宮崎駿の原点―母と子の物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267016530

作品紹介・あらすじ

初めて明かされた子供時代のエピソード。作品の底に隠された母への想い。ファン必読のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 大泉実成。水木しげるに関する本で見知った人の、たぶんそこまで思い入れたっぷりというわけではない、お仕事。
    そのぶん雑念や雑音が少なく、すっきりした論旨だ。
    駿自身が残した記事に加え、長男の宮崎新へのインタビューを行い、少年期青年期について整理。(鈴木によるフカシを排除)
    作品に母がどう影響しているか、作品を通じてどう影響が展開したか、を書いている。
    既知の挿話も多いが、そこそこ未知の挿話もあり、新たにスポットを当ててくれた事柄もあり、読んでよかった。

    ・松川事件を巡って駿22歳と母(人間は仕方ないものだ)が対立、駿は泣いて議論した。
    ・中国のなんてことのない場所で、母親に抱かれた小さな女の子を見て「あっ、おふくろだ、こんな所に生まれかわっている、よかったな」。
    ・助けてという声を聴き留めたが無視して車に乗っていた少年、という有名な挿話は、兄へのインタビューをすると記憶違いがある。父親による救済への叫びという事実→母親による救済への叫びという物語、救済不能の現実→子供の叫びによる救済可能の物語に。
    ・サツキとメイそれぞれに自分を重ねている。
    ・就職直後の大失恋。
    ・「エスコート・ヒーロー」。
    ・母の痴呆という救済。
    ・「人間は仕方ないものだ」という母に引きずられたが、澄んだ(リアリズムに裏付けられた)ニヒリズムによって思想的転回を経て、母を受容。よい子を囲い込もうとする母性の暗黒面を漫画版ナウシカで描き切った。
    ・「自分たちのおふくろみたいな樹」

  • 個人的な意見だけど宮崎駿と庵野は似てる部分がある
    どちらも家庭環境に問題がありそれが作品に現れている
    ほんとに個人的な、アレだけど

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。デビュー作『説得』が講談社ノンフィクション賞を受賞。「水木原理主義者」を自称するほどの水木しげるファンで、代表作に『消えたマンガ家』などがある。

「2015年 『さらば、ヘイト本!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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