海神記 2 (希望コミックス)

著者 :
  • 潮出版社
3.36
  • (1)
  • (4)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 50
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784267902475

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第2部第1章「神懸かり」では「誓約(うけい)」が描写される。矛を持った巫女が、軍事的な同盟・協定を、巫女の言葉として宣託する。風俗が違う南洋族の海人族も、渡来人の一族も、その点では従うのである。

    第2章では「漢倭奴国王」の金印埋蔵の場面から、本格的な戦争場面に移る。しっかりと鎧をまとった百済の将軍、むなかたの国の隣国「岡」を攻め取った奴国。穴門(現在の関門海峡)の豊浦宮では、鰐(サメ)の頭を鎧にした審神者がいる。または、鵜を自分の魂として憑依する巫女もいる。学術的根拠もあるが、ほとんどは諸星大二郎の想像だ。この創造力に驚嘆する。

    海神(わたつみ)は海童とも呼び、少童とも呼ぶ。わたつみに率いられて、西海の海人たちは常世を目指す。常世とはいったい何なのか?

    明らかにせぬまま、韓の日矛と七支刀の2つの宝剣が、登場人物たちを東に導くだろう。

    こういう世界は、200年前の弥生時代とほとんど地続きだ。私の好きな世界だ。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

諸星大二郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×