倒的な力が…もはやひれ伏すしかない…」 という感じでした。パチパチ。いやもう脱帽です。

  • 〝戦場に行かなくても戦火の中で子どもたちがどうしているのか、どうなってしまうのかよく分かるのです。子どもたちは、そのあどけない瞳や唇やその心までが、世界中みんなおんなじだからなんです〟・・・画家で絵本作家の<いわさきちひろサン(1918-1974)>が、ベトナム戦争(1964-1975)の戦火に晒され心に深い傷を負った子どもたちへ、自らの戦争体験をふまえて描いた作者最後の絵本。 戦災犠牲者があとを絶たないウクライナでの戦争終息が覚束ない今、「人間の良心の在り方」をあらためて問われる画集です。

  • 言葉と絵の一つ一つがとても強い感情を放っているように感じた。特に悲しみは余りに重い。岩崎ちひろさんの美しく淡い絵は、子の命をそのままにデフォルメせずに表しているようにも思う。

  • 絵本の森美術館にて

  • 岩崎 ちひろ (著, イラスト)

  • 子供の表情が素晴らしく描かれてる‼︎

  • ベトナム戦争、第二次世界大戦、シクラメンの花


    文字は少なめ
    絵がメイン
    スケッチブックのような

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