こころと脳の対話

著者 :
制作 : 茂木 健一郎 
  • 潮出版社
3.63
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本棚登録 : 275
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267017995

感想・レビュー・書評

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  • http://big-river.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-274b.html
    お二人が仰っているけれど、「分からない」ということを簡単に分かるものに変形してしまわないで、分からないものを受け止めて見つめつつ、分からなさの中に何かを感じたりすることが大切なんだなと実感する。

  • シンクロニシティ、っていうのはAについて考えてたら本屋で偶然Aについての本を見つけた…というような現象のことなんだけど、まさにシンクロニシティの話を読んだあとにそういう現象に遭遇してしまった。読んだ後ぼんやりラジオ聴いてたらメッセージが読み上げられてそれがシンクロニシティみたいな内容だったんです。
    その時の感覚が偶然、だけど偶然ではないというか。じっくりラジオを聴いてたんじゃなくて、DJがその話を始めた途端耳に入ってきたから、これはまさに河合さんの言ってたことだ!と妙に納得。
    それからある人について意識してなくても無意識で思うところがある場合はそれが夢に出てくるとか、それも実際にあったし、何か隠し事をされてたら話してて疲れるとか、おもしろい話いっぱいでした。

  • 河合隼雄氏と茂木健一郎氏の対談三本。

  • 臨床現場などで体感される、関係性を大切にした現象学的なこころの話と、科学的な考えに基づく脳の話。その二つを絡ませた故河合先生と茂木さんの対談集。
    この本を読んで思った事は、普段自分が臨床心理学を専門として勉強する中でもやもやとしてたことが、河合先生の言葉で言語化されてすっと気持ちいい納得感のようなものを得られた、という事。
    こころを科学的に研究し、普遍的な理論化等をすることで誰でも了解出来るようにする、事が心理学の一つのゴールかもしれないけれど、科学的に捉えられない、個々の関係性の中で動く力動的な力って言うのが、臨床現場では大きく影響しているって事はとても感じていて。だからこそ普遍化できない、曖昧さがあって心理学ってうさんくさくなるのかもしれないけれど、でも全てを科学で割り切れないその曖昧さこそが人と向き合う時に大切になる、と言ったことを河合先生が言ってくれてる気がします。
    脳=こころ、という考えもあるけれど、それが全てと考えてはいけない、という考えに賛成です。うさんくさくても、何でも、科学で割り切れない所で人が助かっていると言う事実があるんだから。合理的な繋がりを考えなければすんなり納得できない現代の人の傾向と、非合理的な所で働く何かがあると言う事。単純にS-Rでは証明しきれないと言う事。やっぱり、私は相互交流的な考え方が一番好きなんだな、と再確認しました。
    中でも印象に残ったのは、宗教と各国の考え方の類似性(はっきりと言及されているわけではないですが。)、シンクロニシティのお話の部分、箱庭で使われる無意識にこれだ!と分かる力、のお話。それぞれ大変興味深く、新しい知見を与えてくれました。
    曖昧ではっきり了解出来ない部分もありますが、お二人とも知識が豊富で、故に凄く分かりやすくお話してくれてるから分かりやすいなと感じました。どちらかというとこころの話が中心となってますが、各考えに対して茂木さんが脳科学の領域からの考えも絡ませてくれているので面白いです。
    やっぱり臨床は面白い!

  • 22/6/18 茂木健一郎対談上手
    全体を認識することが大事であって、解釈する必要はない。
    関係性とか生命現象とかいうことを考える場合は、その、一つの事例がものすごい大事やと。
     話の内容と、こっちの疲れの度合いの乖離がひどい場合は、相手の病状は深い、というんです。
     「わからない」ことを大事にする。
     話をきいてるときに「中心をはずさんように聞いているか」
     主観的体験として誰かがものすごく大事にしていたことは、それなりの普遍性がある。「それなりの」いうことが大事なんですね。

  • ウォーターフォール効果
    一方向に動いているものを見続けていて、そこから目を離すと、逆方向にものが動いているように見える。

    高次脳機能障害
    前頭葉のちょっと微妙なところに損傷を受けているだけなので、身体のどこかが動かないとかそういうのではないんです。

    意識のテクノロジー
    脳活動のうち、ある部分を意識化して、可視化するというテクノロジー(機能)

    シンクロニシティ

    河合:夢は、自分がでてくるのがふつうなんです。出てこない夢は、それは自分のふつうの意識よりも非情に遠い夢ですね。

    河合:いわゆる学問というのは、ちゃんと割り切って、論理的に構築してしっかりやるほうでしょう。その裏側のことばっかりやっていた研究所です、ユング研究所は。



    茂木:私がいま、いちばん関心をもっているのは、「確率」という問題なんですね。これはおそらくユングも考えたことだと思うんです。つまり、現代の科学では、不確実なものは確率としてしか記述できない。たとえば「あなたがあと五年以内に死ぬ確率は何十パーセントだ」という言い方をする。だけど、本人にとってはゼロか百しかないわけ。

  • 茂木健一郎がつまらない人間に思えてしまうほど、エキサイティングな対談集。
    この本を読んだ後で、茂木先生と奇跡のりんごの木村さんとの対談を雑誌で読んだらとても面白かった。
    新しい発見や証明は、目に見えない世界、人知を超えた不可思議なこと いわゆるスピリチュアル系な世界を無視して得られないのだなぁとまざまざ感じた

  • これは、「こころ」河合先生の貫禄勝ちだと。「脳」茂木さんは河合先生に聞いてばっかりです^^;
    茂木さんの著作は読んだことがないのですが、この本で見る限りはとても無邪気な人だなーと。好感度はあがりました、ワタクシ。

  • 本当に本当におもしろかった。
    河合さんは、2007年にお亡くなりになったそうだ。直接、面識のない人の死をこんなに悼むのは、初めてだと思う。ご冥福をお祈りいたします。
     一番印象的だったのは、夢や箱療法の題材で、無意識のところで目につく、気になるということがあるということだ。
     章でいうと、「相手の「魂」だけを見つめる」「全体に平等に注意力を向ける」がおもしろかった。人と向き合うとき、特に患者さんと向き合うときに、「中心をはずさずに」いるということの大切さを言っている。
     おもしろいのは、こういうことは、気になる人がやって、気にならない人は、どうぞ、勝手にやってでいいと言っているところ。
     また、ときどき、世間と帳尻を合わすため、納得させるために、ぱあとやってみせるということも、すると河井さんが言うところ。
     そして、「個別性とか、一人ひとりの人生に寄り添って考える知」というところにも、未来への可能性が出ている。
     とにかく、どこをとってもおもしろい。たぶん、私の持っている問題意識と共鳴するのだと思う。その世界は、ユング、フロイト、明恵、老荘、レヴィ・ストロースという人たちも登場していた。じわじわ、足を踏み入れていきたい。
     河合さんと茂木さんとは、私にとっては、まさしく夢の共演。
    茂木さんは、1962年生まれだそうだ。河合さんの意志を知る方が、これからも、活躍されることを見守りたい。

  • ○現代人は言葉に依存しすぎ
    魂だけをみる。答えを与えるより悩みを共有
    ○「関係性」とは心のつながり
    ○「私」は「関係の総和」(華厳経)
    ○シンクロ:自分の意識と外のものが呼応。非因果関係は大事。

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